2019年05月06日

ハジマヨトウ。幼虫(イモムシ)はタケノコを食べるガです。

ハジマヨトウはヤガ科キリガ亜科のタケノコを食べる害虫になります。タケノコの中にいるタケノコを食べる害虫といっても、最も多く流通しているモウソウのタケノコから虫が出てくるということは聞いたことがありません。当然、出荷時に確認されているので、タケノコの中にいて驚くような目には合わないと思います。当方観察地ではモウソウチクのタケノコで見ることは少なく、野生のメダケに多く寄生しています。ヤダケでも確認しています。ササダケとして有名なチシマザサ(ネマガリダケ)にも多いようですが、チシマザサ(ネマガリダケ)を食べる幼虫はサッポロチャイロヨトウの幼虫が多いようです。研究者の発見によりサッポロチャイロヨトウの幼虫の餌はネマガリダケ(チシマザサ)になるようです。サッポロチャイロヨトウの幼虫は白っぽい体色をしているようです。タケノコを餌にする幼虫は大きくなるとタケノコの表面に穴ができていることで、中にいることが分かります。ハジマヨトウは当方の観察地ではモウソウチクのタケノコで見ることができませんでした。やはり外皮の部分が薄く、脱出しやすいササ類のメダケの方を選ぶのではないのかと推測しています。野外でヤダケやメダケの細いタイプのタケノコに穴が開いている物を目にすることは多いです。調べてみるとタケノコを食べる種類は他にもいます。餌がタケノコなので、どの種類も年1化であるものと思われます。幼虫はまだ十分に伸び切る前の地表にでた若く小さなタケノコに潜り込んで成長して行くようです。タケノコを食べるちょっと変わったガ、ハジマヨトウを調べてみました。名前にヨトウと付いているのでヨトウガ亜科に属すると思いきや、キリガ亜科に属するガになるようです。ハジマヨトウの成虫にはなかなか出会えないことと、すぐに逃げられてしまうことから残念ながら撮影には成功していません。幼虫を観察しようと思った場合は、寄生しているタケノコを見つけないと見ることができないので、よほど興味がない人以外は見ることがないイモムシになると思います。
★ハジマヨトウ ヤガ科キリガ亜科。ハジマヨトウの終齢は 幼虫は体長35ミリ程。ハジマヨトウの分布は本州、四国、九州、沖縄。成虫の出現は6〜8月。年1化。灯火に集まるようです。幼虫は体長35ミリ程。幼虫はタケノコから出て土の中で蛹になります。越冬は卵で越冬します。幼虫はササやタケの芽(タケノコ)を餌にするガです。神奈川県の観察地では6月に出現しています。成虫には地色に個体差があります。イネ科のハチク、モウソウ、マダケ、ホテイチク、メダケ、カンザンチク(中国原産のササ類の中で最大の種類)、ヤダケ(ササ類ヤダケ属)など食用タケノコの中に潜り込んで餌とします。成虫は地味な茶色で翅には3角形の斑紋があります。地色には個体差があるようです。個体差がある種類だと違いの判る成虫の写真を撮ってみたくなります。
ハジマヨトウ(ヤガ科キリガ亜科).JPG
上のハジマヨトウの幼虫はメダケのタケノコの中にいました。黒い地色に白い筋が見えます。食用タケノコ等を餌にするガの幼虫です。モウソクチクやマダケではあまり見ません。メダケのような細いタケノコに多く発生しているようです。タケノコの表面に穴もしくは中から何か塊状の物が出て見えます。が開いているものを探して中を探すと見つけることができます。成虫は地味な茶色ですぐに飛んで逃げてしまうので、撮影ができないままになっています。
タケノコを食べる他の種類には次の3種類がいます。
・サッポロチャイロヨトウはチシマザサ(ネマガリダケ)を食べるガになります。分布は北海道、本州、四国、九州。年1化で成虫の出現は7〜9月。幼虫の地色は白っぽく見えるようです。
・カバマダラヨトウはメダケを餌にします。分布は本州、四国、九州。成虫の出現は8月で年1化。
・ミヤケジマヨトウは日本固有種でカンザンチク、リュキュウチョク、メダケなどササのタケノコを食べるようです。分布は本州(千葉県以南)、四国、九州。年1化で成虫の出現は6〜7月。
ハジマヨトウは繁殖場所がササ藪や竹林になることと、幼虫の餌がタケノコの中身なので、さらに成虫幼虫共に見る機会の少ないガになります。成虫の色も地味なので、タケノコを食べるガというと興味も出てくる種類になるのかも知れませんが、ほとんど知られることが無い地味な昆虫になると思います。
観察地のメダケが全て刈り取られてしまいました。地上に1本もありません。もともと少なかったのですが、根元からの伐採なのでもう生えないかも知れません。ただでさえ成虫の捕獲は難しかったので、成虫の写真と合わせて追加して投稿しようと思っていたのですが、難しくなってしまいました。幼虫の紹介にすることに変更することにしました。写真が少ないので追加する予定です。
posted by クラマ at 18:19| Comment(0) | 蝶・蛾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

セリの葉のゴール(虫こぶ)。不明の虫こぶです。

今年で見かけてから3年になるのですが、カビなどの雑菌によるものと思っていたのですが、念のために写真を撮ってみると立派な脱出孔がありました。セリの葉にできたゴール(虫こぶ)だったようです。本年は発生が少ないようでした。鮮やかな山吹色に見えるので、発生はすぐに分かったのですが、ゴール(虫こぶ)とは思っていませんでした。思い込みでカビと思っていたことで気が付きませんでした。今後は手に取って観察する必要がありますね。セリの葉にできる虫こぶは思い当たらないので、不明の虫こぶ(ゴール)として紹介します。部位は葉の裏、葉縁、茎にできています。葉裏には盛り上がった小丘があり、葉の表面側はほぼ平坦です(肉眼では分からない位に僅かに凹んでいるようです。脱出孔は8〜10個程あるので複数の作成者の幼虫がこの塊に集まって生活しているようです。脱出前のゴールではいくつかの小部屋ができていて1塊になっていることが分かります。セリの葉にできていた正体不明の虫こぶを観察してみました。
セリのゴール葉表.JPGセリのゴール葉裏・脱出孔.JPG
同じ虫こぶの葉の表側と葉の裏側です。上は表側、下が裏側です。裏側の写真では脱出した跡が見えます。
セリのゴール部位1.JPGセリのゴール部位2.JPGセリのゴール茎.JPG
上2枚は沢山出来ている様子です。寄生する部位はあまり関係ないようです。下、茎にできているものです。まだ中に幼虫がいるのでしょう。小さな塊が集まっていることが見て取れます。セリの葉と比較しても分かるように、中にいるのはかなり小さな昆虫です。
セリ自体が春先だと小さいので、分かりににくいのですが、目につく黄色なので発生していると分かりやすいと思います。このセリは林縁の小さな小川の脇の土手に生えていました。土手の上は草の広場になっています。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。撮影は4月17日です。5月4日に行ったら、もう見つけられませんでした。来年は中に幼虫がいるかどうか確実に確認することにします。
セリ.JPG
上、まだ伸び切っていないセリです。春先のセリは地面に広がって生えているように見えます。この状態だとスーパー等で売っているセリとは雰囲気が違って見えます。野菜としても出回っているので、ご存知とは思いましたがストックしてあった写真を載せました。野生では田んぼや小川の脇、湿地などに自生しています。山菜狩りの対象にもなっている有名な草です。
posted by クラマ at 18:06| Comment(0) | 虫こぶ(ゴール) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カラスビシャクとムラサキハンゲ。良く似た仏炎苞の色が違うサトイモ科の有毒植物です。

カラスビシャクとムラサキハンゲは良く似ています。どちらも雌雄同株で花の構造は肉穂(にくすい)花序の上半分に雄花が、下半分に雌花が付くという面白い構造をしています。雌花の部分は仏炎苞に包まれていて、外から見ることはできません。カラスビシャクの仏炎苞は緑色ですが、ムラサキハンゲの場合、仏炎苞は紫色を帯びています。花が咲いていないと(仏炎苞がないと)どちらがどちらか分かりません。ハンゲとはカラスビシャクの別名です。カラスビシャクは当ブログ「ミツバ(三つ葉)、ウマノミツバ、カラスビシャク。山菜狩りの前に、知っておいた方が良い葉の形が似た植物です」で紹介していて、2度目の登場になります。ムラサキハンゲは色の違う品種になります。カラスビシャクとムラサキハンゲが同じ場所に自生していることもあります。共に変異がある種類になりムラサキハンゲの方はやや稀な種類になりますが、カラスビシャクは道端や畑の脇などにも自生していて、普通に見つけることができます。カラスビシャクは古い時代に中国から渡来した帰化植物(史前帰化植物)といわれています。カラスビシャクは小型で全体が緑色なので、他の草と混ざって気が付かないだけで、探すと見つけることができると思います。花を包んでいる仏炎苞の形が気持ち悪いと言う人と、変わった形が面白いと言う人と、好みが分かれる、なかなかの面白植物です。仏炎苞の長さは5〜6センチ程で花序の付属体は糸状に直立して伸びています。当方はこの個性的な形が好きです。ヘビが嫌いな人にとっては、この独特な形の仏炎苞が、鎌首を持ち上げたヘビの頭にも似て見えるので、見たくない植物になるかも知れません。ムラサキハンゲは個体群によって色の濃淡などの変異があるので面白いです。小さくて探しにくいかも知れませんが、変異のある植物なので、探すと面白いです。
★カラスビシャク サトイモ科ハンゲ属。別名ハンゲ。有毒植物。単子葉植物の多年草。雌雄同株で草丈は20〜40センチ。葉は先のとがった長楕円形。葉は形の整った3小葉ですが変異があります。葉柄にムカゴができます。繁殖は塊茎、ムカゴ、種子で増えます。カラスビシャクは目立たないだけで普通種になります。葉は地面に近い所にあるので、伸びあがった仏炎苞が良く目立ちます。花期は5〜7月。カラスビシャクの名前の由来は、仏炎苞が小さなヒシャクに似ている形をしていること、小型でカラスが使うに丁度よい大きさとして例えられたことで、カラスビシャクの名がついたようです。花に見えるのは花を包んでいる苞で、仏炎苞と呼ばれるものです。花茎は直立し伸びあがります。葉より高い位置で上の方に咲きます。仏炎苞の中に花があります。花の構造は肉穂(にくすい)花序の上半分に雄花が、下半分に雌花が付きます。葉は3出複葉(3小葉)で地下に1センチほどのか球状の塊(塊茎)があり、この塊茎から長い茎のある葉を出します。若く未熟な葉の場合、単葉の葉がでますが成長して行きます。葉も変わっていますね。球状の塊(塊茎)の大きさは1〜2センチ程です。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。畑や林縁、道端に自生しています。適応能力は高いのですが、湿り気のある土質を好みます。栽培する場合は、塊茎かムカゴを使うと失敗が少ないようです。
・カラスビシャクの仏炎苞の基部は開いているものと閉じているものがありました。これは成長の違いなのかとも思いましたが、僅かな個体差もあるようです(成長した仏炎苞は開いているものと思います)カラスビシャクは雌雄同株なので、昆虫を閉じ込めなくても受粉に影響がなければ問題はありません。仏炎苞に閉じ込めて受粉させるも良し、脱出させるも良し、無事に受粉できれば良いということのようです。マムシグサの仲間のような雌雄異株と違い、カラスビシャクとムラサキハンゲの場合は仏炎苞の中に入った昆虫の出入りは自由。授粉できれば問題なしになっているようです。
カラスビシャク葉の細いタイプ.JPGカラスビシャク仏炎苞.JPGカラスビシャク花.JPG
上、カラスビシャクです。初めは見つけにくい植物ですが、1度見つけると次から探すことに慣れてきます。とは言え、葉の位置が低いので、仏炎苞が見えないと他の植物に葉が隠れてしまいます。このカラスビシャクの葉は細長いです。周りに見える若い葉は丸みが強い卵形に見えるものもあります。葉の形にも成長の度合いでいくつかのパターンがあります。分かりにくいのですが、右下の右角には仏炎苞の背面も写っています。2枚目、カラスビシャクの仏炎苞です。緑色をしていて花の部分は隠れていて見えないです。見えにくくなるので写真を横位置にしています。3枚目、花が見える様に仏炎苞の1部を除去しました。左側の薄い黄緑色に見える部分が雄花のあった部分で、少し離れた所に見える白い環状の部分が雄花に樽部分です。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿公園。
カラスビシャク花2.JPG
上、付属体も含めた写真です。分かりにくくなるので横位置で載せます。カラスビシャクは仏炎苞も付属体も細長いです。
・紫の仏炎苞はムラサキハンゲと呼ばれる変種になります。
★ムラサキハンゲ サトイモ科ハンゲ属。単子葉植物の多年草。有毒植物です。草丈は20〜40センチ。カラスビシャクよりも少なく稀な種類になるようです。ムラサキハンゲはカラスビシャクと仏炎苞の色が違うことで区別されます。色が違うだけでほとんど同じに見えます。紫色を帯びているカラスビシャクと思ってもよいと思います。名前にある様に仏炎苞は紫(紫褐色)に見えます。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。山地から低地の草地、林縁、畑地などに生育します。適応能力は高いのですが、湿り気のある土質を好みます。花期は5〜8月。仏炎苞が紫褐色なので、カラスビシャクよりも見つけやすいです。ムラサキハンゲの仏炎苞にも個体差がって、色の薄いものや紫色に筋が入っているなどムラサキハンゲの場合、仏炎苞の色合いに個体差がでます。見つけた場所の個体群によって雰囲気が代わります。ムラサキハンゲはとても魅力的で面白いです。このことからも分かるように生育する地域によって変異する確率が高い植物と言えるようです。
ムラサキハンゲこども自然公園.JPGムラサキハンゲ若い仏炎苞.JPGムラサキハンゲ南本宿公園・仏炎苞.JPGムラサキハンゲ1.JPGムラサキハンゲ2.JPGムラサキハンゲ花.JPG
1番上、ムラサキハンゲの仏炎苞と葉です。2枚目、上の個体群の若い仏炎苞です。伸びあがっていく時の花茎は全体に細くなっていますが、すでに先端部分には薄い紫褐色が見えています。3枚目、上2枚とは違う場所のムラサキハンゲです。仏炎苞の色合いが違っています。こちらは全体が紫褐色をしています。仏炎苞の色彩の違いが面白いです。4、5枚目、3枚目の個体群の仏炎苞です。横位置で角度を変えて見て見ました。バックは岩上生の地衣類(ヘリトリゴケ)です。6枚目、上の仏炎苞を花が見える様に1部を除去しました。花の構造はカラスビシャクと同じです。花の構造が面白いです。仏炎苞の基部側を除去してあります。雌花は外部から見ることができません。可愛そうですが雌花を見るために犠牲になってもらいました。雌花の上に離れて見えるのが雄花の部分になります。撮影地。上2枚、神奈川県横浜市こども自然公園。下4枚横位置が、横浜市、南本宿公園。
ムラサキハンゲ花比較2.JPGムラサキハンゲ花比較3.JPG
上、先に写真で紹介した個体とは雰囲気(色合い)が違うムラサキハンゲです。こども自然公園の別の場所で見つけたものです。南本宿公園の個体と比べるとグラデーション等のバリエーションがあることが分かります。ムラサキハンゲの仏炎苞の色彩は自生する場所が違うと微妙に雰囲気が違っています。変異が多い種類と言われる由縁です。この変異がまた面白いのですが、小さい植物なので見落とされてしまっているのかも知れません。南本宿公園での撮影等は管理者の草刈等、作業中に行わせていただきました。両種とも草刈等に強く、丈夫な雑草です。また来年、興味深い花を見ることができます。
posted by クラマ at 15:03| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ケキツネノボタン。黄色い花が可愛い毒性の強い有毒植物です。

ケキツネノボタンは毒性の強い有毒植物です。大変良く似たキツネノボタンという種類もあります。共に全草に毒があります。毒といっても命の危険はないものの、どちらもセリやミツバに混ざって湿地等に生えていることがあるので注意が必要です。よく見れば葉の形が違うので間違えることはあまりないように思えますが、食べられる山野草として有名なセリやミツバと同じような場所に生えることもあることから、毒のあるキツネノボタン等と誤食する可能性もあり得ることから、もしも山菜狩りをする場合などには知っておいた方が良い植物になります。どちらかというと、誤食よりもセリや3つ葉に混ざって摘み取ってしまった汁が皮膚について発疹や腫れる等の危険があります。キツネノボタンはキンポウゲ科の植物です。キンポウゲ科の植物には有毒である場合が多いことも知られています。花は4月から咲きだします。黄色い可愛い5弁花になります。花弁にはツヤ(光沢)があり、よく見ると綺麗な花です。花の寿命は2〜3日で、夕方から朝までは閉じてしまいます。花が終わると実を付けますが、キツネノボタンはの実はとんがりが沢山ついている、金平糖の様な形をしていて、実に個性的です。別名にコンペイトウグサという呼び名がある程です。花と実を楽しめる草です。耐寒性があり、繁殖はこの変わった種子で行われます。名前の由来は葉の形が牡丹(ボタン)に似ていることから来たようです。キンポウゲと同じような黄色いツヤのある花は綺麗です。繁殖は種から育てることができます。キツネノボタンとよく似たケキツネノボタンは共に個体変異があるので、どちらなのか迷う個体も多いようです。判別には果実の作りを調べる必要があります。どちらも多年草(2年草)になりまう。低地に多いのはケキツネノボタンで田んぼでは、田の中ではなく田の畦に生える植物になります。畦を探すと見つかると思います。果実の形も面白いので、探してみると良い観察ができると思います。キツネノボタンは山地に多い種類になるので、少し見つけにくい種類になります。
・キツネノボタンもケキツネノボタンも有毒植物なので、もしも山菜狩りをする場合、葉が若いとミツバにも似ているので、可食のミツバ、セリと間違えないようにしなければなりません。毒の症状は口腔内の炎症、胃の炎症、吐き気、下痢、血便を起こします。茎や葉の汁で、かぶれ(皮膚に強い刺激を与えます)を起こします。コンペイトウのような可愛い形の実も採ってはいけません。植物の汁が付いたらかぶれてしまいます。毒成分はラヌンクリンと呼ばれる成分になるようです。
ラヌンクリンは2次的な作用により毒性を発揮します。ラヌンクリンは植物体を摘み取ること、つまり葉がつぶれたり、噛んだりした場合に加水分解が起こりプロトアネモリンに変質することにより危害を与える毒成分となるようです。両種とも同じような環境(場所)で育ちます。昔はよく見た花なのですが、湿地が減ったり、田の畦でも見ることが少なくなってきています。早春に咲く黄色い花はそれなりに綺麗だったので、見る機会が少なくなったことは残念に思います。良く似ていて混同されるキツネノボタンとケキツネノボタンを調べてみました。
★キツネノボタン キンポウゲ科の多年草。別名コンペイトウグサ。全草に毒のある有毒植物です。普通種で湿り気のある場所で普通に見つけることができます。草丈は30〜80センチで茎は直立します。葉は3出複葉で、葉は幅が広く葉先と鋸歯はあまり尖っていません。茎の毛はほとんどないか、わずかな斜上毛があるだけです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄(沖縄には少ない)山地の湿地など、湿り気のある場所や湿地、田んぼの畦などに生育しています。キツネノボタンは毒性が強いので、葉の形がやや似ているセリとの誤食に注意が必要です。セリが生えている同じような場所に生育していることも多く、林縁や湿り気のある場所(湿地)に生えます。山地に多く見られる種類です。花期は4〜7月で花は光沢のある黄色い5弁花の小さな花を付けます。実は黄緑色で形は球状になります。実は金平糖(コンペイトウ)の形に似た集合果で、突起が多く突き出ています。この痩果(そうか)には縁に稜がありません。棘の先端は鉤状に曲がります。痩果とは厚みがなく硬い果皮に種が1個入っている形態の果実です。
キツネノボタンの仲間の実は、お菓子の金平糖に似た形をしているので覚えやすい植物になると思います。突起の先は鋭く尖ったフック状になっています。キツネノボタンはヤマキツネノボタンの変種とされています。
似た種類にヤエキツネノボタン、ヤマキツネノボタン、ケキツネノボタン、コキツネノボタン、シマキツネノボタンがあります。花が八重咲のキツネノボタンはヤエキツネノボタンと呼ばれています。茎の毛が多いものはヤマキツネノボタンとしていますが、キツネのボタンと同じ植物とする場合もあります。現在ではキツネノボタンがヤマキツネノボタンの変種になっているようです。ケキツネノボタンは小葉の幅が狭く、鋸歯の先が尖っています。葉の切れ込みも深くなっています。ケキツネのボタンの場合、大きな株になります。コキツネのボタンはやや小型で、草丈は30〜60センチ。特徴は集合果は楕円形をしていて、痩果の棘の先端は曲がっていません。葉と葉柄に開出毛があります。コキツネノボタンは珍しい種類になります。絶滅危惧T類、絶滅危惧U類に指定されている県も多いです。シマキツネノボタンは本州西部、四国、九州、沖縄に分布していますが、数は少ないようです。沖縄ではキツネノボタンよりもシマキツネノボタンが多く生育しているようです。
★ケキツネノボタン キンポウゲ科の多年草。草丈は30〜65センチ程で茎は直立します。葉は3出複葉で、葉は狭く葉先と鋸歯はあまり尖っています。茎の毛は多く、毛は葉など全体に生えています。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。田の畦、沼地、湿地など湿気のある場所を好みます。田の畦など低地に多い種類になります。キツネノボタンにも毛の生えているものがあるので、茎の毛では判別できないようです。実の棘は先端が曲がっていません。こ特徴にも個体差があるようです。キツネノボタンとの見分け方は痩果(そうか)には縁に稜があることで(稜は3稜)、実の棘は直線的かやや曲がるものが多いようです。痩果は平面に並んで見え、扁平になっていることが見て分かります。特徴は実が熟すと扁平な面に、リング状の稜が見えることです。花期は4〜7月。花は黄色い5弁花の光沢のある小さな花を付けます。茎は上部でよく分枝します。キツネノボタンと同様に毒草です。湿地等が減っているので昔ほど見る機会は少なくなっています。
ケキツネノボタン花1.JPGケキツネノボタン花2.JPGケキツネノボタン葉.JPGケキツネノボタン果実1.JPGケキツネノボタン果実2.JPG
上2枚、ケキツネノボタンの花です。花はキンポウゲに似た黄色いツヤのある花弁を持っています。小さな花ですが綺麗です。閉じている花と開いている花です。3枚目、葉です。平地に多い種類で葉の形は3小葉で切れ込みが深いので、セロリの葉の様に見えます。セリと同じような場所に生育しますがセリよりも大きくなる葉と幅のある葉なので、良く見ればセリと間違えることはありません。4、5枚目、果実です。痩果の先にはトゲトゲが付いている面白い実です。お菓子の金平糖のように見える形が特徴的です。ケキツネノボタンの場合、金平糖に似た痩果の棘の曲がりが直線的で弱い個体が多いようですが、個体差(変異)もあるようです。
ケキツネノボタン茎、下部.JPGケキツネノボタン茎、上部.JPG
茎の毛の様子です。上は根元に近い部分で毛深いです。下は上部の茎の毛です。下部よりも毛は少なくなります。名前に「毛」が付いているだけに茎や葉には毛が生えています。名前の由来は葉が牡丹に似ていて、茎や葉に毛が多いことから、キツネノボタンの名前にケ(毛)が付き、ケキツネノボタンという名前になったようです。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。棘のある金平糖のような果実なので、この特徴が分かっていると名前が分かりやすい種類になるので、探してみると面白い観察ができると思います。
posted by クラマ at 14:05| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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