2017年05月29日

オオスズメバチ、クロスズメバチ、キアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キボシアシナガバチ、コアシナガバチ。スズメバチ科の人を刺す危険なハチです。

オオスズメバチは実は野外にいる昆虫で最強最悪の危険種になります。身近にいる昆虫だけに毎年の死傷者はクマやハブ、マムシを超えています。オオスズメバチは日本最大のハチで日本で、しかも1番恐ろしい野外にいる危険生物(昆虫)になります。世界最大の殺人蜂の異名も持っているほどです。近づかない方が良い危険な生物として覚えておきましょう。スズメバチ科のクロスズメバチは変わっていて、なんと食材として捕獲されることがあるハチになります。長野県、山梨県、静岡県、岐阜県、愛知県などで「蜂の子」として幼虫が食されているハチがクロスズメバチになります。特に長野県と岐阜県ガ有名で、「蜂追い」をテレビで見たことがあります。アシナガバチの仲間は普通に見ることができます。子供の頃、アシナガバチの巣を採る遊びをして刺されてことが2度ほどあります。2度目にはひどく腫れて懲りたことを覚えています。今思うと無茶な遊びをしたものだと自分に呆れてしまいます。単にアシナガバチというと総称になっています。キアシナガバチが1番攻撃性が強く、次いでセグロアシナガバチ、キボシアシナガバチ、ムモンホソアシナガバチが攻撃性の強く、ヤマトアシナガバチは攻撃性は弱くなります。どの種も似て見えるので注意が必要ですが、刺される場合は巣があることに気が付かないで、巣を刺激してしまうことによる事故が多いようです。巣を守るために攻撃するということになるようです。スズメバチ科のハチはどの種も毒性が強いので、黄色と黒の配色をした虎柄に見えるハチは危険なハチだと思って注意することが必要です。アシナガバチの巣もよく見ると芸術的に美しいものを感じます。巣は透明なワックスで、乾いては塗りを数回繰り返して標本を作ったことがあります。テカリが出てしまうものの、巣に強度が出るので保存に適しています。スズメバチ科のハチ、オオスズメバチ、クロスズメバチ、キアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キボシアシナガバチ、コアシナガバチを調べてみました。写真が撮れたので写真の無かったコアシナガバチの写真を追加しました。
★オオスズメバチ スズメバチ科。普通種の日本最大の大型のスズメバチです。大きさは実物を見れば1目瞭然。名前の通りの大きなスズメバチです。特徴的な黄色い縞模様と大きさは、恐怖を感じるには十分です。オオスズメバチは攻撃性が強く、毒性も強いので気を付けなければいけない危険なハチの筆頭です。体も大きいので飛んでいる時の羽音も大きいです。体長は女王蜂40〜45ミリ。働き蜂27〜40ミリ。特徴は全体に太さがあり体格がしっかりしていて、体色は黒褐色で頭部はオレンジ色や黄橙色に見えることです。腹部の体節部分が黄色い帯状に見える黒と黄色の配色をしています。この特徴はしっかりと覚えておくと良いでしょう。分布は北海道、本州、四国、九州、佐渡島、種子島、対島、屋久島。出現は4〜10月。成虫の餌は樹液、花の蜜、果実などで、幼虫が育ってくると幼虫が口から出す養分を餌にするそうです。この餌のやり取りを栄養交換と言います。幼虫は肉食性で様々な昆虫類やクモ類を餌として与えられます。巣は枯れ木などを材料にした大型の巣を作ります。巣の大きさは直径が最大40〜50センチになるものもあります。旅館などで飾りにしている巣を見たことがありますが、ハチがいる状態の巣を想像すると恐ろしくなります。巣の出入り口は1箇所です。巣は樹の洞や倒木の空間、民家の軒下などに作られます。オオスズメバチは攻撃性も毒性も強く、何と日本に生息するオオスズメバチが世界最大の攻撃性を持った殺人蜂になります。しばしば人が襲われて、日本国内で死者も多く出している最強の毒蜂がオオスズメバチです。毒液には仲間を集めるフェロモンが含まれていて、1匹に攻撃されて刺されても大変な害があるというのに、集団で攻撃されたら命も危険にさらされるのも当然です。自然界の動物、昆虫を含めて1番死者を出しているのがオオスズメバチになります。毒の成分はテトロドトキシンという物質になります。クマが天敵と言われていて、そのためか黒い色に反応して、特に黒い部分を攻撃することが知られています。刺されにくい色は白色と言われています。白い手ぬぐい等を持っていたら頭部や眼、首の周りは刺されやすく、刺されると危険な部位になるので、白い手ぬぐい等で覆うなどして、身を守るようにした方が良いです。スズメバチのいそうな山野に行くときは白い服がベストですね。オオスズメバチは縄張り意識が強いハチで、樹液を吸っている時は凶暴になっています。樹液が出ている樹で喧嘩しているオオスズメバチは他の巣のオオスズメバチになるそうです。越冬は女王蜂が朽ち木の中や樹皮の割れ目の隙、樹洞などで越冬します。翌年の4月下旬ごろから5月に餌を求めて飛び始めて、巣を作る場所を探すので、この時期には大きな体をした女王蜂を見ることができます。この時期の女王蜂の攻撃性は弱いので、慌てないで離れれば危険を回避できます。
オオスズメバチ3.JPGオオスズメバチB2.JPG
オオスズメバチです。名前負けしていない迫力満点の大型のハチです。撮影は緊張します。クワガタ、カブトムシ捕りをされたことがある方には、クヌギ等、樹液に集まることが多いので、良くご存知のハチだと思います。
★クロスズメバチ スズメバチ科。別名ジバチ。体長は女王蜂が15〜16ミリ。働き蜂が10〜12ミリ。体色は、全身が光沢の弱い黒い地色をしていて、斑紋や横縞は白色をしています。脚の色は黄褐色をしています。出現は3〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、佐渡島、種子島、対島、屋久島、沖縄。クロスズメバチは普通種で幼虫は肉食で、餌は昆虫類、クモ類や動物の死骸も餌にします。成虫は花の蜜や幼虫が口から出す養分を餌にします。この餌のやり取りを栄養交換と言います。巣は平地の森林、畑地、土手などの土中や稀に天井裏や壁などの隙間に巣を作ります。普通種でもあまり良く見つからないのは、都市部や住宅街で巣を作ることがない(ほぼ稀にしか作りません)からです。攻撃性は弱く、幼虫の数が多く、幼虫は「ジバチ」や「蜂の子」などと呼ばれて食材にされます。大変良く似ている種類にシダクロスズメバチがいます。クロスズメバチと同様に食用にされています。越冬は女王蜂が越冬します。
クロスズメバチとシダクロスズメバチの違い。  
・クロスズメバチは平地から低山地に生息しています。頭楯中央に見える黒帯は下縁(口の部分)に達していません。複眼の内側の黒紋は両脇に出っ張っていません。巣はクロスズメバチより小さく、巣の色は灰色になるそうです。
・シダクロスズメバチは海抜300メートル以上の高地に多く生息するそうです。北海道では低地から低山地に生息しているようです。体長は女王蜂が15〜19ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。巣はクロスズメバチより大きくなり、巣の色は褐色、茶褐色になるそうです。頭楯中央に見える黒帯は下縁(口の部分)まで達しています。複眼の内側にある黒紋は両脇に出っ張っている部分があります。
大まかな違いはあるのですが、顔の黒紋には若干の個体差があるので、じっくりと観察して特徴を確認しなければいけないのですが、実際には顔面を確認することは難しいので、混在している地域では両種の判別は難しくなります。顔面の比較写真があったらよいのですが、当方の観察エリアの場合、標高が低いのでシダクロスズメバチを見ることはないと思います。
クロスズメバチ.JPG
上、クロスズメバチです。名前の通りに地色の黒い体をしています。5月に撮影した大きな体の女王蜂です。
・アシナガバチの仲間のキアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キボシアシナガバチもスズメバチ科なので、毒性は強く刺されないように注意が必要な危険な昆虫になります。
★キアシナガバチ スズメバチ科アシナガバチ亜科。体長21〜26ミリ。日本に住んでいるアシナガバチの中では最大級です。黄色と黒の配色はオオスズメバチに似ていますが、オオスズメバチと比べると細く見えます。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。黒と黄色の配色の黄色が目立つ大型のアシナガバチです。胸背に見える黄色い模様には個体差があります。キアシナガバチはアシナガバチの中でも、最も高い場所にも巣を作ります。巣の色は灰色で、蓮の実に似た釣り鐘型をしています。巣は樹木の雨の当りにくい所や、民家の軒先などに作られます。雑木林や林縁などに多く生息しています。幼虫は肉食性なので、成虫はガやチョウの幼虫などを捕らえて肉団子にして巣に運びます。成虫は昆虫の他、花の蜜、果実の汁、ジュースなども餌にします。キアシナガバチはアシナガバチの中で最も攻撃性が強く、毒性も強い危険なハチです。巣を見つけても刺激しなければ攻撃される確率は低いです。越冬は女王蜂が越冬します。模様も大きさもよく似た種類にセグロアシナガバチがいます。セグロアシナガバチと比べると、キアシナガバチは全体に黄色い部分が多く、触角の先端も黄色い色をしています。キアシナガバチとセグロアシナガバチの見分け方。
・キアシナガバチの触角の下面は黄色ですが、上から見ると基部側は黒くなっています。上から見ると触角の上面の先端部分の3分の1程が黄色く見えます。斑紋には個体差があるもののキアシナガバチの縦長に見える4個の斑紋は黄色くはっきりとしています。
・セグロアシナガバチの触角は全体的に黄色味があります。セグロアシナガバチの縦長に見える斑紋は細く、腹部側の2個(前伸腹節には)はありません。そのため上から見るとキアシナガバチよりも黒っぽく見えます。
キアシナガバチ1.JPGキアシナガバチ巣.JPGキアシナガバチ触角.JPG
キアシナガバチです。撮影は5月。大きかったので越冬を終えた女王蜂です。中、取りためてあったキアシナガバチの巣の写真です。これはまだ小さな巣です。下、巣を作っていた別個体のキアシナガバチの触角。上から見ると先端が黄色で、触角には黒い部分が多く見えます。かなり接近して接写しましたが、威嚇してきませんでした。十分な注意が必要なのは言うまでもありませんが、女王蜂は大人しいのかも知れません。でも刺されたら大変なので接写はお勧めしません。
★セグロアシナガバチ スズメバチ科。体長21〜26ミリと日本国内のアシナガバチの中では日本最大の大きさを誇ります。黒い字に黄褐色の模様のあるアシナガバチ。胸背部には1対の黄褐色の線が見えます。翅は黄色を帯びた暗色をしています。毒性は強く、アナフェラキシーショックを起こし死亡することもあるそうです。雄のセグロアシナガバチは刺しません。雄と雌では触角の先端に違いが見られます。雄の触角の色は暗色をして、先端部が細く尖っています。雌の触角の先端は丸味のある形をしていて、触角の色は黄色をしています。また雄には黒化型がでることが知られています。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州、奄美大島。平地から低山地に生息しています。樹の枝や人家の軒下等、人家周辺にも巣を作り都市部でも見ることができるアシナガバチです。巣は大きくなります。セグロアシナガバチの巣は背面がそり上がっています。成虫の餌は花の蜜や樹液。幼虫は肉食性で、成虫が運んできた肉団子を食べます。肉団子はチョウやガの幼虫でできています。捕らえた場所でかみ砕き、肉団子にして巣に運びます。セグロアシナガバチは攻撃性はやや強く、巣を刺激すると攻撃されてしまいます。人家付近に多い種類なので、人が刺されることが多い種類になります。越冬は成虫(女王蜂)で越冬します。
模様も大きさもよく似ているキアシナガバチとは触角の色に違いがあります。セグロアシナガバチの場合、触角は黄色い色をしています。雄の場合は触角の色は暗色をしています。背部の模様も違っていて、前伸腹節(腹部側の節)に黄斑はないので、背面は全体的に黒っぽく見えます。名前の通りキアシナガバチと比べると背面は黒い部分が多く、黒っぽく見える特徴があります。
セグロアシナガバチ雌.JPG
上、雌のセグロアシナガバチです。スズメバチ科らしい黒と黄褐色の迫力のある模様には、身の危険を感じさせる迫力があります。今回は思い切って接写して見ました。セグロスズメバチは巣に近づかないと意外と攻撃性は弱いです。とはいえ、どのような行動にでるかは予測不能なので刺されたら大変です。このような撮影はお勧めしません。
★キボシアシナガバチ スズメバチ科。体長は14〜18ミリ。キボシと名前にあるのですが、体の黄色は目立たないで、暗い色の体をした黒っぽく見えるアシナガバチです。キボシアシナガバチの巣には特徴があって、巣の蓋が鮮やかな黄色であることが特徴になります。黄色い蓋がかぶっている巣は綺麗に見えます。普通は大型の巣は少ないのですが、巣が大きいものでは巣の上面は反り返っています。巣は林などの樹に作られますが、人家付近にも作ることがあります。出現は4〜10月。分布は北海道、本州四国、九州。腹部の帯は黄色くない。ガの幼虫を餌にします。キボシアシナガバチはコアシナガバチとよく似ていて、良く見ないと同じに見えてしまいます。
キボシアシナガバチ.JPG
まだ巣作りを初めて間もないキボシアシナガバチです。コナラの枝に巣を作っていました。
★コアシナガバチ スズメバチ科。体長11〜17ミリと小型で個体数が多い普通種のアシナガバチです。コアシナガバチの特徴は黒っぽく見える地色をしていて腹部に茶褐色の帯があることです。腹部の第1節、第3節、第4節の紋は黄色い色をしています。上(胸部側)から2番目の横線は茶褐色をしています。よく似ているキボシアシナガバチの場合は、黄色くありません。巣は同じ方向に反り返って伸びあがる様に大きくなっていきます。反り返った形の巣を作ることがコアシナガバチの巣の特徴になります。巣の蓋は白い色をしています。コアシナガバチの巣は大型になることも知られています。攻撃性はやや強く巣を刺激されると攻撃されます。出現は4〜11月。分布は北海道、本州四国、九州、沖縄。山地性のハチで森や林、草原に多く巣を作りますが適応力があり、下草のような低い場所から背の低い樹の枝、生垣などの庭木や人家近くの構造物、人家の雨どいなどにも巣を作ります。都心部や市街地でも多く見れる小型のアシナガバチになります。成虫の餌はガの幼虫など他の昆虫や花の蜜、樹液も吸います。肉団子を作って幼虫の餌として巣に運びます。雄と雌の区別は雄は体が雌よりも小さく、背中の黄色く見える斑紋も雄では小さく目立ちません。触角は雄では触角の先端が尖って曲がって見えます。雄は8〜10月に現れます。雄雌ともに腹部の斑紋には個体差が出るようです。越冬は女王蜂(雌)が樹皮の割れ目、枯れ木にできた隙間や割れ目などに潜り込んで越冬します。
コアシナガバチ雄.JPGコアシナガバチ雄の触角.JPG
コアシナガバチの雄です。雌よりも小さく黒っぽく見えます。下はコアシナガバチの雄の触角です(同1個体)かなり接近しての接写でしたが、何とか撮影できました。
アシナガバチの仲間は今までは怖かったのでスルーしていたのですが、他の写真も撮れたら追加したいと思っています。
posted by クラマ at 14:27| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

ミツバ(三つ葉)、ウマノミツバ、カラスビシャク。山菜狩りの前に、知っておいた方が良い葉の形が似た植物です。

山菜としても野菜としても良く知られている植物にミツバ(三つ葉)があります。山地や低地の林縁、林床、草原に自生しています。春の味覚として山菜狩りの獲物として採取する方もいると思います。ミツバ(三つ葉)にはよく似た植物もあるので、これから山菜狩りをしようと思っている方には、注意が必要になります。ウマノミツバは毒性はない様なのですが、食用に適さない不味い植物のようなので、知っていれば無駄な労力を使わなくて済みます。当方の観察エリアでは混在して生えている場所もあります。最も当方観察エリアは公園で、しかも生えている場所は道の脇なので、犬の〇〇を気にしたら見向きもされないと思います。カラスビシャクの葉も3葉であることから、間違われてしまう可能性もあると思います。カラスビシャクは毒成分を含んでいて、葉や花など食べると中毒してしまいます。カラスビシャクに似た植物にはオオハンゲというサトイモ科の植物もあります。スーパー等で売っているミツバをじっくり観察したら間違うことはないと思うのですが、これら似た植物の違いは知っていても損はないと思います。ミツバは日陰のやや湿り気のある場所を好みます。日の当たる場所に生えているミツバは背が低く、色が濃く、苦みや香りなどの成分が強くなります。ミツバ(三つ葉)とミツバに似ているウマノミツバ、カラスビシャクを調べてみました。
★ミツバ(三つ葉) セリ科ミツバ属の多年草。日本原産。名前の由来は、単純に葉が3つに分かれているからのようです。やや湿った半日陰を好み、山野にも普通に見ることができます。野菜としてスーパーでもおなじみです。広く食べられているので、知らない人は少ないと思います。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。花期は6〜7月で、5弁花の白い小さな目立たない花を咲かせます。ミツバは茎が長く直立します。草丈は30〜80センチにもなります。日向に生えるミツバは茎が短く、苦みや香りが強くなります。葉の形は卵形〜楕円に見える卵形で先が尖っています。葉は3葉。小葉は重鋸歯になっています。ミツバには小葉の切れ込みが深いウマノミツバがあります。ウマノミツバは食用にしません。ウマノミツバには毒性はないようですが、食べるとかなり不味いそうです。若いうちは特に葉の切れ込みの弱い葉などがあるので、ミツバとの誤食はかなりあると思います。中毒の記事は新聞等で見かけないので、毒に関してはあるのかないのか分かりません。ウマノミツバの葉は3〜5枚に見え、混在して生えていることもあります。流通しているミツバより、野生のミツバの方が葉の幅が広く大きくなります。
ミツバ野生種1.JPGミツバ野生種2.JPGミツバ庭.JPG
上2枚は野生のミツバです。1番上は草原に生えたいたミツバです。2枚目は竹林の脇に生えていたミツバで、茎が立ち上がる前の状態です。1番下は民家の塀沿いにびっしりと生えていたものです。栄養状態が良いのか、すでに草丈も高く葉も大きく立派でした。
★ウマノミツバ セリ科ウマノミツバ属の多年草。花期は7〜9月。直立して草丈は3〜80センチ程になります。分布は北海道、本州。山菜のミツバに似ていて、山地の林縁や林床に普通に生えています。時に混成して生えています。小葉は5枚が普通ですが、春先の新葉や茎の上部の葉は3枚に見えるものもあるので、山菜狩りをしていた場合、慣れないとミツバとの誤食に注意が必要だと思います。間違って食べても毒性はないようですが、ミツバと違いとても不味い植物のようなので、知っておいた方が良いと思います。葉は脈の部分が凹んでいるので、ミツバより葉の表面が凸凹して見えます。葉の切れ込みが深いことも特徴です。若いツヤのある新葉は美味しそうに見えました。騙されて食べたことのある方もいるのではないのかと思います。
ウマノミツバ1.JPGウマノミツバ2.JPG
ウマノミツバです。上は葉が5枚に見える葉です。これは基本の葉の形になります。注意してミツバと比べると葉の形が違うことが分かりますが、下の若い葉などは3枚の小葉のミツバに似て見えるものもあります。この場合(3枚に見える葉)だと良く似て見えるので、慣れていないと間違ってしまいそうですね。ミツバと比べると葉の切れ込みが深く、葉脈が深いことが分かります。
★カラスビシャク サトイモ科ハンゲ属。別名ハンゲ。有毒植物。単子葉植物の多年草。草丈20〜40センチ。葉は先のとがった長楕円形。葉は形の整った3小葉。葉の付け根にムカゴを付けます。花期は5〜7月。花に見えるのは苞で仏炎苞と呼ばれるものです。仏炎苞は小さなヒシャクに似ている形をしていることから、カラスが使うに丁度よい大きさとして、カラスビシャクの名がついたようです。花茎は直立し、葉より高く、上の方に咲きます。地下に1センチほどの球茎があり、ここから長い茎のある葉を出します。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。畑や林縁、道端に自生しています。細長くこじんまりとした仏炎苞は可愛く見えます。仏炎苞が見えないとカラスビシャクが生えていることに気が付かないことが多いです。苞を付けていないカラスビシャクの葉はミツバに似て見えますので、誤食しないように注意が必要です。観察していると、葉は長細く見える形や丸みのある葉などが混ざっています。ほとんどが長細く見える葉を持った1群もあります。葉の形には変異が出やすいように思いました。
カラスビシャク葉.JPGカラスビシャク苞.JPG
上、カラスビシャクの葉です。写真からも、よく見ると葉の形には違いが見えると思います。下、花(仏炎苞と呼ばれています)です。仏炎苞は上に伸びているのですが、写真では横向きにして写してあります。個性的なカラスビシャクの花は、見慣れてくると可愛く思えてきます。
よく似たオオハンゲも調べてみました。当方はまだ見たことが無い植物になります。オオハンゲはサトイモ科の単子葉植物の多年草で日本固有種のようです。山地の日陰に自生していて、葉柄は長く葉は3深裂で側裂片は非対称になっているようです。花軸は基部も緑色で葉の深裂基部はつながっているようです。草丈40〜60センチ。3深裂の単葉はカラスビシャクよりも大きいようです。カラスビシャクとの違いは、葉の付け根にムカゴができないことになるようです。花期は6〜8月でカラスビシャクに似た仏炎苞を付けるそうです。分布は本州(福井県、岐阜県以西)、四国、九州、沖縄。山地の常緑樹林の林床に生えているようです。
林縁や草原を探してみるとミツバの野生種は意外と普通に見つけることができました。ウマノミツバに至っては、かなりの広範囲に自生していることが分かりました。
posted by クラマ at 20:42| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月21日

エゴノキとエゴノキにできる虫こぶ(ゴール)エゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシ。

エゴノキは5〜6月に枝いっぱいに鈴なりに小さな香りのよい花をぶら下げて咲きます。エゴノキは山野に普通に自生している樹木です。花数が多く香りも良いうえに、園芸品種も多くあることから、庭木や公園でも普通に見ることができます。エゴノキの花にはかすかに匂う良い香りがあって、昆虫が沢山集まってきます。花に集まってくる昆虫を探すのも面白いです。エゴノキは少し変わっていて、同じ木でも花の花弁の枚数が4〜7枚あるものが有ったりします。花の咲くころの緑色の葉も綺麗で、さわやかな5月に似合う樹木になっていると思います。花が咲いているエゴノキは簡単に見つけることができるので、可愛い花と香りを楽しむことをお勧めします。花が終わってしまうと葉の緑が自然に溶け込んで、周りの樹木と見分けがつかなくなってしまう地味な1面もあります。花が終わった後のエゴノキでは、虫こぶ(ゴール)を探すと面白いです。虫こぶ(ゴール)を観察できるかもしれないので、花の咲いている時期に樹のある場所を覚えておくと良いかも知れません。エゴノキを観察していたら、虫こぶ(ゴール)を見つけました。エゴノキにできるゴール、 エゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシの2種類です。エゴノキは虫こぶ(ゴール)のできやすい樹としても知られています。ピンク色の花を咲かせるベニガクエゴノキとエゴノキとエゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシの種類の虫こぶ(ゴール)を調べてみました。成長の段階を追った写真を追加しました。
★エゴノキ エゴノキ科。別名チシャノキ、ロクロギ。日本原産の落葉高木。高さは7〜8メートル。幹の色は暗褐色。変種にはホソバエゴノキ、テリハエゴノキ、ベニガクエゴノキなどがあります。ベニガクエゴノキは紅色が強く蕚の部分が濃いピンク色をしています。エゴノキの名前の由来は実がエゴいことからきているそうです。実は有毒で食べてはいけません。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。日当たりの良いやや湿気のある場所を好みます。林内、林縁、雑木林に普通に自生しています。園芸品種も多く出ていて庭木、公園樹としても良く使われています。花期は5〜6月。花数が多く華やかです。小枝の先に下向きに並んだように咲きます。エゴノキの花は柄が長く、香りのよい白い花を咲かせます。花弁は普通5弁が多いのですが、4〜6枚のものもあります。木の個性や同じ木でも花弁の枚数の違う花が出ていることもあります。花には10本の黄色い雄しべがあります。花は香りが良くハチ類やヒラタハナムグリなどが集まります。葉は互生で長さは4〜8センチの卵形をしていて、先が尖っています。葉の縁には鋸歯があります。秋にできる実は卵形で可愛い形でつり下がって実ります。果実の皮には有毒成分のエゴサポニンという成分を含むそうです。昔はこの毒性を利用して魚を取っていた時期がありましたが、現在ではエゴノキの毒を使った漁法は使用禁止になっています。エゴノキは挿し木、接ぎ木で増やすことができます。エゴノキにはよく似たハクウンボクガあります。花柄が長く、花がつり下がって見えるエゴノキに対して、ハクウンボクのン花の花柄はとても短いことで区別することができます。
園芸品種には色々あります。品種の特徴を調べてみました。ピンクチャイムはピンク色の花が咲きます。シダレエゴノキは枝が枝垂れているエゴノキです。エメラルドパゴダはオオバエゴノキの直立性の品種です。他にも多くの種類があります。探せば気に入った種類のエゴノキを見つけることができると思います。
エゴノキ花.JPGエゴノキ実.JPG
同じ樹に花弁の数が4枚と5枚の花が咲いていました。もっと探せば6枚の花弁の花も見つかるかも知れません。遠くからでも目立つ白い清楚な可愛い花を咲かせています。花が開く前の蕾は卵型で色も形も可愛いです。花にはヒラタハナムグリや花に集まるハチが飛来していました。下は若い実です。柄が長く卵型で可愛い実がぶら下がって付きます。
★ベニガクエゴノキ エゴノキ科の落葉高木。高さは2〜7メートル。自生種とも園芸品種ともいわれていますが園芸品種として通っています。もともと自生していたものと、品種として作ったものの両方が有るのかも知れません。花は濃いピンク色で、甘い香りがします。花弁は4〜6枚。花には10本の黄色い雄しべがあります。蕚と花柄が紅色(赤い)エゴノキ。葉は互生。長さは4〜8センチの卵形で先が尖っています。縁には鋸歯があります。果実は10月。灰白色の卵形の実を付けます。
ベニガクエゴノキ1.JPGベニガクエゴノキ2.JPG
遠くからでは、真っ白い花のエゴノキ程は目立ちませんが、近くで見るとベニガクエゴノキの花もピンク色が綺麗に見えます。名前の由来の花の蕚と柄は紅色に見えます。下は花を下から覗き込んだものです。雄しべの数は10本あります。
エゴノキで見つけた、エゴノキの虫こぶ(ゴール)エゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシ。
★エゴノネコアシ 作成者エゴノネコアシアブラムシ。エゴノネコアシは4〜5月に初期の形成が始まります。枝先に花の蕾に似た形の初期の虫こぶ(ゴール)が形成されます。花が咲いているのに遅れて後から咲きだす花の蕾か何かにも見えてしまいますが、やがてネコアシ(猫脚)と名前がついているように、猫の脚にも似て見えるような形になります。さらに成長すると果実やバナナの房のように見える形になります。6〜7月頃、薄い黄色になると先端の脱出孔からエゴノネコアシアブラムシが脱出して(有翅アブラムシ)イネ科のアシボソに移動します。エゴノキの近くにアシボソが生えていたら、エゴのネコアシが形成される確率がかなり高くなります。脱出した後のエゴノネコアシは地面に落下しているので、脱出孔の様子などを観察することができます。
エゴノネコアシ1.JPGエゴノネコアシ2.JPG
エゴノネコアシです。上はエゴノキで見つけたもので横から見た所です。下はベニガクエゴノキで見つけたもので、前から見た所です。まだ初期の段階のエゴノネコアシになります。どちらの種類のエゴノキにもエゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシはできていました。この両種の樹下にはアシボソが生えていました。
エゴノネコアシ追加1.JPGエゴノネコアシ追加.JPGエゴノネコアシ追加B1.JPG
上、少し大きくなってきたエゴノネコアシを追加しました。まるで花の蕾が膨らんできたように見えます。房になっている部分の形は長細く見えるものもあります。大きさと形には若干の差が見られます。
エゴノネコアシB追加3.JPGエゴノネコアシB追加2.JPGエゴノネコアシ空.JPGエゴノネコアシアブラムシ.JPG
観察していると、エゴノネコアシの色は黄色っぽくなるものと緑色のままのものがあることが分かりました。また房(袋状になっている部分)も丸みのありものと長細いものがありました。上の写真のエゴノネコアシは薄い黄色に見えます。できていたのはベニガクエゴノキです。上2枚は同じものです。角度を変えて見たものです。3枚目は別の場所のエゴノキの樹下で見つけたものです。沢山落ちていました。大きさの目安に下にメジャーを置いてみました。袋の先端にはエゴノネコアシアブラムシが出て行った脱出孔が見えています。下、写真を追加しました。エゴノキに付いていたエゴノネコアシの袋の中のエゴノネコアシアブラムシです。脱出孔がまだ空いていない袋を破って撮影しました。中は白い粉でいっぱいになっていました。よく見るとその白い粉が動いています。接写して見ると白い粉を被った大きい体のものと小さなサイズの体をしたエゴノネコアシアブラムシが集団でたくさん入っていました。
★エゴノキハヒラタマルフシ 作成者エゴタマバエ タマバエ科。4〜5月に初期の形成が始まります。扁平で薄い緑色をしています。葉の表と裏の両面が盛り上がります。初期では中央が窪んで見えます。
エゴノキハヒラタマルフシ.JPGエゴノキハヒラタマルフシ葉裏.JPG
エゴノキハヒラタマルフシです。上はエゴノキの葉に沢山出来ていたものを選びました。葉の表側の写真になります。下は葉の裏側のエゴノキハヒラタマルフシです。中央が凹んで見えます。この写真のエゴノキハヒラタマルフシはまだ初期の段階のものになります。
エゴノキハヒラタマルフシB追加1.JPGエゴノキハヒラタマルフシB追加2.JPG
エゴノキハヒラタマルフシの成長したものです。上は葉の表側です。葉の表面に見える部分は大きくなったものの、形に大きな変化は見られません。色は黄色が濃くなっています。下は葉の裏側から見たものです。球形に成長しています。果実のモモの実に似て見えます。可愛い形に膨らみました。色は初期の緑色からかなり白い色になっています。表面は淡いピンク色や淡い紅色がさして見えます。撮影は6月で初期のエゴノキハヒラタマルフシの写真と同じ樹にできていたものです。
他の種類のエゴノキにできる虫こぶも見つけることができましたら、合わせて追加したいと思っています。
posted by クラマ at 13:37| Comment(0) | 虫こぶ(ゴール) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする