★ツマグロオオヨコバイ ヨコバイ科オオヨコバイ亜科。日本固有種。別名バナナムシ。体長12〜15ミリ(翅端まで)翅端が黒く頭部、胸背部に黒い斑があります。地色は黄色をしています。分布は、本州、四国、九州、沖縄。山地から平地の草地に最も普通に見られます。都市部や庭先でも見ることができる普通種です。食性は幼虫、成虫ともに草や木の汁を吸います。ナシ、クワ、チャ、キイチゴ、ブドウ、サトウキビなどに発生するので害虫として扱われています。出現は3〜12月(3〜5月、9〜12月)年1回の発生で新成虫は8月に現れます(羽化します)羽化する時間は午前4〜7時頃までが多いようです。ツマグロオオヨコバイは成虫で越冬します。卵で越冬するヨコバイの仲間では珍しいです。越冬は落ち葉の下や倒木の下、樹皮の割れ目、積み上げたものの隙間など色々な所を越冬場所にします。越冬する種類なので寿命も長く9〜10カ月ほど生きることができます。臆病な性格の昆虫で、写真を撮ろうとすると横に移動して逃げられてしまったり、飛んで逃げてしまいます。中には大人しく写真を撮らせてくれるものもいます。ヨコバイとは横に移動して葉の陰などに隠れるところから付いた名前のようです。頭部、胸背部、胸背に良く目立つ6個の黒点があることがツマグロオオヨコバエの特徴です。目も黒いので黒い点は8個に見えてしまいますね。愛嬌があって可愛い昆虫です。幼虫はバナナムシの別名がついています。ツマグロオオヨコバイは日中でも行動していますが夜の方が活発に動き、灯火にも良く集まります。
以前は日本産のツマグロオオヨコバイと台湾産のツマグロオオヨコバイは同じ種類と考えられていましたが、日本の研究者によって別種であることが分かりました。愛媛大学の石原保先生の研究によるものです。何とその研究から日本産のツマグロオオヨコバイは日本固有種ということになりました。凄いですね。学名は日本産にはBothrogonia japonica ISHIHARA。と付くようになるようです。また1つ昆虫の謎が解けたことになります。
★ミスジトガリヨコバイ ヨコバイ科ヨコバイ亜科。体長(翅端まで)4・5〜5・5ミリ。分布は、日本各地のモミジ、カエデに普通に見られるようです。モミジ、カエデに依存する小型のヨコバイで頭が尖がっています。モミジやカエデの木を探すと見つけることができると思います。翅は透明で翅の下の腹部が見えています。翅に見える3本の横縞は淡黄色〜茶色をしていて色には個体差が有るようです。ミスジトガリヨコバイは灯火にも集まるようです。その他は分かりませんでした。
左、ツマグロオオヨコバイ。しっかりした体格をしています。右、ミスジトガリヨコバイ。小さな昆虫なので探すのが大変そうです。ヨコバイの仲間も見つけたら写真を撮り貯めて行こうと思います。
上の写真は交尾中のツマグロオオヨコバイで3月に撮ったものです。写真を追加させていただきました。越冬していた個体になります。とまっている木はアジサイで10数匹ほどがいました。