★アオメアブ ムシヒキアブ科。体長20〜29ミリ。出現期は6〜9月。分布は本州、四国、九州、沖縄。名前の通り目が青く見えます。越冬は幼虫で行います。幼虫はコガネムシ類の幼虫やミミズ、ワラジムシ、ダンゴムシなどの体液を吸います。成虫はハエ、アブ、カ、コガネムシ、トンボ、チョウなど何でも捕え口吻で体液を吸います。昼行性で日当たりの良い草地に生息しています。普通種で個体は多い種類になります。
★シオヤアブ ムシヒキアブ科。体長23〜30ミリ。出現期は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。雄と雌の区別は尾の先が白いものが雄になります。ムシヒキアブの代表といえる種類です。幼虫は土中や朽木にいて、餌は土中や朽木にいるコガネムシ類の幼虫、ミミズ、ダンゴムシ、ワラジムシなどを捕食するようです。成虫はハエ、アブ、カ、コガネムシ、トンボ、チョウ、セミ、ハチなど何でも捕え口吻で体液を吸います。昼行性で日当たりの良い草地や林縁に生息しています。普通種で個体数は多い種類になります。越冬は幼虫で行います。
★サキグロムシヒキ ムシヒキアブ科。体長20〜26ミリ。出現期は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。腹部は黄色で尾の先が黒くなっています。気性が荒く、自分よりも大きな昆虫も捕え口吻で体液を吸います。山地の林縁に生息しています。草地より木のある場所を好むようです。他のムシヒキアブと同様に幼虫は土中や朽木にいてコガネムシ類の幼虫、ミミズ、ダンゴムシ、ワラジムシなどを捕食するようです。越冬は幼虫で行います。成虫はハエ、アブ、カ、コガネムシ、チョウなど何でも捕え口吻で体液を吸います。






上段アオメアブ。コメツキムシ科の昆虫を捕えています。2段目アオメアブ。ハチの仲間と思われる昆虫を捕えています。3段目シオヤアブの雌。ツヤアオカメムシと思われる昆虫を捕えています。カメムシまで捕食とは恐るべしです。この写真は以前に撮ったものです。4段目シオヤアブの雄。尾の先端が白くなっています。5段目シオヤアブの雄。同じ個体です。オッサン顔がとても可愛いです。1番下、サキグロムシヒキ。アブの仲間と思われる昆虫を捕えていました。
★マガリケムシヒキ ムシヒキアブ科。体長15〜20ミリ(25ミリ)出現期は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。昼行性で林縁部に多く、日当たりのよい下草にいることが多いです。小型で細身のムシヒキアブです。特徴は脚の先が黄色いことと、名前の通りに頭の上にある長い毛が90度に曲がっていることです。脚の脛節より先が黄色っぽく、雄の場合は脚の符節まで黄色くなっています。雌の場合は先の方までは黄色くなっていません。雄の場合、黄色い色も雌よりはっきりしています。成虫はハエ、アブ、カ、小型のチョウやガなどを捕え口吻で体液を吸います。マガリケムシヒキはムシヒキアブとしては体が小さいので、狙う獲物も小さいものになっています。幼虫は土中や朽木にいて餌として土中や朽木にいるコガネムシ類の幼虫、ミミズ、ダンゴムシ、ワラジムシなどを捕食するようです。越冬は幼虫で行います。普通種で個体数も多いです。


上2枚。マガリケムシヒキの雌です(同じ個体)下は頭の上にある毛の部分の拡大です。90度に曲がった毛が生えていることが分ります。この毛の特徴が名前の由来にもなっています。
★シロズヒメムシヒキ ムシヒキアブ科。小型のムシヒキアブで体長17〜20ミリ。名前の由来は頭部に白い毛が生えていることから来たようです。胸背の模様も特徴的です。出現は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。草原の葉の上にいることが多いです。マガリケムシヒキヒキとよく似ていますが、脚の色が黒く、腹部が細く先端に白い横帯が見えます。また腹部の各節に白い色が見えています。成虫は肉食性で、他の昆虫を捕らえて体液を吸い取り餌とします。幼虫は地中に住んでいて他の昆虫の幼虫を餌にします。シロズヒメムシヒキとナガトミヒメムシヒキは酷似していて、以前はこの2種は同1のシロズヒメムシヒキとされていました。区別は交接器の違いによります。見た目では判断できないということです。ナガトミヒメムシヒキについては全く分かりません。
上、シロズヒメムシヒキかナガトミヒメムシヒキの雌です。この2種は以前は同じシロズヒメムシヒキとされていました。見た目で判断できれば良いのですが、交接器を確認しないと判別できないそうなので、どちらかの種類になります。当方は交接器の違いもどのような違いなのか分かりません。
その他ムシヒキアブ科にはオオイシアブ、チャイロオオイシアブ、トラフムシヒキ、アシナガムシヒキなどがいます。同定の難しいものも多く、それゆえ総称で呼ばれてしまう事になるようです。最近では開けた草地などの減少で、ムシヒキアブも減少しているようです。近くに行ってもあまり逃げない愛嬌もので、獲物を持っていると重いのか、なおさら遠くには逃げません。子供の頃から見慣れた昆虫なので、数が減ってくると寂しい気がしてきます。やはり昔よりも見かけなくなった感はあります。