2017年06月29日

ヒメバチ科(寄生蜂)のハチ。シロスジクチキヒメバチ、シロテントガリヒメバチ、シロヨトウヤドリヒメバチ、エゾオナガバチ。

ヒメバチ科のハチは寄生蜂と呼ばれ、他の昆虫やクモ類、昆虫の幼虫に卵を産み付けます。幼虫はそれを餌に育つ肉食性の寄生蜂になります。ヒメバチ科は似たものが多く名前を探すのが難しいです。単にヒメバチというとヒメバチ科の総称になります。日本にいるヒメバチは1000種類を超えているそうです。ゆえに特徴的なヒメバチ以外は名前を当てることも難しく、似たものでも実は別種ということも十分に考えることができます。正しくはヒメバチ科の1種として紹介することがふさわしいのですが、ここではあえて似た種類の名前で紹介させていただきます。ヒメバチの体は細長く、腹部も細長い体をしています。触角は糸状でとても長いハチです。特徴的なのは雌の産卵管で、体長を優に超えるほど非常に長い物を持つ種類もいます。細長い体にやたらに長い産卵管を持っていたらヒメバチの仲間やコマユバチの仲間である可能性があります。ヒメバチ科とコマユバチ科では翅の翅脈に違いが見られるので、写真に残しておくと良いと思います。ヒメバチ科の中でも特に長い産卵管を持っているハチをオナガバチと呼んでいます。オナガバチの仲間は大型で、産卵管が体長よりも長い産卵管を持っています。ヒメバチ科は種類により寄生する昆虫は変わるのですが、朽ち木や材などの中にいる幼虫に、長い産卵管を使って卵を産み付けるものが多く知られています。材中の昆虫に寄生する場合、どのように材の中などにいる昆虫を探すのか不思議です。寄生される昆虫にしたら、比較的に安全なはずの朽ち木内に身を隠していても探し出されてしまうので、寄生される昆虫からすると災難としか言いようがありません。ヒメバチ科はまだ生体が良く解明されていないものも多く、分からないことも沢山あります。雌の針のように見える器官は産卵管になります。スズメバチ科やミツバチ科の毒針は人を刺すことができ、普段は腹部に収納されていて見えていない事と比べて、ヒメバチ科の産卵管は危険な雰囲気を漂わせていますが、人を刺す様なことはありません。ヒメバチ科の中でも産卵管の短い種類であっても刺されたら痛そうな長い針が突き出ています。オナガバチの仲間に至っては、産卵管があまりに長すぎて、いくらなんでも刺すのには無理があるだろうと誰もが思うほど長いものです。針に見えても産卵管なので雄にはありません。オナガバチは大型種になります。個性的な外観を持ったヒメバチ科のシロスジクチキヒメバチ、シロテントガリヒメバチ、シロヨトウヤドリヒメバチ、エゾオナガバチを調べてみました。
★シロスジクチキヒメバチ ヒメバチ科。体長16〜20ミリ?。分布は北海道、本州、四国。シロスジクチキヒメバチの特徴は触角の中央に白い帯があり、腹部には複数の白い筋状の帯があります。雌は長い産卵管を持っています。雌は長い産卵管を使って朽ち木などの材の中身いる昆虫の幼虫に卵を産み付けます。シロスジトゲヒメバチ、シロテンタガリヒメバチなど大変良く似ている種類がいます。
★シロテントガリヒメバチ ヒメバチ科。 体長10ミリ。黒い体色をしていますが、触角の中ほどには白い帯が入っています。腹部先端は黄白色や白色をしていて、中脚と後ろ足の脛節の基部に白い帯が入っています。出現は良く分かりませんが、私見で4月から9月頃までは活動しているようです。分布は北海道、本州、四国、九州。シロテントガリヒメバチはガの蛹に寄生する寄生蜂です。マツムラトガリヒメバチなど似た種類が多くいます。様々なガに寄生することから、益虫としての側面も持っています。
★シロヨトウヤドリヒメバチ ヒメバチ科。体長18〜20ミリ。体の特徴は、触角が黒色で小楯板は黄色。腹部には2本の黄色い帯があります。脚は黄色い部分が多く見えます。分布は北海道、本州。名前からすると寄生するのはヨトウガになるようです。寄生する種類はシロヨトウという種類なのかも知れません。また寄生するのがヨトウガの幼虫なのか蛹なのかは分かりません。シロヨトウヤドリヒメバチは地味ながら何気に綺麗に見えるヒメバチです。
シロスジクチキヒメバチ1.JPGシロスジクチキヒメバチ2.JPGシロテントガリヒメバチ雄.JPGシロテントガリヒメバチ翅脈.JPGシロヨトウヤドリヒメバチ(ヒメバチ科).JPG
上2枚シロスジクチキヒメバチの雄です。2枚目、腹部後端に白い管状の線が見えます。出現は良く分かりませんが、見間違いが有るかも知れませんが、私見で4月から9月頃までは活動しているようです。3、4枚目シロテントガリヒメバチの雄。産卵管がありません。4枚目は翅の翅脈が分かるようにやや拡大して見ました。です。シロテントガリヒメバチの雄として紹介させていただきます。現は良く分かりませんが、私見で4月から9月頃までは活動しているようです。下、5枚目シロヨトウヤドリヒメバチの雄。撮影は6月。ストックしてあった写真を使いました。見た目で判断したので、正確には似た種類が多いので間違っているかもしれません。産卵管がないのでいずれの種類も雄になります。
★エゾオナガバチ ヒメバチ科、オナガバチ亜科。体長30〜40ミリ。雌は非常に長い産卵管を持っています。あまりの長さに驚いてしまいます。分布は北海道、本州、四国、九州。よく似た種類にオオホシオナガバチがいます。エゾオナガバチとオオホシオナガバチの見分け方は翅を見ます。エゾオナガバチの翅は全体が透明です。オオホシオナガバチの場合は翅の先端近くの外縁に大きな黒い斑紋があります。腹部の黄色い帯はくびれて見えません(斑紋等には変異があるかも知れません)。この2種類は大変良く似ているので、よく見ないとどちらの種類なのか分かりません。どちらも大型で黄色と黒のコントラストが美しいオナガバチです。エゾオナガバチは枯れ木の中にいるキバチ類の幼虫に卵を産み付けます。
エゾオナガバチ(ヒメバチ科).JPGエゾオナガバチ.JPGエゾオナガバチ4月.JPG
エゾオナガバチです。立派な産卵管を持っている雌です。上、黄色が綺麗なハチです。ただでさえ細長い体をしているのですが、触角と産卵管を入れた長さには驚いてしまいます。体にはツヤがあり黄色い模様のある体には迫力を感じます。体長をはるかに超えた産卵管の長さを見ていただきたい種類です。触角はやや見切れています。中、横から見たエゾオナガバチです。下、上から見た所です。エゾオナガバチの翅には黒紋がないので、よく似たオオホシオナガバチと判別することができます。このエゾオナガバチは林縁のシャリンバイの葉の上にいました。風が強い日で風をよけてじっとしていました。エゾオナガバチは初めて見つけたのですが、また見て見たい魅力的なオナガバチです。この写真は4月に撮影しています。他のヒメバチ科のように9〜10月頃まで活動しているのでしょうか?普通種のようですが見る機会が少なそうな気がします。また見つけた場所に足を運んでみることにします。撮影地。神奈川県海老名市。
ヒメバチ科のハチは属が分類されている種とまだ分類されていない種が沢山いるので、この程度の判断では種名が間違っている可能性の方が高いです。紹介するうえであえて名前を当ててみました。参考までにしてみてください。
posted by クラマ at 15:22| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月25日

ムネクリイロボタル。陸生の小型のホタルです。

陸生のホタル、ムネクリイロボタルを見つけました。小さいので良く見ないと見落としてしまいそうです。雌雄の違いは触角にあるのですが肉眼では分かりにくいです。見て見たい種類だったので偶然見つけることができてラッキーでした。1週間後に行ってみたのですが、もう見つけることができませんでした。まさか生息しているとは思えない環境なので、個体数はどう考えても少ないと思います。また来年のお楽しみです。ムネクリイロボタルの姿は小さくてもホタル科らしい体形をしています。上手く時期に当たれば、昼行性なので頑張れば見つけることができます。陸生のホタルの場合、成虫はあまり光を発しません。幼虫の方が光を発します。ムネクリイロボタルの成虫の発光は非常に弱いそうですが、発光の様子も見て見たいものです。ムネクリイロボタルは陸生のホタルの中では最も普通にいる種類になるようです。
陸生のホタルの中でも光るホタル(強い発光をするホタル)にヒメボタルがいます。ヒメボタルは日本固有種になります。ヒメボタル以外の陸生のホタルは昼行性で、光を出さない種類、または発行してもかすかな光しか放ちません。夜間に発行するヘイケボタルやゲンジボタル(ゲンジボタルも日本固有種)のような強いはっきりとした発光はしません。陸生ホタルの発光は幼虫期に行われます。特に発行が強いのはクロマドボタルと呼ばれる種類で、幼虫は夜間に背の低い下草あたりを移動しながら発光するそうです。発行は連続する発光になるそうです。発光時間は長く20〜30秒と長いようです。この発光を手掛かりにして見つけることができるかもしれません。生育環境はやはり湿気のある場所を好むので、条件を満たすような場所を探すと見つかるかも知れません。発光する時間や見つけやすさは、夜行性のゲンジボタルやヘイケボタルのように暗くなる19時半から20時頃が見つけやすいようです。ヒメボタルは地域によって1番光る時間が変わるようです。強い光をだすホタルは幼虫が水の中で育つ水生のゲンジボタルとヘイケボタル。そして陸生のヒメボタルになります。
最も身近にいるホタルの1種、ムネクリイロボタルを調べてみました。
★ムネクリイロボタル ホタル科の普通種。体長は雄7〜8ミリ。雌8〜9ミリ。ムネクリイロボタルの特徴は黒色の体に前胸部は橙褐色(栗色と呼ばれている色)をしている小型のホタルです。体つきは平たくなっていて弱い光沢があります。翅(鞘翅)はザラついた感じになっていて、縦条隆起が見えています。雄と雌の区別は触角で判断することができます。よく見ると雄の触角は櫛状に見えます。ホタルの仲間らしい体つきをしています。出現は5〜7月。分布は本州、四国、九州。低山地の林内や林縁。人家付近の里山、農耕地、草原などのやや湿った場所に生息する昼行性の陸生のホタルです。都市部の自然公園などにも生息していて適応力は強いです。発光器を持っているので、夜間は弱い光を出すそうです。光り方は弱い連続した光になるそうです。蛹、幼虫も発光器を持っていて弱い光を出すそうです。幼虫は落ち葉の下などに生息していて、餌は肉食性で陸生の貝類のウスカワマイマイなどの小型のカタツムリやヒカリギセルなどのキセルガイ科やオカチョウジガイ(オカチョウジガイ科)などの陸生貝。ミミズなどを食べるそうです。ちなみにキセルガイは左巻きで大きさは20ミリ程。オカチョウジガイは右巻きで10ミリ程の大きさです。ホタルの仲間なので乾燥に弱く、落ち葉の重なった適度の湿り化のある場所が住処になるようです。成虫は通例、他のホタル同様餌を食べませんが、稀に花の蜜を吸うそうです。恐らく水分を補給するためと推測します。越冬は幼虫が土中の浅い場所で越冬するようです。普通種とされる理由は都市部の公園にもいる適応力の強さと分布域の広さ、陸生であることによると思います。陸生とは言え乾燥には弱いので、場所にもよりますが数(個体数)は多くはないと思われます。ゲンジボタルやヘイケボタルのように環境の変化、生息地の消滅などの影響は受けにくい種類ですが、やはり数は減らしていくのでしょう。
ムネクリイロボタル雌.JPGムネクリイロボタル雄.JPGムネクリイロボタル雄触角.JPG
ムネクリイロボタルです。見つけた場所から見ても非常に狭い場所で生息しているようです。餌は確実に不足しているように思えるのですが、良く生息しているものだと感心してしまいます。体つきは雌雄同じに見えます。上はムネクリイロボタルの雌です。中、ムネクリイロボタルの雄です。触角を見比べると違いがあることが分かります。下、雄の触角です。拡大して見ました。目視ですと小さいので触角の違いは分かりません。このような場合には愛用のコンパクトデジカメが威力を発揮します。撮影は5月16日。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。
posted by クラマ at 03:25| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月20日

オオハラナガツチバチ、キンケハラナガツチバチ、ヒメハラナガツチバチ、キオビツチバチ。 よく似ているツチバチ科のハチです。

ツチバチは1見すると黒と黄色の配色から、細長いミツバチやアシナガバチに似て見えます。ツチバチの仲間はどれも良く似ていて、どれもこれも同じに見えてしまうので判別は難しくなります。腹部に見える横帯の数や短毛の生え方などを確認しなくてはいけなくなります。姿、形からツチバチの仲間であることの推測はできても、花にとまっている所を見てツチバチの種類を区別することは至難の業になります。幸いなことに、ツチバチは大人しい性格をしているので、そっと覗き込んで観察すれば特徴をつかむことができます。ただしハチに変わりはないので、捕まえようと思わない方が無難です。ツチバチとはツチバチ科に属する総称で、雌はコガネムシの幼虫に卵を産み付ける寄生蜂になります。雌は地表を飛んで寄生する(卵を産み付ける)コガネムシの幼虫を嗅覚を使って探し出します。見つけると幼虫がいる所まで穴を掘って進み、幼虫に麻酔をうちます。麻痺した幼虫を土中の深い部分に運び、独房を作ってから産卵するそうです。卵は1個産み付けます。この作業はツチバチには大変な苦労と労力になることから1日に1回の産卵回数になると予想されています。麻酔をうたれてコガネムシの幼虫は麻痺して動けなくなっている状態でツチバチの幼虫の餌とされてしまいます。産卵はコガネムシの幼虫の体表面に卵を産み付けます。孵化した幼虫は麻痺しているコガネムシの幼虫を食べて育ちます。麻酔されたコガネムシは生きたまま食べられる訳ですが、餌の幼虫が腐らない(腐りにくい)防腐剤的な成分を含んでいると予想することができます。 また、食べ方は他の寄生蜂のように、孵化した若齢が幼虫の体内に侵入して餌とします。食べ方は寄生する幼虫が死なない程度に少しずつ食べるのだと予想します。ツチバチの幼虫は肉食性で、麻痺した生きたままのコガネムシの幼虫を餌にするという、まるで映画のエイリアンを想像させる恐ろしさがあります。ツチバチの仲間は幼虫も成虫も単独で生活しているハチになります。コガネムシの天敵として、コガネムシの幼虫を餌として食べるオオハラナガツチバチ 、キンケハラナガツチバチ 、ヒメハラナガツチバチ、キオビツチバチなどは、植物の根を食べる植物の害虫であるコガネムシの幼虫を餌にするハチなので、立派な益虫と言うことができます。紛らわしいのがツチバチ(土蜂)とジバチ(地蜂)の呼び名です。ツチバチ(土蜂)とジバチ(地蜂)は呼び名が似ていますが科が違います。大人しい性質のツチバチの仲間に対して、ジバチは刺されると危険なスズメバチ科クロスズメバチ類の総称になっています。特にジバチというとクロスズメバチの事を言うことが多いようです。クロスズメバチはスズメバチ科の中では小型で、攻撃性と毒性は弱いハチなのですが、刺されることはあります。クロスズメバチは、土中に巣を作り集団で暮らしています。オオスズメバチやキイロスズメバチのような凶暴性は持っていなくても毒を持っているハチになるので、しっかりと分けて覚えておかないといけません。長野県ではクロスズメバチをジバチと呼んでいて、幼虫を「ハチの子」と呼んで食用にしています。食用とされるハチの中では、味はクロスズメバチの幼虫(ハチの子)が1番美味しいということです。ツチバチ科の4種類。オオハラナガツチバチ、キンケハラナガツチバチ、ヒメハラナガツチバチ、キオビツチバチを調べてみました。
★オオハラナガツチバチ ツチバチ科。埼玉県では絶滅危惧U類になっています。雄は長い触角をしていて体長18〜25ミリ。雌の体長は25〜32ミリ。胸背部には黄色の毛が生えていて腹部は細長く見えます。腹部の特徴は、雄の横帯は5本ですが、しばしば尻尾の先端側の横帯は細くて消失している個体も多いようで、横帯は4本に見える(4本)個体もいます。雌の腹部の横帯は3本。雌の場合、厳密には帯紋ではなく毛帯が細い帯のように見えています。腹部の基部は段差になっています。横帯の色は白っぽく見えます。よく似ている キンケハラナガツチバチの横帯は4本で、横帯の色は黄色く見えます。雌は地表近くを飛んでコガネムシの幼虫を見つけて麻酔を注射してから土中で卵を産み付けます。分布は本州、四国、九州、沖縄。昼行性で成虫は花の蜜を吸うために花に飛来します。成虫の出現は8〜10月。オオハラナガツチバチ もツチバチ科なので成虫で越冬すると思います。
オオハラナガツチバチ雄1.JPGオオハラナガツチバチ雄2.JPG
上はオオハラナガツチバチの雄です。触角が長いです。この写真では触角が1本欠損してしまっています。この2枚は同1個体です。下、腹部の横帯が見えます。写真ではこの個体の横帯は4本に見えています。オオハラナガツチバチの雄の横帯は5本目が細かったり、4本に見える個体がいるそうなので、オオハラナガツチバチの雄で良いと思います。横帯は白っぽい色をしています。おとなしいハチなのですが、写真より実物は大きく迫力があります。
オオハラナガツチバチによく似ているハラナガツチバチも比較のために調べてみました。
★ハラナガツチバチ ツチバチ科。普通種で数が多い。体長19〜33ミリ(雄は体長19〜25ミリ。雌は体長23〜33ミリ)胸部微毛は少なく黒色をしています。腹部には黄色い色の帯模様があり帯の下部には黄色い毛が生えています。横帯の幅は広くなっています。ハラナガツチバチの腹部の帯の数(横帯)は5本で、ハラナガツチバチは他の仲間と比べて腹部の光沢が強く見えます。攻撃債は弱く大人しい性格のハチで、単独で生活する寄生バチです。餌は成虫は花の蜜、幼虫の餌は土中にいるコガネムシ類の幼虫です。雌は土中のコガネムシ類の幼虫に卵を産み付けてしまいます。ハラナガツチバチ の幼虫は、コガネムシの幼虫の体内で育ちます。分布は本州、四国、九州、沖縄。昼行性で出現は4〜11月。発生は年1回の発生になります。越冬は成虫で行われます。成虫は乾いた崖などに穴を掘って、穴の巣穴で単独で越冬します。よく似ているハチにキンケハラナガツチバチがいます。キンケハラナガツチバチの横帯は4本です。オオハラナガツチバチもよく似ています。
★キンケハラナガツチバチ ツチバチ科。普通種で数が多い。体長は雄16〜23ミリ。雌17〜27ミリ。雄の触角は長く、雌の触角は雄に比べて、はるかに短くなっています。名前に付いているキンケとは、体に密生している金色の毛色から来ているようです。分布は本州、四国、九州、沖縄。林縁、畑地、公園、人家付近に生息しています。出現は5〜10月で発生は年1回。成虫は花の蜜を餌にしていて、単独で生活しています。昼行性のおとなしい蜂で、雄のキンケハラナガツチバチは刺さないハチです。実を守るためなのでしょうか、雄のキンケハラナガツチバチは針をお尻の先から出して刺すしぐさをします。恐らく威嚇行動の1つなのでしょう。キンケハラナガツチバチは花に良く集まるハチです。体が意外と大きいうえ、黄色い帯の有るハチなので、見た目がとても怖いのですが攻撃性の少ないとても大人しいハチです。雌は土中にいるコガネムシの幼虫を探して針で刺して麻痺させてから卵を産み付けます。小型の雄の体色は薄く、よく似た種類のヒメハラナガツチバチにより似て見えてきます。越冬は雌が越冬します。乾いた崖の土に穴を掘って単独で越冬します。
体の特徴は、腹部に見える黄色の帯の数は4本で、帯の幅がよく似ている他のツチバチよりも太く見えます。頭部、胸部をはじめ体には名前のように金色に見える黄褐色〜赤褐色の毛が密生しています。雌と雄の違いを比べて見ると、
・雌。雌は黒い地色で頭部、胸部には黄色い長毛が密生しています。腹部には黄褐色の毛帯はあるものの横帯(帯紋)はありません。雄の腹部では黄色い帯に見える部分が雌では黄色い毛帯になっています。雌の触角は短いです。
・雄。雄の腹部には淡黄色の幅のある横帯(腹部に見える黄色い帯)があります。良く似ているオオハラナガツチバチの雌の腹部の帯の数は3本です。キンケハラナガツチバチの雄の腹部の帯の数は4本になります。雄の触角は雌よりもとても長くなります。
キンケハラナガツチバチ雌。.JPGキンケハラナガツチバチ雌3.JPG
キンケハラナガツチバチの雌です。特徴である金色に見える剛毛が目立ちます。
★ヒメハラナガツチバチ ツチバチ科。体長は雄、11〜19ミリ。雌、15〜22ミリ。ヒメハラナガツチバチの雄と雌では容姿が違っています。出現は4〜11月で年1回の発生になります。分布は本州、四国、九州。平地から林縁、畑地、公園、人家付近に生息しています。ヒメハラナガツチバチの体の特徴は腹部に見える黄色い帯です。雄と雌では横帯の数が違います。ヒメハラナガツチバチの腹部に見える黄色い帯の数(横帯)は雄は5本あります。横帯の色は薄い黄色です。大変よく似ているキンケハラナガツチバチでは4本であることで判別することができます。体色もキンケハラナガツチバチよりも薄い色になります。ヒメハラナガツチバチの雄の胸背部(小楯板)にある黄色い斑紋は笑った人の顔に見えます。特徴であるこの斑紋も小型のヒメハラナガツチバチでは小楯板の斑紋(2紋に見える部分)は消えてしまいます。胸部におある2個の斑紋の有無と腹部にある横帯の数を確認すると間違いにくくなります。雄の発生率は少なく、雄の出現は7〜8月が多いようです。雌のヒメハラナガツチバチの特徴は、体色は他の似た種類よりも黒味が強く濃く(黒っぽく)見えることです。雌の触角は短く、翅端の色は濃い色をしていることも特徴になります。腹部に見える縞(毛束)は4本で、毛の色は灰黄色や白色で白っぽく見えます。この縞模様の部分は毛束のみで白斑はありません。雄に見られる小楯板にある斑紋は雌にはありません。越冬は雌が越冬します。乾いた崖の土に穴を掘って土中で単独で越冬します。成虫は花の蜜を吸います。性格がおとなしい蜂で、攻撃性はとても低いです。雌は土中にいるコガネムシの幼虫を探して針で刺して麻痺させてから卵を産み付けます。
ヒメハラナガツチバチ(雄).JPGヒメハラナガツチバチ雌.JPG  
上、ヒメハラナガツチバチの雄です。雄は触角が長いので雌雄の判別は簡単です。特徴である雄の背中(小楯板)に見える斑紋は可愛いです。ヒメハラナガツチバチの体はやや細長く見えます。下、雌の写真を追加しました。雌のヒメハラナガツチバチです。雄と比べると体の違いがわかると思います。同じ種類の雄と雌とは思えないです。
★キオビツチバチ ツチバチ科。腹部に黄色い黄色紋がある黒い体をしているツチバチです。全体的には地色の黒い部分が多いので、細長くて黒く見えるツチバチです。体には黒色の短毛が密生しています。雌と雄は外見的には大変良く似ていますが、雄の触角は雌よりもよりも長く、雌の体は雄よりも大きくなります。雄の触角の長さは前翅長の3分の2ほどあります。簡単なキオビツチバチの雄と雌の違いは腹部の黄色い紋の形を比較すると見分けることができます。雄の腹部にある黄色い紋は大きくて接近していますが、雌では黄色い紋は小さく、目玉のように見える紋は離れていることで判別ができます。雄の場合この紋はつながりそうに見える個体もいます。体長は11〜25ミリ(雄は11〜20ミリ、雌は15〜25ミリ)。分布は北海道、本州、四国、九州。各種樹林、林縁、畑地、公園、人家の周辺。平地から山地まで普通に生息しています。出現は6〜10月。年1化。成虫で崖などに土を掘って土中で越冬します。昼行性で活発に動き回って花の蜜を吸います。群れることはなく単独で行動しています。キオビツチバチ はコガネムシ類の幼虫を土中で探して、見つけた幼虫に卵を産み付ける寄生蜂です。コガネムシの幼虫などは毒針で麻酔をかけられて卵を産み付けられます。成虫は様々な花の蜜を餌にします。攻撃性のない大人しいハチです。とても良く似た種類にアカスジツチバチとオオモンクロクモバチ(オオモンクロベッコウ)がいます。
よく似ているアカスジツチバチとオオモンクロクモバチ(オオモンクロベッコウ)
・アカスジツチバチ ツチバチ科。数は少ないようです。アカスジツチバチの紋の色は橙黄色で、黒い体色をした体には強い光沢があり翅には弱い金属光沢があるようです。特徴は顔にある斑紋です。額に橙黄色の斑があるのは雌になります。腹部にある斑紋の形からの区別は、斑紋に個体差があるので難しくなりますが、アカスジツチバチの紋の方が小さくなるようです。紋のほとんど見えない個体もいるようです。名前に「アカ」と色を連想する名前がついていますが、赤い色の部分はありません。アカスジツチバチの分布は北海道、本州、四国、九州 、沖縄で、林縁などに多いようです。               
・オオモンクロクモバチ(オオモンクロベッコウ)。ベッコウバチ科。地色が黒い色をした真っ黒い体色をしていて、腹部(第二腹節の基部)にはオレンジ色(橙赤色)に見えるの紋が2個あります。この紋は大きくて接近していることから1つの帯のように見えます。のオオモンクロクモバチはクモを狩るハチで、獲物とするクモの種類は多く、ハシリグモ類、アシダカグモ類などの大型のクモを狩ることが多いようです。ものすごいハンターなのです。麻酔をうって捕らえたクモは地中の巣穴に運ばれた後、幼虫の餌とするためにクモに産卵します。成虫の餌は花の蜜で各種の花に集まります。体長は12〜25ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州 、沖縄。年2化するようです。
キオビツチバチ雄1.JPGキオビツチバチ雄2.JPG
上、キオビツチバチの雄です。全体的に黒く見える体で、腹部には黄色い帯状の紋が見えます。黒い体のハチも多いので似たハチの写真も紹介したいと思っています。
紹介したツチバチの成虫は花に集まるので、花壇などで待ち伏せすると見つけることができます。怖そうに見えるのですが、おとなしい種類が多いので好きな種類です。実際に撮影となると難しいのですが、オオモンクロクモバチ、アカスジツチバチの写真が撮れたら追加したいと思っています。
posted by クラマ at 17:33| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする