クサカゲロウ科の8種類。・クサカゲロウの仲間は5〜9月頃に良く見つけることができるようになります。透き通った翅と緑色の体が特徴になっています。飛び方も変わっていて、ヒラヒラと弱々しく飛ぶ姿は独特な飛び方とも言えます。日中は林縁など樹木のある環境にいて、成虫、幼虫共に低木や草の葉の上にいます。成虫は夜は灯火にも集まってきます。成虫は花の蜜や甘露を主に食べるようですがアブラムシも食べることが知られてきました。どの種類がどの程度、肉食性が強いかなどはまだ不確かです。クサカゲロウの仲間の卵は別名、優曇華の花と呼ばれています。変わった形をした卵で、この卵を産んだ親がクサカゲロウ類だと知らないと、ただ奇妙なものにしか見えないと思います。昆虫の卵に不思議な名前がついていることが面白いです。
★ヤマトクサカゲロウ(別名ニッポンクサカゲロウ) クサカゲロウ科。ヤマトクサカゲロウは個体数も多く普通に見つけることができる普通種です。とは言え似た種類が多く、他種との判別は難しくなります。体長は10ミリ前後で、前翅長18〜23ミリ。緑色の美しい体色をしていて、体つきは細長く弱々しく見えます。背中の中央に黄緑色の筋が見える特徴があるカゲロウです。越冬する時期になると体色は黄褐色の体に変色します。この特徴を知らないと色の違いから別種だと思ってしまうほどです。ヤマトクサカゲロウの翅は淡い緑色を帯びて見える半透明で柔らかい翅をしています。翅脈は体色と同じ緑色で、翅は細かい小室が集まって網目状に見えています。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。平地から低山地の野原、草原、庭先などにも生息しています。飛び方はヒラヒラと弱々しくて、ゆっくりと飛ぶ特徴があります。昼間にも見ることができますが、ヤマトクサカゲロウは夜行性が強く灯火に良く集まって来る習性があるので、外灯の下や灯火のある壁で見つけることができます。出現は4月〜11月。越冬は成虫で越冬します。面白いことに活動期の体色は緑色ですが、越冬に入った成虫は体色が黄褐色に変わってしまいます。翅脈の色も体色と同じ色に変わってしまいます。成虫は顎が小さくほとんど餌を食べないようです。餌として食す場合、花の花粉やアブラムシの出す甘露を餌にするようです。幼虫は肉食性で主にアブラムシを捕らえて食べますが、コナジラミ、ハダニも餌とします。クサカゲロウの卵は変わった形で産み付けられています。糸のようなもので葉などにぶら下がってついていて別名「ウドンゲ(優曇華)の花」と呼ばれています。このぶら下がった卵の様子が花の雄しべなどに似ていることから呼ばれたようです。ちなみに優曇華とは実在しない想像上の植物になります。しかも開花は3千年に1度と言われる植物です。なんとも良く分からない名前が付けられたものです。
ヤマトクサカゲロウと非常によく似た種類にスズキクサカゲロウがいます。1見しただけでは区別が難しいです。両種の区別は目の横にある黒斑の模様の違いと口元にあるヒゲは下唇髭(かしんしゅ)と小腮髭(しょうさいしゅ)と呼ばれ、この部位の色の違いを見て識別の手掛かりの1つとすることもできます。ヤマトクサカゲロウは目の横にある黒斑の部分が目についていること(ジグザグ状に見える黒斑が目に接触していること)と、口元にあるヒゲが薄茶色に見えることです。確認する部位が小さく肉眼での確認は難しいので、デジカメ等に撮影して拡大して見たり、ルーペを使わないと判別できません。
・ヤマトクサカゲロウとスズキクサカゲロウの見分け方は、顔の目の脇と口元のヒゲの部分を見比べて区別をします。ヤマトクサカゲロの場合、目の横にある黒斑が目(複眼)についていること(接触している)と、口元にあるヒゲが薄茶色に見えることです。スズキクサカゲロウの場合は、目の横にある黒斑が目についていないこと(離れている)と、口元のヒゲの色は濃い黒(黒褐色)に見えることです。ヨツボシクサカゲロウは顔にある黒斑が2対あって全部で4個見えます。
上、ヤマトクサカゲロウ(別名ニッポンクサカゲロウ)の成虫。ヤマトクサカゲロウは当ブログで紹介しており、2度目の登場になります。下、ヤマトクサカゲロウの幼虫。ゴミを背負わないタイプの幼虫になります。とても長細い体をしています。
上、クサカゲロウ科の卵。別名「ウドンゲ(優曇華)の花」と呼ばれているものです。釣り糸の先に卵がぶら下がっているように見えます。この形を花の雄しべに見立てて、想像上の花の「優曇華の花」と表現したようです。想像力を働かせる不思議な形態の卵には違いありません。卵がまとまって産み付けられる特徴から、ヨツボシクサカゲロウの卵が「優曇華の花」と呼ばれるようです。他にもまとまって産み付ける種類がいるかもしれません。これらをまとめて「優曇華の花」として良いようです。この卵は鉄のパイプに産み付けられていました。卵は産みやすい人工物にも産み付けるようです。
★スズキクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長10ミリ前後。前翅長13〜16ミリ。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州。緑色の体に背中の中央に黄緑色の筋が見えるカゲロウです。背中の中央に同じように黄緑色の筋が見えるヤマトクサカゲロウに非常に良く似ています。スズキクサカゲロウの場合、目の横にある黒斑が目(複眼)についていないこと(わずかに離れていて接触していません)と、口元にあるヒゲが黒褐色に見えることです。もう少し詳しく説明すると、下唇髭(かしんしゅ)と上に見えるヒゲは小腮髭(しょうさいしゅ)や小顎髭などと呼ばれるヒゲは黒い部分が多く黒褐色に見えます。越冬は成虫で越冬します。スズキクサカゲロウの成虫は気温が下がり冬になっても体色はそのまま(緑色)です。よく似ているヤマトクサカゲロウの越冬個体は体色が黄褐色に変わります。体長はほぼ変わらない大きさなのですが、ヤマトクサカゲロウと比べると若干小さく見える(小型になる)ようです。ただし、大きさでの判断は個体差があることから、顔の斑紋などの特徴の違いを確認する必要があります。
上はスズキクサカゲロウの幼虫です。1番上はまだ若齢で体が小さいです。下は顔の部分の拡大です。獲物を捕らえた所です。幼虫の顎には湾曲した長細いハサミがあります。これで挟まれたら体の柔らかいアブラムシは逃げられません。スズキクサカゲロウの成虫はヤマトクサカゲロウとそっくりで、顔(目の横)にある斑紋を見て判別します。
★カオマダラクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長11〜13ミリ。前翅長11〜14ミリ。カオマダラクサカゲロウは普通種で、体色は緑色で背中の中央に黄緑色の筋が見え、翅脈は緑色をしています。似たものが多く、顔にある黒い斑紋の形で他種と区別します。カオマダラクサカゲロウの特徴は顔にある黒い斑紋が漢字の「人」のように見える形をしていることです。口元にあるヒゲは下唇髭(かしんしゅ)と呼ばれ褐色に見えます。上に見えるヒゲは小腮髭(しょうさいしゅ)や小顎髭などと呼ばれ黒と白の配色(まだら)になっています。昆虫の器官の部位の読み方等は非常に難しいです。出現は2月〜11月。分布は 本州、四国、九州、沖縄。幼虫はアブラムシや小型のカイガラムシを食べる肉食性です。カオマダラクサカゲロウは柑橘類につくアブラムシ等の天敵になっていて、ミカン農家などでは益虫として知られていて、役に立つ昆虫になっています。幼虫はゴミを背負って葉の上などを歩き回っています。カオマダラクサカゲロウの幼虫のように、ゴミを背負っている幼虫は他にも多くいて、種類の判別は難しいです。成虫は夜行性で灯火にも集まります。越冬は成虫で越冬します。越冬個体の体色は緑色のままです。
上2枚はカオマダラクサカゲロウの成虫。下2枚は幼虫です。カオマダラクサカゲロウの特徴は、顔(目の脇)にある「人」の字の形に見える黒い斑紋です。この黒斑は複眼に接していません(離れています)。幼虫はごみを背負っています。頭部に見える斑紋の形等が、他の種類と見分ける手掛かりになります。
★ヨツボシクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長13〜15ミリ。前翅長18〜23ミリ。クサカゲロウとしては普通種の大型種になります。このヨツボシクサカゲロウの成虫は臭い匂いを出します。臭い匂いを出す種類は限られています。大きな特徴は、顔に4個の黒い斑紋があることです。体色は緑色で背中の中央に黄白色〜黄緑色の筋が見えます。分布は北海道、本州、四国、九州。出現は4〜8月。6〜9月の年2化。卵はまとまって産み付けられます。夜行性で灯火にも集まります。成虫は昼間は葉の裏などでじっとしています。成虫は甘露や花の蜜、アブラムシを餌にするようです。幼虫も肉食性で主にアブラムシを好んで食べるようです。他にハダニ類も餌とします。越冬は蛹で越冬します。
ヨツボシクサカゲロウです。小さな体のカゲロウ類が多い中にあっては、見つけた時に大きく見えます。体の大きさと顔にある4個の黒い斑紋が特徴になります。ヨツボシクサカゲロウは年2化するカゲロウなので見る機会も多い普通種になります。幼虫は樹木の葉や草の葉などにいます。下は顔の拡大です。大きな飛び出た眼(複眼)の色が赤っぽくて綺麗です。夜行性なので顔に対して複眼が大きいのでしょう。
★クモンクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長は11〜15ミリ程。体の大きな普通種で、前翅長16ミリ。クモンクサカゲロウの特徴は、体色は緑色で顔に9個の小さな黒斑があります。名前にあるクモンは9個の紋からきているのでしょう。上から見ると頭に3個の黒斑が目立ちます。前翅前縁の横脈は黒い色をしています。分布は北海道、本州、四国、九州。出現は4〜10月。幼虫は肉食性で主にアブラムシを食べますがハダニ類などの小型の昆虫も餌にします。成虫は甘露や花の蜜、アブラムシなどの小型昆虫を餌にするようです。成虫は灯火にも集まります。成虫で越冬します。分布は広く普通種になるようですが数が少ないのか、なかなか見つけることができません。成虫で越冬します。
クモンクサカゲロウです。特徴は顔に9個の斑紋があるので判別しやすい種類になります。林縁で見つけました。クサカゲロウとしては大型種になります。
★アミメクサカゲロウ(別名アミメカゲロウ) クサカゲロウ科。体長16〜19ミリ程。前翅長22〜26ミリ。クサカゲロウ科の中で1番大きな種類になります。大きいといっても緑色の体をしているので、葉の上にとまられると分かりにくいです。アミメクサカゲロウの特徴は大型で翅に幅があり、翅の形が大きく横に広がって見えることです。これはとまるときに翅を横に広げることから、翅の幅がより広く見えるためです。また翅の中央付近には1対の黒い斑紋があります。触角は黄褐色で体長の2倍ほども長さがあります。触角の基節外側には紫褐色の斑紋が見えます。成虫は灯火に飛来します。分布は本州、四国、九州。出現は5〜11月。成虫はアブラムシの出す甘露を餌にするようです。幼虫は白い体で、白い色のワタの様な塵を載せています。幼虫は肉食性でアブラムシなどの小型の昆虫を食べます。幼虫は照葉樹に見られます。成虫で越冬します。アミメクサカゲロウはミドリヒメカゲロウに似ていますがはるかに大型になります。ミドリヒメカゲロウは体長が5〜6ミリで翅も緑色に見えます。
上はアミメクサカゲロウの幼虫です。アミメクサカゲロウの幼虫は白い綿の塊のように見えます。体も塵も白くて綺麗です。成虫の写真も撮れたら追加したいです。
★クロヒゲフタモンクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長は15〜16ミリ。前翅長10〜17ミリ。小型の種類になります。特徴は口ヒゲの部分(先端節)の黒色は濃い黒色になっていて、胸背には黄色い筋が見えないことと、翅の上にある毛が暗い暗褐色〜黒色をしているそうです。顔には目の前に黒い斑紋があって、触角柄節の外側が暗色になっています。似たものが多く正確な判別には翅脈を調べないいけないところなのでしょうが、当方には翅脈までは全く分かりません。分布は本州、四国、九州、沖縄。幼虫はごみを背中に乗せています。幼虫は肉食性で成虫は灯火にも集まります。
クロヒゲフタモンクサカゲロウです。顔の特徴と大きさからクロヒゲフタモンクサカゲロウで良いのかと思います。似た種類が多いので判別は難しいです。
★ヒメニセコガタクサカゲロウ クサカゲロウ科。前翅長9〜13ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。沖縄では普通種。他の地域では数が少ない種類になるようです。幼虫で判別するのはお手上げで、全く自信がありません。「Chrysopidaeクサカゲロウ科」と言うサイトを見つけて開いてみると見ると、幼虫の顔までが紹介されていました。これを参考に似ている種類を当ててみました。詳しくカゲロウ類を知りたい方は、上記サイトをご覧になることをお勧めします。
上2枚はヒメニセコガタクサカゲロウの幼虫の写真だと思います。幼虫は顔によく似た斑紋を持っているので分かりにくいのですが、幼虫は白い地色でゴミを背負っています。この特徴からヒメニセコガタクサカゲロウが1番似ていたので、カオマダラクサカゲロウの幼虫もよく似ているのですが、ここではヒメニセコガタクサカゲロウとして紹介しておきます。幼虫の判別はとても難しいです。
クサカゲロウ科などカゲロウの仲間は口が小さいので少食だとは思うのですが、クサカゲロウ科の成虫がアブラムシを食べる肉食性なのか(積極的に食べるのか、雑食性的な嗜好なのか)種類を確かめて飼育することもしてみたくなります。実際には餌を用意するのも難しいのですが興味の湧く所です。
・ヒメカゲロウ科の5種類。 チャバネヒメカゲロウや ウスチャバネヒメカゲロウなど似たものが多く判別には大変苦労します。写真で紹介しましたが間違っているかもしれません。ヒメカゲロウ科は体が小さく、茶褐色系の体色をしています。名前の照合に手間取り、暫く紹介を控えていた難解の昆虫です。色も形も同じに見えてしまう種類が多く、正しい判別方法(当方の判別)には課題が残ってしまいます。正確には翅脈の違いなどを確認しなくてはいけなくなります。当ブログで紹介するにあたって特に勇気のいる種類になっています。ヒメカゲロウの仲間は茶色系で透き通った翅をしています。ヒメカゲロウ科も夜行性で灯火に飛来します。大きさの目安に、今度見つけたら前翅長などを測れるようにメジャーを用意することも必要だと思いました。幼虫はアブラムシやハダニ類などを餌にすることから益虫とされています。
★チャバネヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。体長10ミリ程(?)。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。成虫で越冬します。幼虫は肉食性で多種のアブラムシ類の体液を吸って餌にします。農作物に発生するアブラムシを積極的に捕食してくれるので、益虫として注目されています。アブラムシ類の天敵になる存在とは知りませんでした。幼虫は細長い体形で体色は暗褐色で白色の斑紋があります。 よく似た種類にウスチャバネヒメカゲロウがいますが チャバネヒメカゲロウの方が若干大きくなるそうです。成虫は灯火に飛来します。翅の中央付近から後部にかけて翅脈上に階段状の濃い線が見えます。
★ウスチャバネヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。体長9ミリ。チャバネヒメカゲロウとよく似ていますがチャバネヒメカゲロウよりも小さい体をしているそうです。ウスチャバネヒメカゲロウの開帳は18ミリ。よく似たチャバネヒメカゲロウの開帳は15〜20ミリになるようです。どちらにしても小さいですね。分布は本州、四国、九州、沖縄。(北海道の分布は不明)。幼虫はアブラムシを食べます。翅には翅の中央付近から後部にかけて翅脈上に階段状の濃い線が見えます。成虫は灯火に飛来します。ウスチャバネヒメカゲロウについては詳しくは分かりませんでした。判別等が難しすぎます。
とりあえずウスチャバネヒメカゲロウとして紹介します。間違っているかも知れません。判別が難しすぎます。
★コチャバネヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。半透明の茶色い翅に2本程の線が明瞭に見えています。この線に見える部分は翅脈にある黒色の部分が明瞭になって見えているものです。コチャバネヒメカゲロウの特長とすることができます。成虫は灯火に飛来します。詳しくは分かりません。
★ホソバヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。 体長は7〜9ミリ程。開帳は16ミリ。小型のヒメカゲロウです。ホソバヒメカゲロウは横から見ると他の似た種類よりも高さが無く、細長く見えます。名前のように翅が細く見える特徴のあるヒメカゲロウで、翅にはまばらに小さな紋が見えます。ホソバヒメカゲロウは特徴のある体形から、ヒメカゲロウの仲間では名前が分かりやすい種類になると思います。出現は3〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。小型のヒメカゲロウなのですが、やはり幼虫はアブラムシを餌にします。成虫で越冬します。
ホソバヒメカゲロウの体は他種よりも細長く見えます。特徴は見ての通り小型で細長い体をしていることです。
★ヤマトヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。数の多い普通種になります。ヤマトヒメカゲロウの翅にはチャバネヒメカゲロウやコチャバネヒメカゲロウの様な翅に見える線状の模様は不明瞭で見えません。透明な翅には灰褐色の紋が多くあります。そのことから翅の色は灰褐色に見えます。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。成虫は灯火に飛来します。越冬は成虫で越冬します。開帳が15〜16ミリと言う小型になります。開帳とは翅を広げた時の大きさなので、かなり小さいことが分かります。
ヤマトヒメカゲロウ。開帳とは翅を広げた時の大きさになります。前翅長を測っておけば良かったです。
上記のヒメカゲロウ科もどれもよく似ていて難解です。どれも同じに見えてきます。間違っている可能性がありますが、あえて名前を当てて紹介して見ました。
・ヒロバカゲロウ科。この仲間は幼虫は水生とされている種類になります。まだよく生態が分かっていない種類になります。幼虫は小型の昆虫を食べる肉食性で、水辺のコケや倒木などを住処にしている半水生になるようです。ヒロバカゲロウ科は水田、沼地などの湿地、流れの緩い水場、流れの弱い小川などに多いようです。成虫もその近辺で発見されるようです。
★キマダラヒロバカゲロウ ヒロバカゲロウ科。前翅長は14〜18ミリ。出現は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。幼虫は半水生で肉食性。灯火に飛来します。成虫と幼虫が判明しているのはキマダラヒロバカゲロウだけになります。
キマダラヒロバカゲロウです。林縁の樹の葉の上にいました。見つけた場所のすぐ近くには、小さな流れのある湿地と小さな流れがある水場があります。前年もこの場所で見つけています。環境からキマダラヒロバカゲロウで良いと思います。
カゲロウの仲間は普通種であっても、興味を持って探さないと見つけにくいかも知れません。またカゲロウの仲間を見つけても似ている種類が多いので、デジカメ等で撮影して特徴を見つけないと種類が分からないことがほとんどだと思います。成虫だけでなく幼虫もとても種類が分かりにくいです。特徴が分かりにくいゴミを背負っているタイプの幼虫だと、名前を調べることはさらに難しくなります。見つけたら写真等で確認できる記録を残しておくと名前が分かるかも知れません。