2016年05月27日

ドクダミ。臭いだけではなく園芸品種もある日本のハーブです。ドクダミを観察して見ました。

ドクダミは人家周辺でも普通に良く見られる臭い匂いの雑草として知られています。梅雨前頃からドクダミは通常は白い4枚の花びらに見える花を咲かせますが、花には変異があって探してみると3〜6枚の花びらに見えるものもあります。ドクダミの花もよく見ると意外と綺麗な花になります。正確には白い花びらに見える部分は苞と呼ばれ蕾を包んでいた葉になります。個々の苞を苞片と呼び、花序全体を包む苞を総苞と呼んでいます。中央にある穂状で黄色く見える部分が本当の花になります。ドクダミは日本、中国、ヒマラヤ、タイワン、東南アジアを原産としている多年草の植物です。日本では食べるためのハーブとしては使われていませんが、タイや中国では食用にされています。もっとも東南アジアのドクダミは、日本に生えているドクダミより匂いなどがマイルドなようです。日本のドクダミも油いためやテンプラにして食べることもできるようです。名前にドクの文字が付いていますが、ドクダミには毒がありません。名前の由来は諸説あるようです。何らかの毒がたまっているような匂いを傷ついたドクダミが出すことから毒をため込んでいるのではないのかと思われて、「毒溜」から「ドクダミ」となったという説もあります。1般的には独特な不快なドクダミの匂いを嫌う人が多いので、あまり好んで食用にはされていません。食べるには慣れが必要なようですが、ハーブティーとしてドクダミ茶を飲む人は多いようです。生薬として飲まれることが多く、生薬名はジュウヤク(十薬、重薬)と呼ばれるようです。漢方薬としての効力は強く、ダントツに1番効く漢方薬であると専門家のお方に教えていただいたことがあります。ドクダミの強烈な匂いは、タイ料理に使われるパクチーに似ているといわれることから、パクチーというと酷く臭いイメージを持ちがちになりますが、パクチーとコリアンダーは同じもので、呼び名が違うだけになります。いつの間にか刷り込まれて、パクチーの方がコリアンダーより臭いと思ってしまっている人もいるのではないのかと思います。コリアンダー(パクチー)はセリ科でドクダミはドクダミ科になります。ドクダミ茶の注意点としては、ドクダミはカリウムを多く含む植物になり、カリウム量はウコン茶の2倍程になるようです。飲みすぎに注意が必要な訳になります。ドクダミの副作用も認められているので、ドクダミ茶等の飲みすぎには注意した方が良いようです。副作用としては、高カリウム血症。肝機能のGOT、GPTの上昇があります。このことは生薬として利用する場合、知っておいた方が良いと思います。また、カリウムを多く含んでいるという特性から、福島の放射能事故により山菜、野草を取らない、食べない方が良い地域での採取は控えた方が良いと思います。放射性物質のセシウムは構造がカリウムに似ているため、ドクダミが育つための栄養として多く取り入れてしまっている可能性があるからです。このことから自分で育てるという選択も出てきます。日本に自生しているドクダミは3倍体で単為生殖して増える植物です。このことが強い繁殖力の秘密にもなっています。株を引っこ抜いて育てれば根が付く可能性が高いです。根だけでも根付くと思います。何しろ丈夫な草なのです。ドクダミは、やや湿り気の有る半日陰を好む植物です。3倍体になるためには2倍体と4倍体の交配が必要なことから、もとにあった2倍体や、4倍体は自分で繁殖できる3倍体に負けてしまったようです。そのことは日本のドクダミが3倍体であることから推測することができます。探せばどこかにひっそりと貴重な2倍体のドクダミが有るかも知れません。
ドクダミにも何種類かがあります。8重咲のヤエノドクダミはドクダミの品種です。8重咲のドクダミはもとは野生種の変異種だったようです。それを園芸品種として改良したものが、現在の8重咲のヤエノドクダミ(ヤエドクダミ)と呼ばれる種類になったようです。園芸品種として葉の色が美しい、斑入りの種類としてゴシキドクダミ(五色ドクダミ)があります。ゴシキドクダミは江戸時代にヨーロッパに渡り、カメレオンという名前で日本に観賞用として再び戻ってきた種類のようです。カメレオンはアンチドーテ・トリカラーと呼ばれることもあるようです。ゴシキドクダミはそのため別名として、カメレオン、トリカラーと呼ばれることもあるようです。ドクダミはヨーロッパでは教会に植えられて十字架に似た形に見える花(総苞片)を観賞するようです。ドクダミの花は4弁花に見える白い花を咲かせます。その形が十字架に似て見えることから好まれて植えられたようです。白い花びらに見える部分は総苞になります。本当の意味での花は、総苞(4枚の白い花びらに見える部分)の中央に穂状になっている薄い黄色に見える部分になりますが、この花の作りはあまり知られていません。運良く5枚と6枚の花びらに見えるドクダミの花を見つけることができました。ドクダミを調べてみました。
★ドクダミ ドクダミ科の多年草。別名、ジゴクバ、ドクダメ、生薬名としてジュウヤク(十薬、重薬)。日本のドクダミは3倍体になります。分布は北海道南部、本州、四国、九州、沖縄。人家周辺、庭の隅、道端、林縁の草地、水辺、公園の隅など。やや湿り気の有る日陰を好み普通に見つけることができます。繁殖力が強く単為生殖により種と地下茎で増えることができます。主に地下茎で増えますが、ドクダミは虫の受粉を必要としない植物で、種の発芽率は高いようです。このような強い繁殖力のため雑草としても有名な草になります。草丈は15〜40センチ。葉は互生で心形(ハート形)をしています。花期は5〜7月。白い十字の形に見える花びらは、実は葉の1部が変化した総苞片(花弁に見える白い部分です)で、総苞片は白い4枚の花弁に見えてしまいます。総苞の中心に見える淡い黄色い色をした穂のような部分が花で、花穂(かすい)と呼ばれます。小さな花が集まって咲いている訳です。この小さな花には花弁はありません。ドクダミの匂いの成分はデカノイルアセトアルデヒド。ラウリルアルデヒド、クエルシトリン。デカノイルアセトアルデヒドは抗菌作用がありますが、乾燥すると、本来持っている抗菌作用は消えてしまいます。ラウリルアルデヒドにも抗菌作用があります。クエルシトリンには消炎作用と利尿作用があります。他にドクダミにはカリウムが多く含まれていて、利尿作用があります。ドクダミは生薬として使われている有名な薬用植物ですが、素人判断は危険かもしれません。副作用として、高カリウム血症、肝機能のGOT、GPTの上昇があるからです。煎じ薬等の飲みすぎなど過剰な摂取は控えた方が良いかもしれません。
ドクダミ1.JPGドクダミ葉2.JPG
ドクダミの葉です。育つ日光の関係などで、多少色合いが変わって来るようです。日陰の葉は深い緑色の単色になるようです。撮影地、神奈川県横浜市。手で茎を持つと臭い匂いが手に残りますが、植物に傷をつけた汁が付いたわけではないので、数分すると嫌な臭いは消えてしまいます。
ドクダミ花.JPGドクダミ花2.JPGカメレオン花1.JPGカメレオン花2.JPG
上2枚、ドクダミの花です。普通に見られる4枚の花びら(4枚の総苞)に見える花です。花の形は十字形に見えることが特徴になっています。ドクダミの花は5月から見ることができますが、梅雨前にひっそりと咲く花も清楚で綺麗に見えます。下2枚は園芸品種のカメレオン(ゴシキドクダミ、トリカラー)の花です。臭い匂いのイメージが強いのですが、花はよく見ると可憐な可愛い花です。白い4枚の花びらに見える白い部分は総苞片になります。ドクダミの花は昆虫による受粉が必要ありません。昆虫に頼らなくても種ができる単為生殖という方法を使って繁殖しています。下の2枚の写真の株は別になります。斑入りの園芸品種カメレオンの群落の中で総苞片が5枚あり、5枚の花びらに見える花がありました。品種改良により5枚の総苞を付けやすい株か、もしくは、5枚の総苞を持ちやすくなっているのかもしれません。野生の在来種のドクダミでは、どの場所でも5枚の総苞を持つ花はほとんど見つけられません。1番下は普通の十字の形に見える花と総苞片の数が違う花が写っています。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿第3公園。
5個の総苞片を持つドクダミを探しに行ってきました。場所は神奈川県横浜市の南本宿第3園と同、こども自然公園の2か所です。結果から言うと、見つけることができました。南本宿第3園では1株のみでしたは、同じ株から5枚と7枚の総苞片を持ち5弁花と7弁花に見えるドクダミの花です。7弁花に見えたものは6個の総苞片の下にもう1枚、総苞片が出ていて7枚に見えていました。完全にドクダミの変異個体のようです。こども自然公園では3か所の群落で見つけることができました。2個所では5弁花に見えたもの(5枚の総苞を持つもの)が1つだけで、その他は普通の十字に見える形の4個の総苞の花だけでしたが、もう1か所の群落では総苞に変異の見られる株が多数見つけられました。よく見ると白く十字形に見える花がいびつで、よく見ると小さな総苞片が付いています。5枚目の総苞が小さく目立っていないだけでした。綺麗な5枚の花びらに見える5枚の総苞を持った花も数個がすぐに見つかりました。手前に有るものだけでもいくつかの株の総苞片に5枚目の総苞片が付いているという変異が見られます。見つけた時がすでに暗くなりはじめていたので、手前だけの観察になりますが、このような性質を持った株でできた群落のようです。ドクダミの総苞の数の変異はある程度の割合で起こるようです。4葉のクローバーを探すようにドクダミの花の5枚の花びら(花びらに見える物は総苞と呼ばれる葉が変化したものです)を探すのも面白いと思います。白いので4葉のクローバーを探すよりも見つけやすいです。
ドクダミ6総苞1.JPGドクダミ6総苞2.JPGドクダミ6総苞3.JPGドクダミ大池5総苞1.JPGドクダミ大池5総苞2.JPG
ドクダミの花。上3枚、5枚と6枚の花びらに見えるドクダミの花です。綺麗な6枚の花びらを持つドクダミですが、6枚の総苞の下にさらに1枚の総苞が見えます。見つけたときは7枚の花びらに見えました。上3枚の写真は同じ株のドクダミです。撮影地、神奈川県、南本宿第3公園。下2枚、5弁花に見える花です。下の2枚の写真は別の場所で撮影した別株の花になります。ドクダミも群生して花を咲かせていると、地味な花であっても花数が多いことから白い色が良く目立ちます。よく見るとそれなりに見ごたえがあります。梅雨前の花の少ない時期に、ひっそりと木陰で花を咲かせるドクダミの花を見るのも良いものです。撮影地、神奈川県こども自然公園。
ドクダミ総苞片3個.JPG
総苞片が3個の3枚の花びらに見えるドクダミの花です。見つけた株のすぐそばに3枚の花びらに見える花がもう1輪と5枚の花びらに見えるものが1輪ありました。総苞に変異を起こしやすい株はあるようです。写真を追加しました。撮影地、神奈川県横浜市。これで花びらが、3枚、4枚、5枚、6枚(7枚)に見える花の写真が取れました。
変異を起こす可能性としての1つに放射能の影響があります。放射能とドクダミの関係に付いて考察してみました。
放射線量はこども自然公園は原発事故の同年、横浜市の調査も民間の調査でもほぼ同じ測定値で問題の無い範囲内という発表がありました。影響の有る範囲は自己地点から300キロとされています。横浜市はおよそ250キロ前後の範囲になるようです。海に近い立地と八王子方面からのジェット気流のおかげで放射能の影響はかなり少なくなったようです。 私の簡易測定器での公園内の五か所の測定でも0・05マイクロシーベルト以下でした。この0・05マイクロシーベルトという数値は全国どこにでもある放射線量になります。他のお方の測定でも同じ結果で、南本宿第3公園も同様に問題はなかったようです。素人判断になりますが、成分がカリウムと似ているセシウムを栄養分と認識して、ドクダミが植物体内に取り込むことで生物濃縮していくことが考えられますが、観察した場所(公園)でのドクダミに関しては、放射能の影響はあまり受けていないようです。今回見つけたドクダミの総苞の数の変異は、栽培品種では多くあらわれ、在来種のドクダミでは発生頻度は少ないものの、普通に起こることなのかも知れません。正確にドクダミが含むセシウムを測るとなると1キロのドクダミを採取して計測しないといけなくなるので、この予想はあくまでも個人的な予想の範囲内の話になることは認識してください。
5枚の花びらに見えるドクダミの花をラッキードクダミと呼ぶそうです。ラッキードクダミは知られている存在の花でしたので、放射能の影響を受けなくても5枚の総苞片を持つドクダミの花を見つけることができるのです。上の放射能とドクダミの関係に付いての考察は、削除しないでおきます。このような可能性も考えることができるかもしれないと理解していただきたく思っています。5枚や6枚の総苞片が有るドクダミもラッキードクダミとして楽しくラッキードクダミ探しをすると、雑草で臭いイメージのドクダミの印象が良い方に変わっていくと思います。よく見るとドクダミの花も可愛いものです。ラッキードクダミという呼び名は教えていただくまでは全く知りませんでした。とても素敵な呼び名だと思います。
ドクダミ(カメレオン).JPG
園芸品種のカメレオン(トリカラー)の葉です。日本名はゴシキドクダミ(五色ドクダミ)斑入りの園芸品種です。この斑入りの色の加減も日照などによって個体差が出るようです。綺麗な葉をしているので、観葉植物として葉を楽しむことができます。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿第3公園。今まで園芸品種のドクダミが有ることをしらなかったので驚きました。初めて見た斑入りのドクダミでした。思いのほか綺麗です。臭いというイメージを捨てて花を楽しまなければいけないと思いました。ドクダミは通例群生しているのですが、写真を撮るためにポツンと生えている株を選んで撮影しました。ドクダミは漢方薬、食べられる山野草、そして園芸品種としても使われる役に立つ植物だったのですね。ドクダミから連想してしまう臭い匂いのする雑草のイメージが良い方に変わってきました。どこにでも生えているドクダミですが面白い観察ができました。
・ドクダミを自己責任で食べて見ることにしました。使ったのは春の新芽と新葉の部分。比較のために食べたことが無いパクチー(コリアンダー)を購入して、食材としてどのようなものか試してみました。まずは生で食べてみました。パクチーの匂いはドクダミとは少し違った匂いがします。広く食されているだけあって、匂いはドクダミよりマイルドです。植物体に変な苦みはありません。ドクダミは生で新芽の先の方の葉(新葉)を食べてみると、匂いから想像するほど食べられないというものではありませんでした。味としては苦味のようなものが口に残りますが、葉をバリバリ食べるのではなく、香辛料の代わりに使うためや、サラダに適量混ぜる分には全く問題ないと思いました。個人的にはパクチーよりも良いような気がします。パクチーのスープは匂いがきつくて美味しく感じませんでした。ドクダミの食べ方に油でいためるという食べ方もあることから、試しに切ったドクダミを耐熱皿にひいて、その上に何の味付けもしないひき肉を、そのままのせて電子レンジで加熱調理してみました(ドクダミとひき肉のみ)加熱中は匂いが出るのですが、加熱後の食材は臭くありません。匂いは飛んでしまうようです。新芽をつかっているので、葉と茎が解けてしまっている感じでほとんど残っていません。葉に厚さがないこともあると思いますが、パクチーの場合は溶けません。ソースをかけて食べてみた感じは、ひき肉の臭みが相殺された感じがします。匂いには匂いという発想から、さらに納豆に新芽の部分(長さ5センチで、新芽の小さい葉が2枚ついているものを茎ごと2本)を入れてかき混ぜて食べてみました。こちらも匂いが相殺されています。納豆臭が苦手な当方には新発見です。結論は、パクチーが食べられればドクダミも食べられるということです。ただし、美味しいというものではありません。ドクダミは前記したようにカリウムを多く含むので、生薬の副作用としての高カリウム血症、肝機能のGOT、GPTの上昇があるので、食べすぎは良くないと思います。個人的な感想は、使い道は香辛料として使い、積極的に食べる食材ではないという気がします。パクチーがどちらかというと苦手な味だったので、ドクダミの油いため、スープには挑戦しませんでした。園芸品種が食せるかどうかは分かりません。分からないものは食べないことが鉄則です。
★注意・興味本位で試してみたもので、決して食べることを前提として、お勧めするための記事ではありません。もし参考にして何かを作ったり、食べてみて食べられない等の不都合や、体調に変化をきたしても、当方は1切の責任は負いません。他の植物との誤食も考えられるので、くれぐれも試してみる場合は自己責任でお願いします。
posted by クラマ at 17:30| Comment(4) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月26日

アワダチソウグンバイ、ナシグンバイ、ヘクソカズラグンバイ、ツツジグンバイ、トサカグンバイ。グンバイムシの仲間は軍配に似た形をした小さな昆虫です。

グンバイムシは日本に70種以上いて、種類によって餌とする植物が違う昆虫です。とても小さい昆虫で形は戦国武将が使っていた軍配団扇(ぐんばいうちわ)の形に似ていることから、グンバイムシの名前が付いたようです。グンバイムシ科は葉に針状の口吻を差し込んで汁を吸います。ツツジグンバイ、トサカグンバイを追加して5種類のグンバイムシ、アワダチソウグンバイ、ナシグンバイ、ヘクソカズラグンバイ、ツツジグンバイ、トサカグンバイを調べてみました。アワダチソウグンバイはアワダチソウ(アキノキリンソウ)などに寄生するグンバイムシです。外来種で棘の有る奇妙な形をした小さなグンバイムシです。アワダチソウ(アキノキリンソウ)、セイタカアワダチソウなどアワダチソウの仲間の他にブタクサ、キク、ヒマワリなどにも発生します。農作物ではナス、サツマイモにも発生する害虫になっています。アワダチソウグンバイは中南米から日本に侵入した外来性の帰化昆虫で、現在は国内に完全に定着した帰化昆虫になります。初めて日本で確認されたのは兵庫県西宮市で、確認された年は平成12年(2000年4月)になります。繁殖力が強く、生息域は全国に広がっています。日本にいるグンバイムシの大きさは2〜5・5ミリと小さいので、知らない人が多い昆虫になっていますが、害虫として農作物に被害を与える種類も多くいます。グンバイムシは透き通った半透明の翅をもっていることから、英名で Lace bug と呼ばれています。アワダチソウグンバイを拡大して見ると、とんでもなくヘンテコな形と体をしています。翅の外側には棘が見えます。トゲはトゲトゲの肩パットに見える部分と翅の外側に付いています。翅は穴が開いているように見えます。この翅は半翅鞘(はんししょう)と呼ばれています。前翅が半分だけ鞘のように硬くなっている種類の昆虫を半翅目と呼んでいます。この名前の由来の特徴は、全種類に当てはまるものではなく、前翅の半分の硬くない種類も多いです。単にグンバイムシというと半翅目異翅亜目グンバイムシ科の昆虫の総称になっています。アワダチソウグンバイは市街地のヒマワリでも簡単に見つけることができるようになってきた昆虫で、繁殖力の強さには驚かされてしまいます。アワダチソウグンバイの幼虫は尖ったトゲトゲを体に付けています。幼虫は小さな体を精1杯、棘で武装して守っているのでしょう。幼虫は扁平な体つきをしています。ナシグンバイは日本在来種のグンバイムシで体長は3・0〜3・5ミリと、とやはりとても小さいです。害虫としては名前に「ナシ」と付いているよう、特にナシに被害を与える害虫です。グンバイムシは小さいので、この昆虫を知らないと気が付かれないことも多いと思います。ナシグンバイはバラ科の果実の害虫になっていますが、拡大して見ると憎めない面白い形をしていて可愛いく見える昆虫です。ヘクソカズラグンバイはヘクソカズラに寄生する外来種のグンバイムシです。現在も生息範囲を広げているようです。まだどこまで生息範囲を広げたのかは分かっていないようです。ヘクソカズラがどこにでも見られる雑草なので、餌には不自由がありません。じわじわと繁殖力を武器にして勢力を広げていくことができます。ヘクソカズラに白くすすけた葉があったら、葉の裏を見るとヘクソカズラグンバイを見つけることができます。ツツジグンバイはツツジの樹にほぼ寄生していると言われているグンバイムシです。ツツジは庭木や街路樹、公園に多く植栽されているので、ツツジグンバイは餌に困ることがなく、都市部でも十分に適応できます。ツツジの中でも特に園芸品種のツツジに好んで発生しています。観察して見ると、大きな群れを作ることはあまりないようです。探す時にはツツジの白くすすけた葉裏を探せば簡単に見つかります。トサカグンバイはアセビに多く寄生するグンバイムシです。トサカグンバイとよく似た種類にシキミグンバイとツツジグンバイがいます。グンバイムシの仲間は小さいことが残念に思える変わった形の魅力あるヘンテコ昆虫です。今回紹介する5種類のグンバイムシはアワダチソウグンバイ、ナシグンバイ、ヘクソカズラグンバイ、ツツジグンバイ、トサカグンバイです。小さくて同じように見えてしまうグンバイムシも、僅かな違いがあって見比べると面白いです。
★アワダチソウグンバイ カメムシ亜目グンバイムシ科。外来種のグンバイムシです。英名では Lace bug、 Lacebug と呼ばれています。日本では軍配団扇(ぐんばいうちわ)に似た形から名前が付けられましたが、外国では国により翅に見える特徴から名前が付いているようです。アワダチソウグンバイは中南米から侵入したき外来性の帰化昆虫です。アワダチソウグンバイの特徴は、胸部の両脇にある半円形をした大きな翼突起に棘が生えていることです。上翅の縁にも棘があります。体長は翅を含めて2〜3ミリと小さな体をしています。出現期は4〜10月。分布は本州(宮城県で確認)、四国、九州。じわじわと生息範囲を広げています。都市部でも簡単に見つけられるようになってきています。アワダチソウグンバイの寄生する植物はキク科が主になります。寄生する植物はセイタカアワダチソウ、オオアワダチソウ、アワダチソウ(アキノキリンソウ)、ブタクサが知られていますが、キク、ヒマワリ、ナス、サツマイモにも付きます。集団で寄生して注射器の針のような口吻で植物の葉から汁を吸うため、農作物に被害を与える害虫として危険視されています。関西中心に広がった昆虫で、平成12年(2000年4月)に兵庫県西宮市初めて見つかった外来種です。現在は日本に定着してしまいました。前翅には褐色の斑紋があり、翅の外縁には小さなトゲが並んで見えます。このトゲが見えることが1番の特徴になっています。また翅の後端に円型の穴あき窓のように見えるものが3個あることも特徴です。アワダチソウグンバイは成虫で越冬します。セイタカアワダチソウなどの草の根元にもぐり越冬するようです。アワダチソウグンバの幼虫は体に棘を持ち群生しています。とても小さくルーペやデジカメで拡大して見ないと、その姿を確認することはできません。
アワダチソウグンバイB1.JPGアワダチソウグンバイB2.JPGアワダチソウグンバイ拡大B3.JPGアワダチソウグンバイ比較B4.JPG
アワダチソウグンバイです。「これ、虫ですか?」と突っ込みを入れたくなります。上から2枚目のアワダチソウグンバイは色が少し違って見えた個体です。拡大して見たら頭部等を覆う膜状の翅等の1部がめくれあがっていました。翅の下に隠れている部分(体)は黒い色をしているようです。体色には翅に見える褐色の色が濃い個体と薄い個体がいるようです。3枚目、頭部の拡大写真です。なんだ、この頭は?と思ってしまうようなヘンテコな頭皮をしています。四角形に見える区画が沢山見えます。また頭の脇に見える部分(翼突起)には棘が多く生えています。拡大しないと分からないのですが、トゲトゲがびっしりと綺麗に並んでいます。この棘がどれほど役に立っているのか興味のあるところです。少しは身を守るために役に立っているのでしょう。上から見た顔は昆虫には見えません。爬虫類のように見えてしまいます。全く不思議な容姿をした昆虫です。4枚目、1円玉との比較です。成虫でこの程度の大きさしかありません。いかに小さな昆虫であるのかが分かります。この昆虫を知らないと気が付かれることは難しい大きさです。アワダチソウグンバイは繁殖力が強く、道路脇などにアワダチソウがあると簡単に見つけることができるようになりました。主となるキク科以外でも見つけることがあります。好みの植物が無い場合、他の植物に付くことがあるのかもしれません。食性は思っているよりも広いようです。撮影地、神奈川県横浜市。
アワダチソウグンバイに限らず、グンバイムシは拡大して見ると本当に姿形が変わっていて面白い昆虫です。変な昆虫の上位に入ることは間違いありませんね。アワダチソウグンバイは私的には1押しのヘンテコ昆虫です。観察すると面白いです。見つけるのは簡単で、野外ではセイタカアワダチソウを見つけるとかなりの確率で見つけられます。花壇などではヒマワリにも発生しています。かなりの数が群れて発生するので寄生される植物には災難です。この昆虫は想像以上に繁殖力が強いようです。驚いたことにナデシコ科のスイセンノウにも発生していました。白い綿毛に覆われたフェールト状の葉から良く汁を吸えるものです。
アワダチソウグンバイ・スイセンノウ追加・横側.JPG
アワダチソウグンバイを横から見た所です。写真を追加しました。上から見ると平らにしか見えないのですが、横から見ると意外と高さがあることが分かります。このアワダチソウグンバイはスイセンノウ(ナデシコ科センノウ属)の葉に発生していたものです。白い綿毛に覆われたスイセンノウの葉から良く養分を吸えるものだと感心してしまいます。
アワダチソウグンバイ追加B1.JPGアワダチソウグンバイ幼虫1.JPGアワダチソウグンバイ幼虫2.JPG
1番上、アワダチソウグンバイの色の違う成虫が写っています。この色の濃淡の違いは単なる個体差なのか、あるいは雌雄の違いなのかまでは分かりませんでした。白色の強い個体と茶色の強く見える個体が混ざって発生していました。2、3枚目はアワダチソウグンバイの幼虫です。幼虫はトゲだらけの平べったいアブラムシにも似ています。3枚目は拡大したものです。幼虫もこのような変わった容姿をしています。成虫も幼虫もかなりの個性派です。とにかく小さいので、肉眼での確認はかなり無理な大きさになります。写真から幼虫にも成虫にも色の濃淡が見て取れます。アワダチソウグンバイは住む場所によって多少の色の濃淡があるようです。撮影地、神奈川県横浜市。先の写真のアワダチソウグンバイを撮影した場所から4〜5キロ離れた所で撮影しました。こちらもセイタカアワダチソウで見つけました。恐ろしく繁殖力の強いアワダチソウグンバイは、花壇等のヒマワリの種類でも、葉を探すと比較的に簡単に見つけることができます。ヒマワリも好みのようです。近頃ではヒマワリに対するアワダチソウグンバイの被害を目にすることが多くなりました。嫌われ者の昆虫になる日もそう遠くないと思われます。
★ナシグンバイ ナシグンバイ科の在来種。扁平な体は軍配のような形をしていて、小さいのですが拡大して見ると個性的でおしゃれに見える昆虫です。この体形はグンバイムシの特徴でもあります。体長は3・0〜3・5ミリ。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州。ナシグンバイは成虫、幼虫共に葉の裏に群生して葉から汁を吸います。リンゴ、ナシ、サクラの害虫になっています。繁殖力が強く果樹の害虫として扱われていて、バラ科のサクラ、リンゴ、ナシ、モモ、ウメ、カリン、ボケ、ノイバラ等に付き成虫、幼虫共に木の葉の汁を吸います。ナシグンバイによって葉裏から吸汁された葉は、葉緑素が抜けて葉の表面が白くかすり状になって見えます。越冬は寄生する樹下の草の根際や落ち葉の下に潜り込んで成虫で越冬します。ナシグンバイ の越冬の時期は早く、8月の終わりから9月に越冬の準備をはじめます。ナシグンバイの体の特徴は、胸部の両脇にある半円形をした大きな翼突起がついていることです。それと翅の特徴が面白いです。レース状に見える小さな小窓が集まっている翅を持っていて、透明な翅には明瞭なXの字に見える紋があります。翅端は綺麗に丸くなっています。体色は褐色をしています。全体的に見ると淡黄褐色に見えます。4月から活動を始めて4〜5世代に渡り活動を続けます。果樹園等では農薬による駆除が行われるので、河川敷や公園などのソメイヨシノなどのサクラに多く見ることができます。
ナシグンバイ.JPG
上、ナシグンバイです。軍配を連想させる不思議な形をしています。翅に見える斑紋が特徴になっています。見つけたのはソメイヨシノの樹下のクワの葉の上です。越冬の準備のためにサクラの樹から降りてきたのでしょう。拡大すると面白い体をしていることが良く分かります。体の割には立派な触角をしています。小さすぎて肉眼で容姿を見ることが難しいナシグンバイですが、拡大して見ると配色もお洒落な個性的な昆虫なのです。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿公園。
★ヘクソカズラグンバイ グンバイムシ科。体長2・5〜3ミリ。1996年大阪府で初めて発見された東南アジア原産の外来種のグンバイムシです。名前にヘクソカズラ(アカネ科)の植物名がついている通りに、ヘクソカズラに寄生するグンバイムシです。ヘクソカズラグンバイがいる葉は葉緑素が抜けて汚く白い絣のように変色(白化)しています。葉の裏側をめくるとヘクソカズラグンバイが付いています。針のような口吻を使って葉から汁を吸います。1996年に大阪府で見つかって以来、急速に生息範囲を広げていきました。2008年には神奈川県、横浜市、東京都で発生が確認されました。食草が雑草のヘクソカズラなので、重要視されないことから生息範囲の拡大の記録はないものの、同じく外来種の プラタナスグンバイと同じような繁殖力で広がったものと思われています。ヘクソカズラグンバイ は特に翼突起が発達しています。外縁の部分が褐色をしていて、形は椀状をしています。翅(半翅鞘)は透明度が高く透けています。また、透明な翅には光沢があり綺麗です。グンバイムシは変わった形をしていますが、ヘクソカズラグンバイはその中でも変わって見えるヘンテコな姿をしています。写真に撮って拡大してみると面白さが分かります。ヘクソカズラがどこにでもある雑草なので、餌に事欠かない ヘクソカズラグンバイは、探せば見つかる普通種です。探すポイントは斑点状などに白化したヘクソカズラの葉です。現在も分布域を広げているようです。
上から見ると平らな軍配のような形に見えますが、正面から見ると椀状に見える翼突起と前突起が膨らんで大きく見えます。翅(レース模様に見える部分は半翅鞘っと呼ばれています)の作りはステンドグラスに例えられるように、透明で小さな小室が集まってできています。翼突起と前突起は種類によって形状が変わってきます。
ヘクソカズラグンバイ1.JPGヘクソカズラグンバイ2.JPG
上2枚(別個体)ヘクソカズラグンバイです。1番上、ヘクソカズラグンバイの翅は綺麗な透明な翅をしています。頭も透き通って見えます。下、頭胸部の拡大です。写真上が頭側です。写真では分かりにくいのですが、ヘクソカズラグンバイの触角には短い毛が生えています。前突起(頭部側にあります)と翼突起(胸部両外側にある翼状をしている膜状の部分)が膨らんでいます。ヘクソカズラグンバイの前突起は中空になっているようです。とても変わった体をしています。上の写真のヘクソカズラグンバイは同じヘクソカズラの蔓にいたものです。もう少し色の薄いものもいました。どうやら体の色には色の濃淡などの個体変異があるようです。撮影地、神奈川県海老名市。
★ツツジグンバイ グンバイムシ科。普通種の在来種。体長は4〜5ミリ程。出現は4〜10月。発生は年3〜4回ほどあるようです。半透明の翅をもち、翅には黒褐色の斑紋があります。この黒斑がツツジグンバイの特徴で、]字のように見えます。黒斑は見比べると太さや濃さなどに僅かな差が見られます。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。ツツジ科の植物に寄生するツツジの害虫です。園芸品種のツツジ科を好むので、都市部の公園や民家の庭などでも見られます。成虫・幼虫共にツツジ科に発生します。成虫、幼虫は葉裏にいて、葉の養分を吸います。ツツジグンバイに葉の養分を吸汁された葉は、かすり状になって汚れて見えます。酷い時には葉が白っぽくすすけてしまいます。白くかすれている葉が見えたら、葉裏を確認するとツツジグンバイの成虫や幼虫がいるかも知れません。越冬は卵で越冬します。卵は葉肉内に産み付けられるようです。早い時期に見られる成虫は運よく冬を超えることができた成虫のようです。ツツジグンバイに似た種類にはトサカグンバイ、シキミグンバイ、ナシグンバイなどがいます。特にトサカグンバイはよく似ています。ツツジグンバイは見つけやすく、公園や街路樹のツツジの葉を探すとかなりの確率で見つかりますが、大きな群れにはなりにくいようです。
ツツジグンバイ.JPGツツジグンバイ翅の模様.JPG
上、ツツジグンバイです。下の写真は翅の後方の拡大です。黒褐色の斑紋には濃淡や幅などに若干の個体差が見られます。透明なステンドグラスのようにも見える翅は拡大すると綺麗に見えます。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿第三公園。綺麗に管理されている公園なので、普通種ながらすぐには見つかりませんでした。
★トサカグンバイ グンバイムシ科。普通種で数も多い種類になります。アセビを探すと簡単に見つかります。葉に小さな白い点々が見え、葉が薄ぼけて見えたら寄生していると思って良いようです。体長は3〜4ミリ。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州、沖縄。成虫、幼虫共にアセビに多く寄生しますが、他種の樹、クス科、カキ科、バラ科、ツツジ科などにも寄生します。トサカグンバイが1次寄生する植物がアセビで、2次寄生する植物がクス科、カキ科、バラ科、ツツジ科などになります。園芸での被害や果樹での被害は少ないものの、害虫としての側面があるので、果樹付近にはアセビは植えない方が良いことになります。トサカグンバイの特徴は、頭部が黒いことが挙げられます。翅の斑紋の幅も頭部側では幅が広く全体的に見ても黒っぽく見えます。胸部両脇の張り出した部分は弱くなっています。トサカグンバイは大人しい他のグンバイムシと違い、かなり活発に動きます。危険を察知すると葉の裏に隠れようとします。飛んで逃げ出す個体もいます。このことから、飛翔性が強い種類になると思います。よく似ている種類にシキミグンバイがいます。寒くなると他の樹木からアセビに移動して来て産卵するそうです。越冬はアセビで卵で越冬するようです。1部の成虫は生き残って、樹皮の隙間やアセビの樹下の落ち葉などで越冬するようです。耐寒性の強い性質があると思われます。
トサカグンバイ2.JPGトサカグンバイ1.JPG
トサカグンバイです。アセビの樹で簡単に見つかります。動きが早く黒味の強い体をしています。体色に若干の個体差があるようです。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。
ついでにプラタナスグンバイを調べてみました。
★プラタナスグンバイ グンバイムシ科。2001年に愛知県で発見された外来種のグンバイムシで、2003年には大阪府、2006年には広島県、京都府、新潟県。2007年には岐阜県、三重県、福島県。2008年には群馬県、長野県からも見つかるなど、繁殖力が驚くほど強く、瞬く間に生息範囲を広げていきました。プラタナスグンバイ に吸汁された葉は斑点状に黄化〜白化してしまいます。それにより樹が汚く見えてしまいます。プラタナスは街路樹に多く利用されているので、街路樹のプラタナスなどが被害を受けました。グンバイムシの被害としてはプラタナスグンバイ による被害が1番有名かと思います。見つけて写真が撮れましたら追加したいと思っています。
グンバイムシの全体的な体の特徴等をしらべてみると、次のような特徴があることが分かりました。
・グンバイムシは翅(レース模様に見える部分は半翅鞘と呼ばれています)に特徴がでる昆虫で、翅が半透明や透明に見える種類が多くいます。レース状とかステンドグラス状などと形容される区画には、大きさの大小や形などに種類の特徴が現れます。
・前突起(頭部側にあります)と翼突起(胸部両外側にある翼状をしている膜状の部分)の形状に種類の特徴が出やすいので、種を判別するための判断材料に使うことができます。翼突起と前突起の形状を確認すると、似て見える種類でも判別がしやすくなります。
・グンバイムシは雌雄共に同じように見える体をしているので、性格には性別は交接器を確認しないと分かりません。1般的には雌は雄よりも腹部が発達しているので、雌の場合では横幅が広く見えます(小さいので肉眼での比較は無理になります。デジカメ等で撮影すると比較しやすくなります)動きは鈍い種類になります。
・グンバイムシは小さな昆虫であることと、日本では農作物に被害を与える種類はいるものの、深刻な被害を与える害虫では無いことから、あまり知られていない昆虫になっています。
どれも似たような軍配の形をした昆虫ですが、写真で見比べると小さくても個性的な面白い形の昆虫であることが分かります。もっと大きかったら人気のある昆虫になっていたかも知れません。
posted by クラマ at 13:54| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月25日

モウソウチク、キッコウチク、ホテイチク、スズコナリヒラ、コグマザサ。公園に植えられていた竹と笹を調べて見ました。

神奈川県横浜市にある南本宿第三公園には、モウソウチクの竹林があり竹を直ぐ近くで観察することができます。駐車場のない小さな規模の公園ですが、家庭菜園を中心にした農体験ゾーン、花壇を配した語らいゾーン、竹林のある自然体感ゾーンの3か所のエリアからできています。小さいながらもバランスよく配置されていて、手入れも良くされています。竹林を楽しめる公園は意外と少なく風情があってよい所です。この公園で竹や笹を探してみると5種類が植えられていました。タケ類はモウソウチク(孟宗竹)、モウソウチクのの突然変異から生まれたキッコウチク(亀甲竹)、マダケの変種のホテイチク(布袋竹)、大名竹の斑入り品種のスズコナリヒラが植えられています。笹はコグマザサが植えられていました。コグマザサは総称になっていて、詳しい分類は分かりませんでしたが、冬になると葉の縁に白い縁取りができるクマザサに似たタイプのコグマザサです。庭園やカバープランツに利用されているコグマザサの種類は主に3種類あるそうです。身近でタケ類を調べることができるので、公園内に植えられている5種類(モウソウチク、キッコウチク、ホテイチク、スズコナリヒラ、コグマザサ)を調べてみました。
★モウソウチク(孟宗竹) 別名は湖南竹、早生竹、孟宗竹。イネ科マダケ属の常緑竹類。日本最大のタケになります。中国湖南地方原産でアジアの温暖湿潤地に分布しているタケになります。日本に入ってきた時期は不明(1728年または1736年とも言われています)日本国内になるあタケでは高さ25メートル、太さ(直径)は20センチにもなります。節は1輪状でモウソウチクの特徴になっています。分布は北海道(函館以南)本州、四国、九州。高さは最大25メートルにもなります。流通量の多い最も良く知られたタケノコです。アク、エグ味がマダケのタケノコより少ないことから食用として好まれました。モウソウチクのタケノコには産毛がたくさん生えていて、毛深いという特徴があるタケノコになります。形も太さがあり立派にみえます。モウソウチクのタケノコの産地は南方系の植物だけに、福岡県、鹿児島県、熊本県が有名な産地になっています。北に行くほど稈はこぶりになって行きます。日本のタケノコ農家のタケはモウソウチクが多く、在来種のマダケに変わって植えられたようです。太く立派なタケノコが生えてくる様子は見ていて楽しくなります。日本人はタケノコが好きな民族です。タケノコを好んで食べるのは日本人特有な食文化になります。季節を楽しみ、味を楽しみ、竹林の風情を楽しむ。日本人的な感覚に合っている植物なのでしょう。
★キッコウチク(亀甲竹) イネ科マダケ属の常緑竹類。中国原産のモウソウチクの突然変異から生まれた竹。稈の下部では節が交互に斜めになって見えます。稈はの節は膨れて見えます。この形状から亀の甲羅を連想することができるので、亀甲竹と呼ばれた様です。節間は不規則に短く詰まっています。この亀甲に見える部分は地上3メートル内外になるようです。ホテイチクよりも太くなります。変種が固定化された種なので、増やすことができます。キッコウチクでできた杖はテレビで水戸黄門が使っていた杖として知られています。杖の他に床柱や花器などにも使われます。京都特産の竹材として知られています。珍しい形なので観賞用の竹として庭園などに植えられています。稀に亀甲模様の消えた先祖返りがあるようです。高さ10メートルほど。稈の太さは直径10センチ。モウソウチクの変種なのでタケノコも食べることができます。
★ホテイチク(布袋竹) 別名はコサンダケ、ゴサンチク、コサンチク。中国の長江流域原産のイネ科マダケ属の常緑竹類。マダケの変種で高さ5〜12メートル。直径2〜5センチの中型の竹になります。稈の基部から枝下までの節が不規則につまり斜めになって膨らんでいます(節間が極端に狭くなっていたりします)その形から布袋様(七福神の1人)のお腹をイメージしたようで、ホテイチクの名前が付いたようです。不規則に変異した部分から上は急に細くなる特徴があります。 ホテイチクは節が詰まっていて質も頑丈なことから釣り竿や杖として利用されています。分布(植栽地)本州、四国、九州。タケノコは食用に利用されます。ホテイチクのタケノコは細長い形をしています。無毛で味が良いそうです。表面にはゴマを振ったような模様があり、タケノコの小葉は長く見えます。
様の膨らんだ腹に見立てて付いた名前のようです。このタケノコも食べることができるようです。
★スズコナリヒラ(鈴小業平竹) 別名、フイリダイミョウチク(斑入り大名竹) イネ科トウチク属の常緑竹類。。唐竹の1種、大名竹の斑入り葉品種になります。葉は淡黄色や白色が縞で入る斑入りになり綺麗です。節は2輪状。輪の隆起は鋭角で高くなっています。稈上部の節から出る枝は込み合い下部から出る枝は2〜4本。分布は本州(関東地方以南)、四国、九州。沖縄でも植栽可能のようです。高さは3〜5メートル。直径1〜2センチ。節稈の長さは40〜60センチと長眼になります。スズコナリヒラはトウチク(唐竹)の1品種ながら、立派な別名が付いているタケです。綺麗な斑入りの葉が美しく、観賞用として人気の高い種類になります。造園や庭園に好まれるため、庭や公園などで見ることができます。観賞用としての色合いがつよいので、タケノコを食べるのかどうかは分かりませんでした。最も細い稈なので、タケノコも細いと思います。 
★コグマザサ(小隈笹) 別名、コチク、コグマ、ツユザサ。イネ科ササ属。コグマザサはクマザサの矮品の総称になっていて10種程がありますが、流通品としては2〜3種類あるようです。主にグラ ンドカバー に使われている人気のある種類になり、クマザサの様に冬には葉の縁が白く縁どられます。つまり観賞時期として1年中楽しむことができる植物になります。緑の葉と白く縁どりの有る葉の両方を楽しむことができます。背丈は10〜30センチと低く小型ですが、とても丈夫な種類になります。分布(植栽)は北海道、本州四国、九州に植栽可能なようです。
モウソウチク節2.JPGモウソウチクのタケノコ2.JPG
モウソウチクの稈(かん)の節です。1輪状になっています。稈とはタケの幹の呼び名です。下、モウソウチクのタケノコです。
ホテイチクのタケノコ.JPGホテイチク1.JPGホテイチク節1.JPGホテイチク枝.JPG
上、ホテイチクです。1枚目(上)ホテイチクのタケノコです。かなり細い形をしていました。タケノコの先にある小葉は細長いです。2枚目、ホテイチクの稈。稈の根際から上の節間が凸凹に見えています。3枚目、節は2輪状になっています。4枚目、節から出る枝は2本になっています。
スズコナリヒラ1.JPGスズコナリヒラ節.JPG
スズコナリヒラの葉と節です。葉は綺麗な斑入りになっています。稈は細く、節と節の間隔が広い竹です。下、節は2輪状。若い稈は緑色をしています。
コグマザサ1.JPGコグマザサ5月.JPG
上2枚、コグマザサの葉です。寒い時期(冬季)の葉の周辺は白く縁どられます。名前の通り小さなクマザサという感じです。下、5月の葉です。新しい緑色の葉が美しいです。青い葉の茂る時期のコグマザサも涼しげで綺麗です。季節で同じ笹なのに見た目が全く変わってしまいます。
撮影地、神奈川県横浜市、南本宿第三公園。南本宿第三公園は駐車場のない小さな規模の公園ですが、公園内にはベンチなど休む所もあるので、ゆったりと観察することができました。
posted by クラマ at 16:16| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする