2018年08月28日

ウシカメムシ、イチモンジカメムシ、ハサミツノカメムシ、アカヒメヘリカメムシ、ケブカヒメヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、ブチヒゲクロカスミカメムシ。カメムシ科の7種類。

カメムシ科の昆虫は個性的で面白いです。カメムシの臭いというイメージを離れて見ると、実に興味深い昆虫です。種類によって姿、形、色彩などが個性的な特徴をしている昆虫です。昆虫採集の対象からは外されている種類になりますが、綺麗な種類や面白い形をしたものもいるので探してみると面白いです。今回はウシカメムシ、イチモンジカメムシ、ハサミツノカメムシ、アカヒメヘリカメムシ、ケブカヒメヘリカメムシ、ブチヒゲクロカスミカメムシ、ブチヒメヘリカメムシの7種類を紹介します。形の面白さではウシカメムシはトップクラスだと思っています。絶対に大きかったら人気が出たはずと思わせる姿は魅力的です。 アカヒメヘリカメムシ、ケブカヒメヘリカメムシ、 ブチヒメヘリカメムシはヘリカメムシ科のカメムシでこの種類は大変良く似ていて判別が難しいです。普通種なのですが小さいので意識的に見つけないと見つけられないと思います。マイナーな部類のカメムシになります。ヒメヘリカメムシ科を3種類見つけたので比較して見てください。カメムシが苦手な人は「嫌な臭い、臭い匂い」がある昆虫だからだと思います。カメムシは触らなければ臭くないので、それなりに楽しめる個性派は多い種類なのです。カメムシの匂いは身を守るための武器なので、大人しく観察する分には危害はありません。観察して見ると見方が変わるかも知れませんよ。
★ウシカメムシ カメムシ科。体長は8〜9ミリ。ウシカメムシの特徴は前胸背側角の角や牙の様に見える突き出た見事な突起です。普通のカメムシのイメージを超えた姿をしています。この見事な側角を牛の角に例えて付いた名前のようです。黄白色の地に黒い斑紋をまばらに付けたように見えます。上翅(鞘翅)には黄白色の斑紋が1対あります。普通種ながら個体数は少ないようで当方もまだ2回しか見たことがありません。驚くとすぐに葉の上などから落下(擬死)する見た目と違い臆病なカメムシです。樹上性のカメムシで出現は4〜11月。分布は本州(関東以西)、四国、九州、沖縄。アセビ、シキミ、ウバメガシ、サクラなどに寄生します。越冬は成虫で越冬します。このウシカメムシは主に植物の汁を餌にしますが、植物を餌にするだけでなく、セミやガの卵を餌にしてしまう雑食性の1面も持っているようです。実際に他の昆虫の卵を餌にしている所を観察してみたいです。幼虫は特徴的な模様をしています。幼虫にも成虫の様に角に見える突起がありますが、この突起には小さな歯が並んでいて鋸の歯の様に見えます。色彩も地味な配色の成虫と違いカラフルな模様をしています。特にお面の様に見える黒い斑紋と白い斑紋が目立ちます。腹部背面の横筋は暗紫色をしていて、何とも不思議な模様になっています。
ウシカメムシ.JPGウシカメムシ正面.JPG
上、ウシカメムシです。角と形容される突起が見事です。角は体のサイズから見てもかなりの大きさがあります。下の写真は正面から見た所です。個人的に大好きなカメムシの1種です。ウバメガシの樹の脇のシャリンバイで見つけました。この個性的で迫力のある姿は1見の価値があります。大好きなカメムシの1種ですが見つけることが難しいカメムシです。なぜにサイズが小さいのかと残念に思ってしまいます。落ち着きがなく動き回っていて撮影の難しい種類です。この特徴的な姿は樹の棘を擬態したものか、自己の危険度をアピールするものなのか分かりません。もちろんカメムシなので臭い匂いも武器にしています。驚くとすぐに地面に落ちる(擬死する)ことも踏まえると、ウシカメムシは見た目と違い、かなり気の弱い昆虫のようです。繁殖している樹を見つけて観察したいカメムシです。
★イチモンジカメムシ カメムシ科。体長は9〜11ミリ。全体的に緑色をしたカメムシです。胸背に見える横筋の色は雌雄で違います。雄の横筋の部分は橙色っぽい色をしていて、雌はこの横筋は白色をしています。イチモンジカメムシの特徴は胸背部後端に見える横1文字に見える横筋です。この特徴が名前の由来になったようです。イチモンジカメムシは豆類を餌にします。エダマメ、サヤインゲン、サヤエンドウ、ダイズ、アズキの実の汁を吸うので、農業害虫として嫌われています。ダイズに大きな被害を与えるダイズの害虫として知られています。出現は5〜10月。年1〜2回の発生をします。分布は本州、四国、九州、沖縄。成虫で越冬します。
イチモンジカメムシ雄.JPG
イチモンジカメムシの雄です。イチモンジカメムシは緑色をした見た目は可愛いカメムシなのですが、農作物を荒らす立派な害虫です。
★ハサミツノカメムシ ツノカメムシ科。体長は雄17〜19ミリ。雌18ミリ。ハサミツノカメムシは樹上性で、地色は光沢のある鮮やかな緑色をしています。特徴は雌雄共に前胸背側角が朱赤色をしていて、翅の膜膝部は暗褐色から茶褐色に見えます。雄の尾端には朱赤色に見えるハサミ状の突起があり、このハサミ状の突起(尾状突起)は平行に見えます。出現は年1化で4〜10月。新成虫は8月に出現します。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地の林縁や広葉樹林に生息していて、ヤナギ類、ツタウルシ、ヤマウルシ、ミズキ、クマノミズキ、イヌザンショウ等の果実などの汁を吸います。ハサミツノカメムシは普通種ですが個体数は多くないようです。越冬は成虫で越冬します。よく似た種類にヒメハサミツノカメムシがいます。ヒメハサミツノカメムシの雄の場合はハサミ状の突起が離れていることで(ハの字型に離れています)ハサミツノカメムシと判別ができます。前胸背側角の色は、ほぼ緑色をしています。大変良く似た種類には新種のイシハラハサミツノカメムシがいます。新種なので詳しくは分かりませんが、外見が非常に良く似ていて判別は難しいです。イシハラハサミツノカメムシの触角は黒っぽく見えることが特徴のようです。体色も茶色から黒味がかかって見えるようです。正確な雌の判別をするには、交接器を確認することも必要になってくると思います。
ハサミツノカメムシ雌.JPG
上、ハサミツノカメムシの雌です。朱赤色やオレンジ色に見える前胸背側角と地色の緑色が綺麗なカメムシです。この雌はサクラの樹の樹幹にいました。写真は横位置にしてあります。ハサミツノカメムシは樹上性のカメムシなので見つけにくいです。雄の方が立派なハサミもあり派手に見えるので、雄のハサミツノカメムシの写真も撮りたいです。撮影できたら追加したいと思っています。
ヒメヘリカメムシ科のカメムシは、どれもよく似ていて判別が大変難しいです。
★アカヒメヘリカメムシ ヒメヘリカメムシ科。体長は6〜9ミリ程。アカヒメヘリカメムシは赤色の強い褐色、薄い橙褐色、黄褐色に見えるなど赤味のある体色をした普通種の小型のカメムシです。体には短毛が生えています。翅脈の上には小さな黒斑がまばらに散らばって見えます。上翅は膜質で透けています。触角の先端は赤っぽく見えます。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。低地から山地の草原、空き地などの草地に生息していて、草の上にいる草上性のカメムシです。成虫、幼虫共にイネ科、キク科、マメ科、タデ科などの汁を餌にする広食性で、イネの穂について汁を吸うため農業害虫にもなっています。 アカヒメヘリカメムシに吸われたイネは斑点米になってしまうので、斑点米カメムシとして嫌われています。
アカヒメヘリカメムシ(ヒメヘリカメムシ科).JPG
アカヒメヘリカメムシは名前にある様に赤っぽく見える特徴があります。茶系統の種類が多い中、明るい色彩に見えます。
★ケブカヒメヘリカメムシ ヒメヘリカメムシ科。茶褐色をした体長は6〜8ミリ程のカメムシです。体全体に短毛が生えていて、腹部両端には白い縞模様が見えます。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。山地の草原や河原などにいます。成虫、幼虫共にイネ科、タデ科、キク科の植物の汁を餌にします。アカヒメヘリカメムシに似ていますが、ケブカヒメヘリカメムシは腹部両端に見える縞模様と体色が茶褐色をしているので見分けることができます。
ケブカヒメヘリカメムシ.JPG
ケブカヒメヘリカメムシです。拡大して見ると、体には短毛が生えていて毛深いことが分かります。判別にはデジカメが役に立ちます。
★ブチヒメヘリカメムシ 別名ブチヒゲヘリカメムシ。ヒメヘリカメムシ科。淡褐色の小型のカメムシですが、色彩には変異があります。上翅は透明で腹部が透けて見えています。体長6〜8ミリ程。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。草上性で草原のイネ科、キク科、成虫、幼虫共にタデ科などの汁を餌にする広食性です。公園、畑地、荒れ地などにいます。成虫で越冬します。ブチヒメヘリカメムシは当ブログ2度目の登場です。ヒメヘリカメムシ科はどれもよく似ているので、比較して見てください。腹部上面に見える模様から判別できるので、比較の写真が撮れましたら追加する予定です。小型のカメムシなので、肉眼での他種との比較は難しいです。
ブチヒメヘリカメムシ.JPGブチヒメヘリカメムシ2.JPG
ブチヒメヘリカメムシです。下は別個体を横から見た所です。他種との判別は難しいです。他種との判別には腹部背面の模様を比較することになります。写真だと翅の下(腹部背面)が見えにくいので、やはりデジカメ等で何枚か撮影して腹部背面の模様を確認することが判別の決め手になります。腹部の比較の写真がないので、写真を追加する予定です。
★ブチヒゲクロカスミカメムシ カスミカメムシ科。体長は7〜9ミリ程です。体色は黒から黒褐色で、すが、色彩に変異の多い種類のようで、黄褐色、茶褐色の個体もいるようです。腹部後方の(革質部)両端に白い斑紋が1対見えます。触角には白い横帯が見えます。黒くて小さいのであまり目立ちません。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。林縁の草地や草原などにいます。広食性でヨモギ類に多いとされているようです。普通種で数も多いようですが、小さいためか当方はあまりお目にかかれないでいます。
ブチヒゲクロカスミカメムシ(カスミカメムシ科).JPG
上、ブチヒゲクロカスミカメムシ。畑地の脇の土手にいました。マメ科やイネ科、キク科など広食性のカメムシですが、農作物に大きな被害を与えるほどではないようです。
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2018年08月17日

コフキコガネとオオコフキコガネ。どちらも良く似たソックリなコガネムシです。

オオコフキコガネとコフキコガネは、色も形も大きさも大変良く似ているコフキコガネ亜科の大型のコガネムシです。個人的に見た目も色も可愛いので、大好きなコガネムシの種類です。オオコフキコガネとコフキコガネは普通種なのですが、最近では数が減って来ているのか、あまり見つけることができなくなってきています。オオコフキコガネの方が個体数は少ないです。この2種はやたらとよく似ていて、見分け方を知らないと同じ種類にしか見えません。大まかな色での特徴はオオコフキコガネが白っぽく(灰白色)見え、コフキコガネが淡い黄色味を帯びて(灰黄色)見えることです。ただし短毛が取れてしまうと地色の色が見えてきます。地色には個体差があるので色での判別は難しくなります。短毛が脱落することで赤褐色、茶褐色、黒褐色などに見えてきてます。これは両種ともに地域による個体差と体表面の短毛が古くなると脱落していることがあるために、見え方が違ってくるからです。地色が見えてくることによって、見え方が違ってくることから判別のややこしさが増えてしまいます。実際はどちらなのだろうと迷うこともあります。興味が湧いて来て、どちらの種類なのかを知りたくなった場合には、両種の些細な違いを比較して判別しなくてはいけなくなります。判別の方法を知っていないと見分けることが難しい種類と言うことができます。どちらもクヌギやコナラなどを餌にするので、餌となる樹が多い雑木林や自然林の多い自然公園などで見つけることができます。良く似ているオオコフキコガネとコフキコガネを調べてみました。
★コフキコガネ コガネムシ科コフキコガネ亜科。体長は25〜31ミリ。コガネムシとしては大型種になります。コフキコガネの特徴は灰黄色に見えるのビロード状の短毛がある美しいコガネムシです。ビロード状の短毛と地色によりが黄灰色、淡い茶色、淡い茶褐色などの色に見える、地味ながら美しく見える愛嬌のある顔をしたコガネムシです。この短毛が粉を吹いたように見えることからついた名前になるようです。短毛が密生しているのでカナブンのような光沢はありません。数の多い普通種になりますが産地により個体変異がある種類としても知られています。雄と雌の違いは触角と前肢に現れます。触角が太く大きく見える方が雄になります。雌の触角は小さいのですが、雄の触角は1目でわかる位に大きく、触角の先は扇子のように大きく広がります。雄の体形は胴長に見えます。雄の前肢脛節の端刺は2歯(脚の先に見えるトゲ状の突起)。雌の前肢脛節の端刺は3歯と言うことですが3歯目は目立ちません。大きさには個体差が出ます。コフキコガネは夜行性が強く灯火に飛来します。コフキコガネは日中は葉にとまってじっとしていることが多いのですが、昼間でも見つけることができます。手に乗せると飛翔性が強い種類なので、すぐに飛んで逃げてしまいます。年1化で出現は6〜9月。分布は本州、四国、九州、佐渡、伊豆諸島。平地から山地、林縁、自然公園など都市部の自然公園にも生息しています。餌とする植物の食性が広いので市街地でも見つけることができる種類ですので、探してみると面白いと思います。夜行性が強いので見つけにくいのですが、灯火に来るので灯火による採集も可能です。成虫はブナ科やクルミ科(クヌギ、コナラ、ミズナラ、クリ、クルミなど)の広葉樹の葉を餌にします。幼虫は広食性で土中にいて樹や草などの植物の根を食べます。越冬は幼虫で越冬します。非常に良く似た種類にオオコフキコガネがいます。オオと名前に付いていますが、オオコフキコガネは個体差もあることからコフキコガネとほぼ同じ大きさに見えてしまいます。見た目も良く似た区別が難しい種類になっています。コフキコガネは光の関係などで写真では見た目の色が上手く出ないことも多く、実際に見ると写真で見るよりも灰黄色が可愛いコガネムシです。
★オオコフキコガネ コガネムシ科コフキコガネ亜科。体長は25〜32ミリ。コガネムシとしては大型種になります。雄は触角が大きく雌は小さいことで雌雄の判別ができます。雄の触角の先端は扇子の様に大きく広がって見えます。雄の前肢脛節の端刺は2歯(脚の先に見えるトゲ状の突起)。雌の前肢脛節の端刺は3歯になっています。オオコフキコガネの大きさには個体差があります。暗赤褐色の地色にビロード状の灰白色の短毛が生えているコガネムシです。この短い毛が粉を吹いたように見えることから付いた名前のようです。短毛が密生しているので光沢はありません。出現は5〜8月。分布は本州、四国、九州。日中は餌となる樹の葉などにとまっていますが、夜行性が強く灯火にも飛来します。成虫はコナラ、クヌギなどの葉を食べます。幼虫は土中にいて樹や草の根を食べます。成長は遅く成虫になるまで1〜2年かかるようです。越冬は幼虫で越冬します。日本のレッドデータで群馬県で絶滅危惧T類になっています。コフキコガネとオオコフキコガネはあまりに良く似ているので判別が難しいです。オオコフキコガネは普通種ですがコフキコガネよりも数が少なくなります。これから数を減らしていく種類になっていきそうです。オオコフキコガネは海岸の近くの方が個体数が多いようで、山地よりも海岸線に多く生息する種類になる様です。
・オオコフキコガネとコフキコガネを判別する方法として両種の比較をしてみました。見分けるためのオオコフキコガネとコフキコガネの特徴を記して見ました。
@体表に見える短毛の色はオオコフキコガネは灰白色でコフキコガネの短毛は灰黄色をしています。ただし、短毛が脱落していたり、色が分かりにくい場合があります。オオコフキコガネの方が地色が濃い色に見える傾向が強いです。また、写真で見ると光の関係で色が違って写ることも多いです。自然光で見る新鮮な個体のコフキコガネは、淡いクリーム色に見えるなど優しい色合いをしています。
A雌雄で頭楯の形は違うのですが、雌の場合、頭楯の幅で両種の判別ができます。コフキコガネの雌の場合は頭楯の幅(側縁)が先に行くほど細まって見え、オオコフキコガネの雌の頭楯はほぼ平行に見えます。
B雄の場合。雄のオオコフキコガネは雌のオオコフキコガネと同じような体形をしています。1方、
雄のコフキコガネは体が雌よりも長細く胴長に見えます。鞘翅の後端部から腹部の先端がはみ出て見えます。オオコフキコガネの雄の腹部の先端は上から見ると飛び出て見えませんが、コフキコガネの場合はオオコフキコガネよりも大きく飛び出て見えます。
C見た目を比べるとオオコフキコガネの方が丸みを帯びて見えます。
D地域的な分布を調べることで、どちらの種類なのかの判別の確立を高めることができます。
E体長はオオコフキコガネの方がコフキコガネよりもやや大きいのですが、大きさには個体差が出るため見た目の大きさは参考までにした方が良いと思います。
読んでいても文章での判断では分からいと思います。1番良い方法は両種の雌雄を見比べて見ることですが、写真が無いので上記を参考にしてみてください。雌の場合だと頭楯を比べることが良いと思います。体色(短毛の色)は地域によってやや違いが出るので体色だけでの判別に頼らない方が良いと思います。
コフキコガネ雄ブログ2-1.JPGコフキコガネ雄ブログ2−2.JPG
上はコフキコガネの雄です。光沢のあるコガネムシと違い淡い色合いに見えます。写真上、色も淡い黄色味を帯びています。尾端(腹部先端)は鞘翅から大きくはみ出して見えます。雄の体形の特徴で胴が長く見えます。下、雄は触角が大きく、先端が広がって見えます。またオオコフキコガネと色の差があることがお分かりいただければと思います。写真は以前に使った写真の個体と同じものです。
オオコフキコガネ雌1.JPGオオコフキコガネ雌頭部.JPGオオコフキコガネ雌尾端.JPGオオコフキコガネ短毛.JPG
上、オオコフキコガネの雌です。雌なので触角が小さいです。雄の触角が大きく、雌の触角が小さいのは両種ともに共通しています。雌雄の判別に至っては簡単ですね。2枚目、オオコフキコガネの雌の頭部です。雌の頭部は幅が広く見えます。3枚目、尾端の写真です。1番下オオコフキコガネの短毛。比べて見るとコフキコガネとの短毛の色の差がわかります。短毛は灰白色をしているので、短毛が生えていると(脱落していないと)体色はコフキコガネよりも白っぽく見えます。
どちらも神奈川県横浜市で発見しました。両種の雌雄の写真で紹介したかったのですが、簡単には見つかりませんでした。神奈川県では昔は個体数が多く、ごく普通にいたコフキコガネとオオコフキコガネですが、樹上性のコガネムシで日中は大人しく葉にとまっていることが多い種類なので、見つけにくいこともあるのですが、現在は見る機会が減ってきました。観察エリアにしている自然公園には生息しているのですが、簡単に見つけることができなくなりました。
撮影に使ったコフキコガネ、オオコフキコガネにはコナラの葉を与えてから林縁に放ちました。両種とも他の属に言う害虫コガネムシと比べると食が細く、元気に与えた葉を食い散らかすということはありません。コフキコガネは短期間で死んでしまうことが多いので、2日程餌を与えた後に逃がすことにしています。撮影に使ったオオコフキコガネは4日間餌を与えて飼育したのち林縁に放ちました。どちらも短命だと思っています。過去にコフキコガネを飼育したことがありますが短命でした。これは捕獲時にすでに弱っている個体ゆえに捕まえられたためなのか(道に落ちていることが多いので)、コフキコガネ亜科が短命な種類になるのかは分かりません。新鮮な葉を与え続けても成虫での飼育は難しい種類になると思います。餌とする葉は必ず新鮮な葉を使うことが必要です。
posted by クラマ at 19:28| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月16日

トウオガタマ(別名カラタネオガタマ、バナナツリー)。モクレン科のバナナの香りのする花を咲かせる植物です。

この植物は名前が分からなくて、写真をそのままにしていたもので、後から調べて名前が分かりました。見慣れない花が咲いていたので調べてみたものです。初めて見たこの樹は、外来種の庭木に好まれる樹で、名前はトウオガタマ(別名カラタネオガタマ、バナナツリー)でした。以前はモクレン科オガタマノキ属でしたが、モクレン科モクレン属になったようです。トウオガタマの開花時期は5日〜6月で、蕾は開く前のチューリップに似た形をしていて可愛いです。花は小さくて、どちらかと言うと目立たないのですが、花にはバナナに似た甘く強い香りがします。このバナナに似た香りがすることがトウオガタマの特徴です。花よりも香りを楽しむ方が好まれているようです。赤花や紫色の花をつける品種もあり、庭木として人気が出てきているようです。今は開花の時期ではないのですが紹介することにしました。トウオガタマは民家の垣根に植えられていました。在来種のオガタマとは別種になります。トウオガタマを調べてみました。
★トウオガタマ モクレン科モクレン属。別名カラタネオガタマ。英名はバナナツリー。この別名の由来は花の香りがバナナに似ていることからです。中国南部原産。江戸時代に渡来したようです。分布は本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄。庭園樹として庭や公園に植栽されています。自生はしていないです。高さ2〜5メートルの常緑小高木。葉は4〜8センチ程の倒卵形〜長楕円形で互生しています。葉は革質で硬く、表面は濃い緑色で光沢があります。裏面は淡い緑色をしています。葉には鋸歯はありません。葉だけを見るとモクレン科なのですがモクレンの葉とは似ていません。若い枝や葉柄、若い蕾にはモクレンの様に褐色の短毛が生えています。花は白黄色(蕾)から淡黄色に変わっていきます。花弁の端は淡紫色を帯びています。花は6弁花で良い香りのする花です。花の寿命は1〜2日程ですが、順次、枝先に向かって花を開花させていきます。花の直径は3〜4センチ程で花弁は開き切りません。花の形はタイサンボクに似ていて、小さなタイサンボクの花と言うようなイメージがあります。トウオガタマは花の姿を楽しむよりも、花の良い芳香を楽しむ植物になるようです。果実は10月のようですが結実は極めて稀のようです。その特徴から(実がつかないことの意味から)ついた名前が別名のカラタネオガタマになるようです。モクレン科の植物なので集合果を付けます。トウオガタマは日陰でも育つ丈夫な植物で、通例、繁殖は挿し木で行われます。移植には弱く枯れてしまうようです。良く似た在来種のオガタマの花にはバナナの香りのような強い芳香はありません。赤花のトウオガタマはポートワインという品種で流通しています。パープルクイーンという紫色の花の品種もあります。トウオガタマは成長が遅い樹で、高さもさほど大きくならない丈夫な樹なので、剪定などの手間は他の樹よりもかからないことから、庭木には最適かも知れません。
トウオガタマ(カラタネオガタマ)モクレン科.JPGトウオガタマ.JPGトウオガタマ葉.JPG
トウオガタマです。庭木に多い植物であることと、北限が関東以西と言うことで、今まで見る機会が少なかった植物になるようです。花は次々に咲くので、開花時期には甘い香りを楽しむことができます。他の色の品種は見たことがありませんが、今後、見る機会が増えてくると思います。上、トウオガタマの花。1見地味に見える花ですが、よく見ると色合いが綺麗です。花の右側には葉の裏面が写っています。中、蕾は沢山ついています。蕾には褐色に短毛が生えていて、モクレンの蕾に似て見えます。花は枝先に向けて順次咲いていきます。下、葉の表面です。常緑でツヤがあります。撮影地。神奈川県横浜市。民家の生垣に生えていました。実がつかないことが不思議に思っていたら、めったに結実しない種類であると記載がありました。実ができたら種でも増やすことができます。移植に弱い樹なので、1般的には増やす場合は挿し木になるようです。
posted by クラマ at 01:05| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする