2016年01月30日

ハナグモ、ワカバグモ、アズチグモ、ガザミグモ。カニグモ科のクモ4種類です。

カニグモ科のクモ4種類の紹介です。この4種類のクモ達(ハナグモ、ワカバグモ、アズチグモ、ガザミグモ)は、花や葉の上にいて獲物が来るのを待ち伏せています。小さなクモですが花や葉の上を探すと見つけることができます。カニグモ科は網を張らない徘徊性のクモになります。動きは緩慢なものが多く、カメラを近づけても怖がって逃げ出すことは少ないです。カニグモ科の特徴として体がやや平たく、脚を平面的に広げて居て、脚は長めになります。ハナグモはその名の通りに花の上によくいます。ワカバグモは花や葉の上で見ることができます。この2種類は数も多く、普通種になるので見たことのある人は多いと思います。緑色を基調とした可愛い色のクモです。アズチグモも葉の上や花にとまっていますが、雄の体色は白い色や黄白色をしている個性派です。小さいので分りにくいかも知れませんが、顔には三角形のサングラスかゴーグルつけたように見える模様があって、なかなかユニークなクモです。ガザミグモはその名前にガザミとついているように、甲殻類のガザミ(ワタリガニ)に似た姿をしています。これらカニグモ科のクモ達には愛嬌があって怖いクモのイメージが湧いてきません。カニグモ科のクモは低い草の上、花や葉の上、枝先、花の近くにいることが多く、獲物の捕らえ方は待ち伏せ型の狩りをします。個体差もあるので探して見ると面白いと思います。クモの発生は過ぎてしまいましたが、カニグモ科のハナグモ、ワカバグモ、アズチグモ、ガザミグモの4種類を調べてみました。
★ハナグモ カニグモ科。 個体数の多い普通種で、網を張らない徘徊性のクモ。長い第1歩脚、第2歩脚を使って獲物を捕らえます。ハナグモは名前のように低い草の上や花で多く見ることができます。幼体は全身緑色をしていて、幼体の時期には雌雄の区別は難しいです。脚を広げて花にとまっている所を良く見かけます。獲物は他の昆虫を待ち伏せて捕える待ち伏せ型の狩りをします。ハナグモの成体の腹背には褐色紋があります。雄の頭胸部と脚は赤褐色をしていて、第1歩脚、第2歩脚には縞模様があります。雌のハナグモの頭胸部と脚は緑色をしています。腹部の色は白っぽく見えます。ハナグモの斑紋には変異が多いです。この褐色の斑紋はドクロに見えたり、宇宙人のグレイに見えたりと様々です。紋の無い無紋型もいます。違った斑紋を持つハナグモを探すのも面白そうです。体長は、雄は3〜4ミリ。雌は6〜8ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。出現時期は4〜10月(11月)。低山地の日当たりのよい場所を好み、公園、河川敷、草原などに普通に生息しています。産卵期は6〜8月。葉を巻いた巣を作り、その中に産卵します。卵は親が保護します。ハナグモの越冬は成体で越冬します。
★ワカバグモ カニグモ科。 個体数の多い普通種で、網を張らない徘徊性のクモ。都市部から山地まで、広く生息しています。低い草の上や花で多く見ることができます。葉や花の上にいますが、主に葉の上にいて他の昆虫を待ち伏せる待ち伏せ型の狩りをします。体は縦に細長く全身が緑色をした綺麗なクモです。透き通るような緑色、綺麗な黄緑色、淡い緑色をしています。雄の成体は触肢、頭部、胸部、脚の色が桃色(ピンク色)〰赤褐色をしている(色の薄い個体もいます)ので、成熟した雄のワカバグモは頭部前方と第1脚、第2脚の付け根が赤くなる特徴から雌と区別することができます。体長は、雄7〜11ミリ。雌9〜12ミリ。 分布は北海道、本州、四国、九州。出現時期は4〜11月。越冬は成虫で越冬します。秋も深くなってくると緑色の体の色が良く目立ってきます。ワカバグモの成体の雄の赤褐色の個体は、なかなかオシャレで綺麗です。ワカバグモの名前の由来は、若葉の頃に現れる、若葉色をしたクモから来たようです。綺麗な緑色の体色は1見の価値があります。
★アズチグモ カニグモ科。網を張らない徘徊性のクモ。低い草の上や花で多く見ることができます。葉の上などで他の昆虫を待ち伏せる待ち伏せ型の狩りをします。腹部の後方が膨らんだ形をしていて、オニギリを思わせる形をしています。第1脚、第2脚が長いことも特徴になります。体色や斑紋には個体差が多く、雌は白色、黄白色などをしていて斑紋には個体差が多いです。雄は茶褐色をしています。体長は、雄2〰3ミリ。雌6〜8ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現時期は5〜9月。野山の草や低木の葉の上、公園の植え込み、人家付近などにいますが、都市部には少ない種類になります。産卵は7〜8月に行われ孵化は9月になります。越冬は幼体で越冬します。顔には三角形のサングラスやゴーグルにも見える面白い模様があります。顔をマスクで隠しているようにも見えます。アズチグモは個性的な顔をしているクモなのです。アズチグモの最も変わった所は、体の色を変化させることができることです。この色彩変化は短時間では出来ません。2〰3日をかけて行われるようです。例えば黄色い花の上では黄色い体に、白い花の上では白い体の色に色彩を変化させることができます。また紫外線の量でも色彩を変化させることができるようです。周りの紫外線の量により体色を変化させることにより、周囲の色に紛れて獲物を捕らえる(狙う)仕組みのようです。紫外線で色彩を変化させることができるクモには、このアズチグモとヒメハナグモがいます。何とも忍者っぽいクモなのです。
★ガザミグモ カニグモ科。網を張らない徘徊性のクモ。低い草の上や花の上で見ることができますが、花よりも通例、木の上や木の葉の上にいることが多いです。狩りの方法は葉の上などで他の昆虫を待ち伏せる待ち伏せ型になります。ガザミグモは第1脚、第2脚が非常に長く、脚を大きく広げて獲物となる昆虫を待ち伏せします。脚を広げたガザミグモはとても大きく見えます。このガザミグモはカニに似た姿をしています。腹部の左右両脇が大きく張り出していて台形をしています。名前に付いているガザミ(甲殻類のワタリガニ)に似ていてピッタリのネーミングになっています。ガザミグモは雌雄の体色の差がはっきりしているクモで雌雄が別種に見えてしまいます。体長は、雄4〜6ミリ。雌8・5〜12ミリ。カニグモの仲間では大型になります。雄は頭胸部と第1脚、第2脚が黒色。色が濃く光沢があります。雌は全体的に褐色(淡褐色〜褐色、赤褐色)をしています。ガザミグモの体色には個体変化があります。分布は北海道、本州、四国、九州。出現時期は4〜10月。林縁、林道、草原の木や葉の上にいる樹上生、草上性の徘徊性のクモです。越冬は成虫で行われ、樹皮の下に潜っています。
ハナグモ(無紋型)雌.jpgハナグモ2雌.jpgハナグモ追加紋の違うタイプ3.JPGハナグモ紋の違うタイプ4.JPGハナグモ雄・幼体.JPG
上4枚ハナグモの雌です。1枚目はハナグモの雌で無紋型になります。2〜4枚目、ハナグモの雌ですが紋の形がどれも微妙に違う個体です。ハナグモには紋に個体変異があり面白いです。違った紋の形をもつハナグモを見つけるのも楽しいです。個性があって見つけることが楽しくなるクモです。ハナグモは緑色に褐色の紋がある綺麗なクモで、日の当たる花の上にいることが多いので見つけやすいクモと言えます。1番下(5枚目を追加)は雄の幼体です。どうも雄の成体には縁が無いようで、なかなか見つけられません。
ワカバグモ幼体.jpgワカバグモ雌11月雌.jpgワカバグモ雄2.jpgワカバグモ追加(4月).JPG
上4枚、ワカバグモです。1枚目は幼体。2枚目11月に撮影。雌のようです。雌は卵を産んだ後は腹部が細くなってしまうので雄と非常によく似た体形になってしまいます。11月という時期を考えると雌のようです。3枚目、脚に赤い色が見えています。この赤く見える脚が雄のワカバグモの特徴になります。4枚目は4月に撮影した越冬成体です。写真を追加しました。
アズチグモ1.jpgアズチグモ2.jpg
アズチグモです。オニギリの形に似た腹部と顔面の目に部分にある三角形の模様が特徴です。
ガザミグモ雄.jpgガザミグモ雌.JPG
ガザミグモの雄と雌です。上、雄のガザミグモです。建物の壁に居ました。容姿に合った上手い名前が付いていると感心してしまいます。カニっぽく見える面白いクモです。下、ガザミグモの雌です。見ての通り、ガザミグモは雄と雌で色合いが違っています。雌は茶色っぽい体色(淡褐色〜褐色)をしています。ガザミグモは強そうな長くて太い第1歩脚、第2歩脚がひときわ目立っています。第1、第2歩脚は獲物を捕らえるために使われます。大きく広げて待ち構えていると、さらに大きく見えてきます。雌雄ともにがっしりとした体格をしている個性的なクモです。
これらのクモの他の写真が撮れましたら追加していく予定です。
posted by クラマ at 20:15| Comment(0) | 蜘蛛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月23日

モジゴケ。樹皮に線状の模様を作る地衣類です。

モジゴケは最も普通に見られる地衣類(ライケン)のモジゴケ属の1種ですが、モジゴケの呼び名はモジゴケ科の総称としても使われています。モジゴケは最も普通に見られるのですが、似た種類も多くモジゴケ属として日本には約20種類があるようです。分類はまだ明確には出来ていないようで、世界全体では約400種があるようです。地衣類は藻類と共生している生物で、モジゴケ科の共生藻は緑藻のスミレモ属になるようです。モジゴケの特徴は黒色の果殻を持ち、子器が線のように見える線状をしていることです。種類によっては星状、太い線状、細い線状、放射状、アラビア文字のように細くつながっている形状などがあります。似た物が非常に多く、判別には試薬による検査が必要になりますが、ここでは見た目の特徴から名前を推察して紹介したいと思います。見た目の判断になるので、間違っていることもあると思いますが、その際は素人ゆえご容赦ください。大まかな種類の判別のための参考としてくださればと思っています。モジゴケの仲間の多くは樹皮上に固着して発生していますが、岩上に固着する種類も知られています。地衣体は薄く、樹皮の形状により盛り上がったり、薄い膜のようになっていたりします。同じ種類でも発生している樹皮の形状(樹皮の凹凸などによる)で、見た目の雰囲気も変わってしまうことと、モジゴケ特有の黒色の線などに見える子器(リレラ)には形状に個体差があったりして、さらに判別が難しくなってしまいます。モジゴケ科の子器(黒い線に見える部分)はリレラと呼ばれています。モジゴケ科のリレラは細長かったり、分岐していたり、浮き上がって見えたりします。これらリレラの形状はモジゴケ科の特徴でもあります。モジゴケ科の判別には、この子器(リレラ)の形状が判別の1つの方法にもなっています。モジゴケ科のモジゴケ、ニセモジゴケ、ミチノクモジゴケ、ホソモジゴケ、コモジゴケ、ボンジゴケと思われる種類と、判別不明の種類を紹介させていただきます。黒い線状などの模様を持ったモジゴケの仲間は、どれも個性的な模様を持っているので、探して観察してみると面白いです。モジゴケの仲間は樹皮上を探すと意外と簡単に見つけることができます。遠目からは分からなくても、近くで見ると色々な形状の模様を見ることができるので、探すのも楽しくなってきます。コモジゴケを追加しました。似たものが多いのですが、モジゴケの仲間はリレラの形に個性があって面白いです。
★モジゴケ モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。地衣体は樹皮上に薄く張り付いていて地衣体は連続していて、円形や楕円形をしているものが多いです。地衣体にはややシワがよっています。地衣体の色は白色、淡灰色、淡緑色。子器(リレラ)は楕円形〜線形をしていて屈曲しています。子器は埋没していて地衣体からやや盛り上がっています。果殻(黒い部分)は発達していないのですが、果殻の縁は発達しており子器の縁を覆っています。果殻は底部まで炭化しません。分布は本州、四国、九州。共生している藻は緑藻のスミレモ属似なります。地衣体に見えるリレラの形状が文字のように見えることが、モジゴケの名前の由来になっているようです。最も多く見かける普通種になります。
★ニセモジゴケ モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。モジゴケに大変よく似ています。地衣体は樹皮上に薄く張り付いていて地衣体は連続しています。地衣体は円形や楕円形をしているものが多いです。子器は地衣体に埋没しています。子器(リレラ)の形状は長く線形をしています。稀に分枝しています。果殻は下部まで炭化しています。分布は本州(南西部)、四国、九州、沖縄。
★コモジゴケ モジゴケ科。モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。分布は本州、四国、九州。子器(リレラ)はやや埋没します。果殻の底部は閉じています。子器(リレラ)の長さは1〜4ミリと短いのですが、多数集まって地位体表面にあることが見て取れます。コモジゴケの特徴はリレラの幅にあって、リレラの幅が狭くなったり、広くなったりと幅に変化があることです。この特徴と名前に「コ」が付くので、子器(リレラ)が小さいモジゴケと覚えておくと、見た目のうえではモジゴケと判別しやすくなります。とはいえモジゴケと大変良く似ているので、判別の際には、ルーペなどを利用すると良いと思います。
★ミチノクモジゴケ モジゴケ科。モジゴケ科の子嚢地衣類。日本固有種で樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。地衣体は樹皮上に薄く張り付いていて地衣体は連続しています。地衣体は円形や楕円形をしているものが多いです。子器(リレラ)は地衣体から突出しています。細長く果殻は黒色をしており下部は茶褐色をしています。
★ボンジゴケ モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。分布は良く分りませんが、日本各地に生育しているようです。子器(リレラ)は黒色〜黒褐色で平坦で突出しません。果殻は発達しません。子器が地衣体から浮き出たように見えることも特徴になっています。子器は放射状に分岐しているものもあります。地衣体は小さめのようです(個人的な観察による)
モジゴケ2.jpgモジゴケ1.jpg
モジゴケです。樹皮に固着するので、樹皮の形状でも雰囲気が違って見えることがあります。上は平らな樹皮(梅)に発生していた物です。普通はもっとシワが目立ちます。下、梅の樹皮にあった別の個体の拡大したものです。
ニセモジゴケ1.jpgニセモジゴケ2.jpg
ニセモジゴケです。モジゴケと比べると子器が埋没して見えます。地衣体の形は同じです。子器の形状で判別しました。
コモジゴケ.JPGコモジゴケ拡大.JPG
上、コモジゴケです。1枚目は円形状の地位体です。横長になったりする楕円形のものも見かけます。子器(リレラ)が小さく沢山集まっている様子が見てわかると思います。下、コモジゴケのリレラの拡大です。よく見ると幅に広い部分と狭い部分があります。
ミチノクモジゴケ3.jpgミチノクモジゴケ1.jpgミチノクモジゴケ2拡大.jpg
ミチノクモジゴケです。間違っていましたらご勘弁ください。地衣体は湿り気があると濃い色が浮かび上がってきます。
ボンジゴケ.jpgボンジゴケ拡大.jpgボンジゴケ湿潤時.jpg
ボンジゴケ。2枚目は1枚目と同じ木に発生していたものです(別個体の拡大)この地衣体は茶色っぽい色をしています。3枚目、上2枚とは地衣体の色が違う個体で、湿潤時の状態を撮影したボンジゴケです。この個体の乾燥時の地衣体の色は灰白色でした。水分を含み共生藻の緑色が浮かび上がってきています。
モジゴケの1種(不明).jpg
不明のモジゴケ科の地衣体です。子器(リレラ)が放射状に見えます。子器はボンジゴケのような平坦ではありません。モジゴケの模様が違うものかもしれませんが、良く分らないので不明種とします。
モジゴケの1種ホソモジゴケ?乾燥時4.jpgモジゴケの1種ホソモジゴケ?湿潤時.jpg
これも良く分らないものです。子器は平坦。果殻は発達していません。1枚目が乾燥時、2枚目が湿潤時です。色がこのように変わってしまいます。不思議ですね。雨などで湿り気を帯びると子器が広がってきます。子器の形状は細長く平坦でした。ホソモジゴケだと思いますが、自信がないので不明種とします。ホソモジゴケを調べてみることにします。
★ホソモジゴケ モジゴケ科。モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。地衣体は樹皮上に薄く張り付いていて地衣体は連続していて、円形や楕円形をしているものが多いです。子器は細長く地衣体に埋没しているか、半埋没しています。子器は良く分岐しています。果殻は下部まで炭化していて底部は開いています。分布は本州、四国、九州。
ホソモジゴケ.jpg
ホソモジゴケです。細長い形状のリレラをしています。この形状には個体差があるようです。
モジゴケ融合体.JPG
この写真では4個の同種のモジゴケの地衣体が融合していることが見て取れます。やがて全部つながって大きな1塊になると思われます。4個の地衣体には境目がないので、モジゴケの仲間は融合しやすいのかも知れません。面白かったので追加しました。
単にモジゴケと言っても色々な種類があって、改めて地衣類の分類が難しいことを認識しました。他のモジゴケの写真が撮れましたら追加したいと思っています。
posted by クラマ at 18:57| Comment(0) | 地衣類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月21日

ピラカンサス(トキワサンザシ、ヒマラヤトキワサンザシ、タチバナモドキ)冬場に赤い実をたくさんつける植物です。

鮮やかな赤い実で知られるピラカンサスは総称になっています。本来日本には自生しない外来種で、明治から昭和の初期に日本に入ってきました。ピラカンサスはピラカンサとも呼ばれていて、トキワサンザシ、ヒマラヤトキワサンザシ、タチバナモドキの3種類が総称的にピラカンサスまたはピラカンサと呼ばれています。どの種も沢山の実をたわわに付けるので、晩秋から冬場にかけての寒く、彩の少なくなった時期には大変良く目立ちます。実の色はトキワサンザシが鮮やかな赤色。ヒマラヤトキワサンザシ(カザンデマリ、インドトキワサンザシ)が黄色から赤味を帯びたオレンジ色。タチバナモドキ(ホソバトキワサンザシ)がオレンジ色をしています。品種改良品も出回っていて、トキワサンザシにも品種改良品があって、橙色や黄色っぽい実もあることから実の色による区別は難しくなっています。これらのことを考えるとひとまとめにピラカンサスまたはピラカンサと呼ばれることもうなずけてしまいます。ヒマラヤトキワサンザシは別名、カザンデマリ、インドトキワサンザシとも呼ばれています。実には毒成分(シアン)を含んでいますが、1月下旬から2月頃には毒成分が弱くなって、鳥たちの冬場の貴重な餌になります。鳥達には多少の毒成分があっても平気なようです。実に埋め尽くされていた枝が、鳥に実を食べられて、沢山あった実が見えなくなってしまうこともあります。毒成分が強いうちは、徐々になくなっていくようです。まだ毒が有るうちは鳥にも有毒で、食べる時期と量(食べすぎ)を間違えると鳥も死んでしまうこともあるようです。この3種類は葉を調べて区別した方が判別しやすいようです。1般的にピラカンサ(ピラカンサス)というと数の多い良く見かけるトキワサンザシを指すことが多いようです。呼び名がピラカンサスと複数形になっているのは似た種類(品種)が多いことからかも知れませんね。別名もそれぞれにあるのでややこしい種類の植物になりますが、まとまって沢山の実が付くことが特徴的なので、ピラカンサスとして良く知られている植物でもあります。
★ピラカンサス(ピラカンサ) バラ科。高さ2〰5メートルの常緑低木。全草と種子に毒が有ります。日本には自生していない外来種で、明治時代から昭和初期に渡来したようです。原産地はヨーロッパ南部〜西アジア南部。主にトキワサンザシ、ヒマラヤトキワサンザシ(カザンデマリ、インドトキワサンザシ)、タチバナモドキ(ホソバトキワサンザシ)の3種の総称として呼ばれていますが、和名としてトキワサンザシを指すことが多いようです。少しアバウトな植物になっています。分布は関東以西の本州、四国、九州。庭木や公園、生垣に良く植えられます。盆栽にも使われています。鳥によって運ばれて草地、荒地、河川敷に増加しています。日当たりを好む植物ですが、成長が早く半日陰や日陰にも強いです。花は白い5弁花。開花期は5〜6月。葉は互生。葉の長さは2〰4センチ。葉の形は倒披針形から狭倒卵形。実の大きさは5〜8ミリほど。実は枝にビッシリとついています。実は10〜12月頃に鮮やかな色になります。実は年を超えても残っていて鳥の餌になっています。この木の実、鳥が食べているから大丈夫は危険です。実には毒が有るので食べないようにしましょう。毒性は2月頃になって鳥が良く食べる頃には薄くなっているようです。ピラカンサスは土壌を選ばず耐寒性、耐暑性があり丈夫な植物です。最近、鳥が食べた種によって増えている植物になります。枝には鋭いトゲがあり刺さるとかなり痛いです。トゲの形は細くて長く鋭いトゲになります。タチバナモドキはアフリカ南部、オーストラリア、ハワイ諸島で侵略的外来生物になっていて、ヒマラヤトキワサンザシ(カザンデマリ)はアフリカ南部、オーストラリアで侵略的外来生物になっています。日本では脅威を与える植物に位置しています。この3種類の葉と実の色の違いでは、トキワサンザシの実が1番鮮やかな赤色。葉には細かい鋸歯があります。ヒマラヤトキワサンザシ(カザンデマリ、インドトキワサンザシ)の実は黄色から赤味を帯びたオレンジ色。大きく丸っこい形をしています。葉には細かい鋸歯があります。タチバナモドキの実はオレンジ色。葉には鋸歯がなく、葉の裏には微毛があります。
トキワサンザシの実には黄色い実のものもあり、実の色には品種による変化があるようです。実の色だけの判別は難しくなります。正確な所、もっとたくさんの木を見る必要があると思っています。
トキワサンザシ実.jpgトキワサンザシ.jpgトキワサンザシ(ピラカンア)葉.jpg
上、ヒマラヤトキワサンザシ(カザンデマリ)たわわに実がついています。実は鮮やかな赤色で大きめです。実が密生してついているのでヒマラヤトキワサンザシで良いと思います。中、色違いのトキワサンザシ。赤と橙のかかった黄色の実がなっています。橙色っぽい実のなっている木の葉には微毛は無かったのでタチバナモドキではありません。右に映っている赤い実の葉と同じでした。実の付き方はやや隙間があります。下、トキワサンザシの葉の様子。タチバナモドキの写真も撮れたら追加する予定です。
ピラカンサスの実を食べにくる鳥には、ジョウビタキ、ムクドリ、ツグミ、ヒヨドリ、アカハラがいます。もちろん他の野鳥も食べに来ます。ムクドリなど群れを作る鳥がやってくると1週間ほどで実がなくなってしまうこともあります。写真の中段のトキワサンザシでは、橙色っぽい黄色い実のなる木から先に見事に食べられました。
posted by クラマ at 19:06| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする