2018年08月07日

タンザワフキバッタ。フキバッタは翅の小さな飛べないバッタです。幼虫のバッタにしか見えないフキバッタを調べてみました。

フキバッタは似たものが多く、総称的にフキバッタと呼ばれています。翅が退化していることから、地域的に種類が分かれています。似た種類が多く分類は大変難しいです。林縁の下草の上で見ることができるバッタ科フキバッタ亜科のバッタで、普通は成虫になると翅ができるのですが、フキバッタの場合、翅が退化している翅の短いことが特徴になるバッタです。翅が短いので成虫になっても幼虫に見える変わった姿をしています。フキバッタを知らないと翅が見えないので、まだ幼虫のバッタだと思ってしまうと思います。珍しいバッタと思われるかも知れませんが、個体数は多く、普通に見ることができる種類です。食草はフキやクズの葉を食べます。フキバッタの仲間は翅が短く移動が難しいため、地域的な特徴をもった個体群に分かれています。外見上では判別できない種類も多いので、総称的にフキバッタと呼ぶにふさわしい種類になっています。多分この種類だろうと推測して名前を当てるような、大変種類を判別することが難しいバッタになります。どの種も同じように目ますが、翅の形や後肢腿節が青白い色をしていたり、赤い色をしているなど、細かな違いはあります。最も腿節に見える色には個体差も多いようです。以前は北海道に住むフキバッタと本州のミヤマフキバッタに分けられていたのですが、細分化されて種類が増えました。特に本州に住むフキバッタの分類(種の区別)が難しいので、自分の地域に生息している種類を把握してからでないと、名前を調べることも困難になってしまうと思います。種類が重なっている地域だとフキバッタの体長には個体差が多いようなので、さらに悩んでしまうことになるのではないのかと思います。大きさはめどにした方が迷いが少なくなりそうな気がします。
神奈川県の低地で見られるフキバッタはタンザワフキバッタとヤマトフキバッタです。ヤマトフキバッタは少なく、タンザワフキバッタが多く生息しているようです。神奈川県の当方の観察エリアの低地にはヤマトフキバッタとタンザワフキバッタがいます。地域的な生息が多く、当方の観察エリアではタンザワフキバッタを見つけることができます。近くの他の地域を探すとヤマトフキバッタも生息しているようです。ヤマトフキバッタも探しに行ってみたいです。この2種を調べてみました。
★タンザワフキバッタ バッタ科フキバッタ亜科。日本特産種 。神奈川県丹沢山近隣に多いフキバッタです。丹沢山地にちなんで付いた名前になるようです。標高の高い所にはいないそうです。低山地の林縁に多い種類です。雄の複眼から伸びる黒条は前胸背板後端まで繋がっています。雌では頭部を超えると黒条は消えてしまうか不明瞭になります。良く似たヤマトフキバッタよりも小型で翅は小さく重なりません。成虫でも翅は極めて小さいです。尾端には尻毛があり、形はやや尖って見えます。メスアカフキバッタの混在する地域では雑種と思われる個体がいる地域があるそうです。体長亜20〜30ミリ程。年1化で出現は7〜11月。卵で越冬します。タンザワフキバッタは神奈川県に多くいます。分布は本州(群馬県南部、埼玉県、東京都西部、神奈川県、静岡県東部から伊豆半島、千葉県南部の房総地方)。
タンザワフキバッタ雄1.JPGタンザワフキバッタ雄2.JPGタンザワフキバッタ雄3背面.JPG
上、タンザワフキバッタの雄です。上、全体的な姿はこのような感じです。中、横から見て見ました。黒条の下(頭胸部側面)が淡い黄色に見えています。後肢腿節は綺麗な赤色が見えています。下、この写真では分かりにくいのですが、先の方が黒く見える尾毛は左右に突出していません。写真は同1個体です。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
タンザワフキバッタ雌.JPGタンザワフキバッタ幼虫.JPG
上、タンザワフキバッタの雌です。神奈川県では緑型が多く、背中が赤く見える背赤型は少ないようです。タンザワフキバッタとヤマトフキバッタの翅の違いがあるので、成虫だと庵別しやすいです。下、幼虫です。当観察エリアではヤマトフキバッタは見たことが無いので、この幼虫はタンザワフキバッタの幼虫で良いと思っています。幼虫から種類を探るとなると、どの種も同じに見えてしまいます。若齢ほど茶褐色に見えます。幼虫の写真は以前に撮ってあったものです。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
★ヤマトフキバッタ(トガリバネフキバッタ、セトウチフキバッタ) バッタ科フキバッタ亜科。別名トガリバネフキバッタ、セトウチフキバッタと呼ばれていて、名前だけでも複雑で混乱してしまいそうです。日本特産種。翅が退化していて短く、飛ぶことはできません。後肢腿節は青白い色が見えて綺麗ですが、この腿節の色と翅の長さには地域的な変異があるようです。複眼から伸びる黒条は前胸背板後端まで繋がっていたり、不明瞭になるなどがあるようです。体長は22〜38ミリ程。草上性のばバッタで年1化。出現は7〜10月。分布は本州(東北から近畿)、四国、九州。低山地の林縁、湿地などフキやクズの生えている場所に多く生息しています。食草もフキやクズの葉等を餌にしています。越冬は卵で越冬します。翅が茶褐色をしています。山形県では準絶滅危惧種に指定されています。ヤマトフキバッタの特徴としてヤマトフキバッタの場合、成虫の翅が左右で重なります。成虫になるとこの翅の違いでタンザワフキバッタとヤマトフキバッタを区別することができます。写真は取れたら追加する予定です。
・ついでに他のフキバッタも数種類調べてみました。フキバッタの仲間は、写真があっても分かりにくい判別が難しいバッタです。棲み分けている地域も重要になってきます。以下、名前を知る手掛かりになる参考にしてみてください。複眼から繋がる黒条は個体差があるなどで、種類の判別には使えそうにありません。やはり正確な種類の判別には交接器を調べないといけないようです。
★ミヤマフキバッタ(ミカドフキバッタ) バッタ科フキバッタ亜科。別名ミカドフキバッタと呼ばれています。複眼の後方から前胸背板後端まで黒い色の筋(黒条)がつながっています。この黒条には個体差があるようです。後肢の腿節下面は赤い色をしています。体長は22〜35ミリ程。草上性のばったで、年1化。出現は7〜10月。分布は北海道(南部)、本州(東北から近畿)。林縁、湿地など、フキやクズの生えている場所に多く生息しています。主に山地に生息しているフキバッタです。越冬は卵で越冬します。翅が茶褐色をしています。ミヤマフキバッタ(ミカドフキバッタ)の雄の尻毛は先が平らに見えるようです。雄の尾端は太く尾毛は左右に突出しているそうです。若齢幼虫は群生する習性があるようです。
★ハネナガフキバッタ バッタ科フキバッタ亜科。見たことはないのですが、翅の長いフキバッタなので1番わかりやすそうに思えます。草上性ですが樹上にもいるようです。分布は北海道、本州、四国、九州。図鑑を見るとハネナガフキバッタ はイナゴに似て見えます。
★メスアカフキバッタ バッタ科フキバッタ亜科。雌が全体的に赤味をおびることからついた名前のようです。分布域の静岡県、山梨県ではセアカ型(セアカフキバッタと呼ばれています)と分布域東限ではタンザワフキバッタとの交雑ががあるようです。両種の雑種と思われる個体がいるそうです。
★ヒメフキバッタ バッタ科フキバッタ亜科。タンザワフキバッタとメスアカフキバッタに良く似ているそうですが、小型で体長は25〜30ミリ。分布は本州(関東から近畿地方)。日本固有種で数が少ないようです。
★サッポロフキバッタ バッタ科フキバッタ亜科。腿節の下面は茶色をしているようです。サッポロフキバッタ、ハネナガフキバッタ、ミヤマフキバッタ(ミカドフキバッタ)が北海道に生息しています。サッポロフキバッタは北海道のみ生息しているフキバッタなので、見る機会はなさそうです。
以上、似たフキバッタを調べてみましたが、文章だけだとさっぱりわからないと思いますが、参考になれば幸いです。
posted by クラマ at 17:19| Comment(0) | バッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする