2018年10月27日

ヤキフタケ。白っぽくて微毛の生えたキノコです。

ヤキフタケはカワラタケの仲間に良く似た白っぽいキノコです。特徴は傘にある微毛です。白っぽいカワラタケに似ている菌類の種類は多くあるので、管孔の様子、傘の肉厚、傘の表面の様子などを調べないと、どれも同じように見えてしまいます。傘の表面の様子や傘の形状にも半円形や扇形など個体差があり、生え方も側生、半背着生、背着生などもあってとても複雑です。詳しく差異をあげていたらきりがなくなりそうです。名前を調べるのを伸ばしていたストックからヤキフタケを引っ張り出しました。ストックを見ていて今回紹介しようと思いました。成長した老菌を比較してと思っていたのですが、数年前から発生していた樹が切られてしまったので、撮影していなかったことを後悔しています。小さな小型ですが発生色の幼菌時はとても綺麗です。ヤキフタケは全国どこにでもある普通種になるのですが、当方には、キノコ類は探すとなると見つかりにくいと思ってしまいがちな存在になっています。ヤキフタケの色は個体差のあるカワラタケなどの仲間と色が似ているものがあって、よく見ないと間違いそうになります。かつては食用とされていて現在は毒キノコになったスギヒラタケ(キシメジ科)と似ていると言われています。スギヒラタケは食べて死亡した人や中毒例が突然発生したという食菌でした。腎臓に障害のある方に死亡例がでた食用キノコです。スギヒラタケにはヤキフタケにあるような不鮮明な環紋(樹の年輪の様に見える模様)はありません。当方はヤキフタケの特徴として、傘の表面にあるフェールトのような短毛と管孔を見て判断しています。通年を通して発生する種類になるので写真の時期とは異なるのですが、紹介の時期は選ばない種類として紹介します。ヤキフタケと似ているザイモクタケが見つかったら追加したいと思っています。
★ヤキフタケ タマチョレイタケ科(タコウキン科)。食不適。ヤキフタケはサルノコシカケ科として紹介されることも多いですが、タマチョレイタケ科と無難にタコウキン科とすることが多いようです。この手の菌は分類がまだ不確実で難しいです。ヤキフタケは無柄で群生します。重なり合うように出ることもあります。子実体は側着生とされていますが背着している個体もありました。この仲間には多様な個体差があるようです。子実体は小型で半円形、扇形などで通年発生します。形からカワラタケの仲間だと推測ができる形をしています。半円型の場合の幅は3〜6センチ程。傘には不鮮明な環紋があります。また傘は白色〜象牙色でフェールト状の短毛(繊維状の短毛)が生えていて、白っぽく見えます。表面には放射状の皺ができます。管孔は多角形で崩れやすい形状をしていて、管孔はふぞろいになっています。同じ管孔面(裏面)でも管孔の様子は迷路状になったり管孔の形の違いがあるものが多くみられます。観察していると分かるのですが、管孔の様子には個体差があります。傘の厚さは2〜3ミリ程で革質をしています。広葉樹の枯れ木に発生します。倒木、立ち枯れなどの他、弱っている樹からも出ていました。老菌になると白い色が目立ってきます。
ヤキフタケ1.JPG
上、ヤキフタケ。広葉樹の倒木からでていました。まだ若い菌です。傘の表面の短毛がフワフワに見えて可愛いです。春ごろは綺麗な幼菌を見ることができます。上のヤキフタケの傘の外縁は茶褐色をしています。下に見える傘は白っぽいです。成長が違うと見え方も変わってしまいます。
ヤキフタケ2.JPGヤキフタケ3.JPGヤキフタケ4管孔.JPG
上、ヤキフタケ。どれも生きている同じアンズの樹から発生していました。上、若い傘の様子です。2枚目、背着しています。普通は扇形か半円形になっていきます。管孔は乱れてつながって見える部分も見て取れます。下、管孔の様子です。これも背着していた個体の管孔です。この写真の管孔はそろって見える方です。発生していたこの樹は弱っていたので翌年切られてしまいました。ヤキフタケには良く似た種類が多く、調べれば調べるほど迷ってしまいそうな菌です。アラゲカワラタケやザイモクタケなどがあります。アラゲカワラタケは管孔が揃っている特徴があります。ザイモクタケは半円形から不規則形の傘で厚さが1ミリで背着生〜半背着生ということです。管孔は角形でしばしば迷路状になるようです。その他、詳しい特徴は分かりませんが、厚みがないので見た目で判断します。
写真で見てもわかるのですが、どこにでもありそうに見えます。この手の菌類は似て見えるものが多いのですが特徴から、ここではヤキフタケで良いと思います。種名は当ブログでは見た目と特徴から判断しています。間違っていたらご容赦ください。
posted by クラマ at 17:10| Comment(0) | キノコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月26日

モモスズメ、ウンモンスズメ。スズメガ科の幼虫2種類。

スズメガ科の幼虫の紹介です。スズメガ科の幼虫は以前にも紹介しましたが、今回もなかなか迫力があります。太くて大きくてインパクトが強いです。イモムシ系が嫌いな方はスルーしてください。今回登場の幼虫はウンモンスズメとモモスズメの幼虫です。スズメガ科の幼虫は大きくて尾端に尾角という棘状の突起があるので分かりやすいです。当方は最初は苦手だったのですが、慣れてくると色々な種類の幼虫を見たくなってくるから不思議です。とても気持ち悪く怖そうに見えますが、毒などはありません。人に対しては意外と無害な幼虫です。モモスズメの幼虫には大変良く似た種類がいて、判別のためにもに似た種類の幼虫の写真も撮りたいと思っています。スズメガの仲間は大型なガの種類だけあって、幼虫もなかなかの大きなサイズになります。嫌いな人には耐えられない大きさになると思います。モモスズメ、ウンモンスズメを調べてみました。ウンモンスズメの成虫は当ブログ「ウンモンスズメ。緑色の大きな蛾です」で紹介しています。
★ウンモンスズメ スズメガ科ウチスズメ亜科。 幼虫の体長は60〜70ミリ。出現は4〜9月。年2化。普通種で数も多い。分布は北海道、本州、四国、九州、対馬。 幼虫はニレ科のケヤキ、ハルニレ、アキニレ。ニシキギ科のマユミの葉を食べます。ケヤキは街中の街路樹にも植えられているので、街中で見ることもあります。数も多く都市部や都市部の公園にもいます。幼虫の尾角はまっすぐに尖っていて色は紫褐色をしています。色彩は基本が緑色型です。斑紋がない個体とある個体がいます。斑紋には色や形に個体差があります。体表には4本の白い線が見えます。全身が小さな顆粒状の突起に覆われていますが、白く見える突起は大きいです。この顆粒状の白い突起(顆粒列)が並んでいることがウンモンウズメの幼虫の特徴になっています。越冬は土中に潜り蛹で越冬します。成虫は灯火に飛来します。街中の灯火でも見ることがあります。
ウンモンスズメ幼虫.JPG
上はウンモンスズメの幼虫です。斑紋の小さなタイプです。ウンモンスズメの幼虫は大きくて立派な尾角を持っています。落ちてしまったのでしょうか。台風の後、ケヤキの樹下の笹にいました。
★モモスズメ スズメガ科。スズメガ科ウチスズメ亜科。普通種。幼虫の体長は70〜80ミリ。出現は5〜9月(5〜6月、7〜8月の年2化になります)。幼虫は6〜10月。越冬は土中で蛹で越冬します。分布は北海道、本州、四国、九州、対馬、屋久島。幼虫はバラ科の植物に多く、バラ科、ウメ、アンズ、モモ、サクラ(ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ウワミズザクラ等)、リンゴ、ナシ、カイドウなど。ニシキギ科、ニシキギ、コマユミ。ツゲ科、ツゲなどの葉を食べます。食性が広くサクラ類は公園等にも普通に植えられているので餌には不自由はしません。リンゴ、ナシ、モモ等の果樹の葉を食害するので、果樹農園の害虫になっています。モモスズメの幼虫には緑色型、緑色有斑型、黄色有斑型がいます。緑色型が多いようで、黄色型は稀になります。モモスズメの名前の由来には2説あって、後翅が桃色を帯びているからというものと、植物のモモなどに多いからという説があります。さて、命名者はどちらの特徴を取ったのでしょうか?モモスズメの成虫には似た種類にクチバスズメがいます。両種の違いは前翅基部側に見える横線の違いです。直線的に見える方がクチバスズメで曲がって見える方がモモスズメになります。幼虫になると各種の体色の個体変異や斑紋の有る無し等から、似た種類が多くなってしまうため、識別は難しくなります。特徴を踏まえ図鑑等での絵合わせが手っ取り早いのですが、この際もデジカメ等での記録が欠かせなくなります。個性的な特徴がないとガの幼虫から成虫を調べるのは難しいです。
モモスズメ1.JPGモモスズメ(スズメガ科)2.JPG
上、モモスズメです。緑型の幼虫になります。太さもある終齢幼虫です。このモモスズメの幼虫はニシキギ科のコマユミにいました。10月に撮影したので、この後、地中に潜って越冬の準備に入るのでしょう。上、横から見た所です。下、上から見た所です。
posted by クラマ at 14:38| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月22日

アリジゴク(コウスバカゲロウの幼虫)。地面にすり鉢状の落とし穴を作る昆虫です。

アリジゴクほど成虫よりも幼虫が有名で人気のある昆虫は珍しいと思います。アリジゴクは個性的で本当に面白い昆虫です。アリジゴクとはウスバカゲロウの仲間の幼虫の呼び名です。または地面に作られたすり鉢状の巣を蟻地獄(アリジゴク)と呼んでいます。ウスバカゲロウの仲間の中に、地面にすり鉢状の巣穴を作り、通りかかった昆虫が穴に落ちるという、落とし穴を作る種類がいます。全ての仲間がアリジゴクとして地面にすり鉢状の巣を作る訳ではありません。すり鉢状の巣穴を作らない非営巣性の砂地の表面近くに住む種類や、樹皮や岩に発生した地衣類(レプラゴケ等)に潜む種類もいます。むしろ作らない方が多いです。1般的にはこれら地中に住む種類を総称としてアリジゴクと呼んでいます。地面にすり鉢状の落とし穴のような巣を作る種類はウスバカゲロウ、コウスバカゲロウ、クロコウスバカゲロウ、ハマベウスバカゲロウ、ミナミハマベウスバカゲロウの5種類になるようです。ずんぐりむっくりの楕円形のような形の幼虫に対して成虫は細長く、トンボに似た姿をしています。特にアリジゴクは幼虫期を地面の土や砂の中で生活する変わった昆虫になります。食性は肉食性で、餌の捕り方は乾いた土や砂地に作られる巣穴に落ちた昆虫を捕らえる方法によります。斜度のあるすり鉢のような穴に落ちた昆虫は、必死に脱出を試みるも、這い上がることができないうちに捕らえるというものです。這い上がろうとする足場は崩れやすく、斜度のある斜面になっているのですが、縦穴式の落とし穴の様にいきなり底に落ちることはほとんどないようです。アリジゴクは(幼虫)は落ちてくる砂粒などの振動を感じて、獲物が巣穴に落ちてきたことを察知して、巣の中に脚を踏み入れた(落ちた)獲物となる昆虫に向けて、大顎(おおあご)を使って巣穴の中心部付近にいるアリジゴク(幼虫)が土や砂をすくって投げつけます。これで這い上がるどころではなくなり、すり鉢の中心部に近い所に徐々に落ちていきます。そこで獲物を挟むことができる距離に近づくと、大きなハサミ状の顎で捕らえ地中に引きずり込んでしまいます。またアリジゴクの唾液は猛毒成分を含んでいるそうです。これはアリならともかく、大きめの昆虫が獲物として落ちてきた時の対策にもなっているようです。早く動きを止めるに越したことありません。考えて見ると凄い獲物の捕らえ方です。獲物の昆虫にしてみたら、穴に落ちて大顎で挟まれたあげく毒殺されるという、まさに地獄に引きずりこまれるがごとしです。人間界では抜け出すことが困難な状況や状態を「蟻地獄に落ちる」という表現もあります。怖いですね。しかし、これは成功例の話になります。実際はアリジゴクの巣の中に落ちたアリでも、すり鉢状の穴の外に出ていくアリも観察できます。人為的に巣穴に落としたアリも脱出することも多いです。これは子供の頃にアリジゴクで遊んだ経験があることから確認済みで、観察するとすぐに分かります。観察地の神奈川県では、ウスバカゲロウとコウスバカゲロウの2種類がいて地面にすり鉢状の巣(アリジゴク)を作ります。巣は乾いた砂状の土に作られます。家など建物の軒下や大木の下、橋などの橋脚の下など雨が当たりにくい場所を選んで作ります。アリジゴク(幼虫)の体表には毛が生えていて、巣から取り出すと砂で覆われています。種類を判別するには、頭部の上面と下面の模様を調べて、種類を判定します。取り出したアリジゴクにスポイト等で水滴を落として頭部等の砂を落とします。肉眼での確認は無理なので、コンパクトデジカメや虫メガネを使って調べることになります。スケッチしても構わないのですが、後で調べるには撮影しておくことが便利です。体が乾いたら元の場所に返してあげると、砂に潜る様子も観察できます。お尻から後ろ向きで砂の中に潜っていきます。普通、知らないと頭の方から潜ると思ってしまいますね。ピョコピョコとした動きで潜っていくので見ていると面白いです。円運動を利用して落とし穴(巣穴)を作る様子も観察すると面白いです。すり鉢状の巣の作り方は、大きな外円から徐々に中心に向かって渦巻き状に進んでいくことで作られます。進む方向はお尻からです。後ろ脚を使って後進します。後ろ方向に進む習性も珍しいのですが、これは立派な大顎があるため、前進するよりもお尻から進んでいく方が、スムーズに乾いた土中を進行できるためだと思います。また、土中にいるアリジゴクは呼吸するために地表近くにいます。乾燥した場所を好むのも、砂状の土等が雨等で濡れて呼吸ができなくなることを防ぐためだと推察できます。
ウスバカゲロウとコウスバカゲロウの幼虫の餌はダンゴムシ、ワラジムシ、アリ、クモ等の小型の昆虫です。イモムシやケムシも餌にするようです。ダンゴムシの大きさになると巣穴の中心にダンゴムシの姿が見えています。このサイズから地中に引きずりこむことが困難になるようです。
今回見つけたアリジゴクはコウスバカゲロウの幼虫でした。アリジゴクとして成虫よりも幼虫の方が有名な昆虫になるのではないのでしょうか。人家周辺に多い普通種なので身近にいるかも知れません。見つけたら観察されると面白いと思います。見つけるコツは雨の当りにくい乾いた砂地を探すことです。成虫( コウスバカゲロウ)は夜行性が強く見つけにくいのですが、幼虫(アリジゴク)は見つけやすいです。
・飼育して見ようと思われた方のための、アリジゴクの飼育の方法と考察。
土や砂は見つけた場所のものを使うか、その質に近いものを使います。乾燥ぎみの土質が良いのですが、あまりに乾燥した状態を避けることも必要です。容器は100円ショップの昆虫用のプラケースで十分です。高さもあり、この大きさだと羽化の際にも対応ができます。自然界では巣が隣り合っていることも多いのですが、飼育する数は共食いの危険性を考えると1匹が理想です。アリジゴク(幼虫)は乾燥と空腹に強い性質があるので、飼育は楽な部類の昆虫になります。餌も最大で1か月近く捕れなくても生きていけるようです。自然界では餌にありつけないことが多いと予想することができるので、餌の与えすぎも良くないのかも知れませんが、餌が十分に足りていると大きな体になる事ができます。餌はアリが簡単なのですが、アリは小さく栄養に乏しいのでおやつ程度に考えると良いと思います。ダンゴムシ、ワラジムシが簡単で手に入りやすいと思います。種類にもよるのですが小さな1〜2齢位のイモムシも良いと思います。アリ以外だと餌を与える間隔も空けることもできます。餌は大きすぎなければ良しです。元気の良い餌(昆虫)だと巣穴に落ちても逃げてしまう事もあります。ダンゴムシ、ワラジムシ等を餌としてケースの中に入れておいて巣に落ちていなかったら手助けすることもできます。冬場でも休眠しないことがあるので、餌を食べるかどうかを冬場は確認した方が良いです。死んだ餌には反応しないので、弱った昆虫を巣穴に落としても反応が無かったら巣から出して様子を見てください。餌の昆虫は入れっぱなしにはしない方が良いです。幼虫はやがて泥の繭を作ります。分かりやすいのは巣穴から外に幼虫が出てきている場合ですが、土中に作られる場合は繭を作る時期を知るのが難しいです。繭は地表や土中に作られ、この繭の中で蛹になります。飼育での注意点はこの時点で止まり木になるものを入れておくことです。成虫は翅が長いので、羽化不全を起こさないようにしないといけません。羽化の際には翅が泥の上に付かない事、十分に体を乾かせることができる条件が必要になってきます。止まり木の変わりは割りばしでも木の小枝でも構いません。羽化した種類がウスバカゲロウなのかコウスバカゲロウなのか、羽化してからのお楽しみにするのも面白いと思います。自然界では7〜8月頃が最も多い羽化の時期になりますが、飼育下では多少時期がずれる可能性もあります。昔はアリジゴク捕りは子供の頃の遊びでしたが、神社等でも敷地にコンクリート部分が多くなったので、今は昔ほどアリジゴクがいないことが残念です。羽化までの時期(飼育期間)を短くしたい場合は大きなサイズのアリジゴクを捕らえ飼育する方法もあります。以上、アリジゴクの飼育の参考にしてみてください。
★コウスバカゲロウ ウスバカゲロウ科。コウスバカゲロウはウスバカゲロウと良く似ています。体長は35〜40ミリ。出現は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。成虫は夜行性です。幼虫はアリジゴクと呼ばれ、乾いたや砂状の地面にすり鉢状の巣穴を作り、すり鉢状の穴に落ちた昆虫を捕らえて体液を吸います。巣は待ち伏せ式の落とし穴です。総称としてアリジゴクの名で呼ばれています。幼虫は1〜3年かかって成虫になります。幼虫期の長い昆虫になります。この差が何なのかは当方には分かりません。アリジゴクを調べるとコウスバカゲロウが多いです。神奈川県では個体数が多いようです。
コウスバカゲロウ蟻地獄.JPG
上、コウスバカゲロウの幼虫(アリジゴク)が作った巣です。この巣はかなり深さがあるものです。巣は乾いた土のある場所を見つけて、すり鉢状に作られています。とても細かい砂状の土で崩れやすい構造になっています。この場所は他の昆虫の観察用に作った雨よけの下に巣を構えたアリジゴクです。この巣に潜んでいた幼虫を掘り出して撮影しました。アリジゴク(幼虫)は巣の底の浅い所に潜んでいます。巣の周りには弾き飛ばされた粒の大きい塊が堆積しています。
コウスバカゲロウ1.JPGコウスバカゲロウ2腹部.JPGコウスバカゲロウ3頭部.JPG
上、アリジゴク(コウスバカゲロウの幼虫)上3枚は同1個体です。撮影のため体に付いていた泥は落としてあります。体の表面には棘状に毛が沢山生えていることが分かります。この棘状の毛はセンサーの役目をしていて、獲物が巣穴に落ちてきたことを感じ取ります。振動を感じて捕食行動をするので、餌は生きた昆虫になります。体液を吸って餌とした後の死骸は、大顎を使って巣の外に投げ出します。わずかな乾いた土を入れたプラスチックの容器で観察すると、動きが良く分かります。中、腹面です。頭部の下面に見える斑紋が薄く不鮮明になっている個体です。ひっくり返すとすぐに大顎を使ってピョンと元の姿勢に戻ります。昆虫は裏返しになる事を大変嫌うので、どの種類の昆虫も元の姿勢に戻ろうとしますが、アリジゴクは1瞬でもとの姿勢に戻します。この動作が早いので撮影には1苦労しました。写真からもわかるのですが、後脚が発達しています。これは後ろ向きに進むからなのでしょう。前脚はとても貧弱に見えます。脚の付いている位置も変わっていて面白いです。下、頭部の拡大です。歯の付いた鋭い大顎をしています。種類の判別には頭部の背面と前面の斑紋を調べます。この斑紋の形等が種類により違っているからです。
アリジゴクを観察していると、今まで気にしていなかったウスバカゲリウ類の成虫にも興味が出てくると思います。なかなかの面白い習性を持った昆虫なので、調べてみると好きな昆虫になるかも知れませんよ。成虫の姿を見たくなったら、夜行性が強く灯火に飛来する習性がある昆虫なので、灯火の周りで見つけることができます。
posted by クラマ at 00:22| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする