2015年11月30日

シャコグモ、ヨシシャコグモ、キハダエビグモ、ヤミイロカニグモもしくはアズマカニグモ。エビグモ科とカニグモ科のクモ達です。

シャコグモ、ヨシシャコグモ、キハダエビグモ、とてもよく似ていて判別が難しいクモのヤミイロカニグモもしくはアズマカニグモを見つけました。クモの名前には甲殻類のエビ、カニ、ガザミ、ヤドカリ、シャコのように名が付いています。クモは甲殻類の形に例えて呼ばれていたりしますので、とてもユニークな名前がついています。似た物が多いクモの種類の分類をするうえで、これはなかなか面白いと思います。でもヤドカリグモのように形やイメージが全くヤドカリとは関係のないネーミングになっているクモまでいます。カニグモの名前の付いているクモは何となくカニの甲羅や脚を広げた様子がカニっぽいので、カニのイメージに重ねて見ることができると思います。今回見つけたシャコグモとヨシシャコグモは大変よく似ています。シャコグモとヨシシャコグモはエビグモ科になります。体も細長く脚を伸ばして葉にとまる特徴があるので上手いネーミングだと思います。キハダエビグモは名前についているエビのイメージよりも、姿はカニのイメージの方が近いクモで「エビかよ」と思わず突っ込みを入れたくなります。ヤミイロカニグモとアズマカニグモは判別が難しく、外見での区別は無理なほど酷似しているクモなので、今回はヤミイロカニグモかアズマカニグモのどちらかというアバウトな紹介になってしまいます。見つけた4種類のクモ、シャコグモ、ヨシシャコグモ、キハダエビグモ、ヤミイロカニグモもしくはアズマカニグモを調べてみました。
★シャコグモ エビグモ科。頭胸部、腹部が細長く体長は雄6〜8ミリ、雌8〜11ミリ。分布は本州、四国、九州。出現期は4〜10月。淡黄褐色で細長い体をしています。頭胸部と腹部背面には太い褐色の条線があります。シャコグモの腹部背面の前方と後方に4個の黒点が見えます(2対の黒点)この黒点がシャコグモの特徴になりますが、中には前方に見える2個の黒点が薄く不鮮明な個体もいます。エビグモ科の中では普通種で数も多いです。草原、林縁の草原などの葉の上にいます。巣は作りません。他の昆虫を捕える肉食で、獲物が来るのを脚を前後に伸ばしてジッと待ち伏せします。徘徊性のクモになるのですが、見かける時はいつもじっとしている事が多いクモになります。よく似たスジシャコグモは黒点の数が2個で、本州以北の高地や北海道に生息しています。ヨシシャコグモには黒点はありません。
★ヨシシャコグモ エビグモ科。頭胸部、腹部が細長く体長は6〜10ミリ。比較的に新しく見つかった種類で、詳しくは良く分りません。アシやヨシ、オギなどの生えている水辺や河川敷に生息しています。シャコグモに似ていていますが腹部背面には黒点がありません。この特徴からよく似たシャコグモと見分けることができます。ヨシシャコグモは巣を作らない徘徊性のクモですが、葉などの上で脚を前後に伸ばしてジットしていることが多いです。
★キハダエビグモ エビグモ科。体長、雄4〜6ミリ。雌5〜7ミリ。雌の方が雄よりも黒っぽい体色をしています。分布は北海道、本州、四国、九州。都市部から山地まで生息範囲は広く、太い木の樹皮下を住みかにする徘徊性のクモ似なります。出現は4〜10月。4月の出現は越冬していた個体似なります。キハダエビグモは夜行性で樹木の樹皮の裏などにいる扁平な形のクモです。越冬も樹皮の裏などで行いますが、冬でも餌をとるなど暖かいと活動することが知られています。越冬は幼体、成体で行われます。キハダエビグモには大変面白い特徴があり、体の色を瞬間的に変化させることができます。体色が変化する場所は腹部後端の3分の2で、刺激により色が黒色に変わります。保護色になっている体が小さいことから分かりにくいのですが、普通種なので探せば見つけることができる種類になります。マツなどの樹皮の下に隠れることができる木が探すポイントになります。スギ、ヒノキにもいるようです。小さくてもがっしりとした体格をしたエビグモです。
★ヤミイロカニグモ カニグモ科。普通種で数も多いです。非常によく似た種類にアズマカニグモがいます。外見上の判別はかなり難しい種類になります。体の色、斑紋に個体差が多く、この両種(ヤミイロカニグモとアズマカニグモ)は外見では判断できないほどよく似たクモになります。交接器と触肢の形状に違いがありますが、体色など個体変異があることから、判別がとても難しいクモになります。ヤミイロカニグモは北海道、本州、四国、九州、沖縄。低地から山地の林縁、草むら、公園などに普通に分布しています。体長は雄5〜7ミリ。雌6〜10ミリ。草上性のクモで葉の上などにいて獲物を待ち伏せます。出現は4〜11月。産卵期は5〜6月。越冬は高齢の幼体で樹皮の裏などで越冬します。大変良く似たものがいるアズマカニグモと比べて、数的にはヤミイロカニグモの方が数が多く最も普通に見られることから、確率的にはヤミイロカニグモの可能性の方が高いようです。関東地方ではアズマカニグモも多いようです。ヤミイロカニグモの腹部背面は黒褐色で頭胸部にはやや濃色の褐色の縦帯があるようです。外見上はアズマカニグモにも似た個体があって正確には分からないようです。巣(クモの網を張らない)は作りません。どちらも草の上にいる徘徊性のクモになります。雄のヤミイロカニグモの体色は黒く、雌では色が薄く茶褐色をしています。第1脚、第2脚が太くて長く、台形をした腹部の背面には2本の白い線(横縞)が見えます(細い線を含めて数本見える個体もあります)この線が見えにくい個体もいます。雄は第1脚、第2脚の付け根が黒い色をしています。アズマカニグモは個体数は少ないようです。体長は雄4〜6ミリ。雌5〜11ミリ。大きさはほぼアズマカニグモと同じになります。
シャコグモ.jpgヨシシャコグモ.jpg
上シャコグモです。写りの良い写真が撮れたら差し替える予定です。水田脇の林縁の草の上に居ました。下、ヨシシャコグモです。葦原の脇の公園のトイレの壁に居ました。
キハダエビグモ.jpgヤミイロカニグモかアズマカニグモ.jpg
上、キハダエビグモです。拡大して見ると扁平な体をしているのですが、しっかりとした体格をしています。松の木で見つけました。下、ヤミイロカニグモもしくはアズマカニグモ。外見では私にはハッキリとした区別がつけられません。模様の特徴からヤミイロカニグモの可能性の方が高いのですが、判別に自信がなくて長らく写真をストックしていたものです。この個体は雌で腹部の背面の白い線は不明瞭になっています。撮影地はいずれも神奈川県横浜市、こども自然公園。
ヤミイロカニグモ雄.JPGヤミイロカニグモ雌.JPG
写真を追加しました。ヤミイロカニグモの雄と雌(雌の交接器は確認していないのでアズマカニグモの可能性もあり)です。上の黒い体をしている方が雄で、下の茶色い体をしている方が雌になります。雄の第1脚、第2脚には黒い色が目立ちます。雌雄共に腹部には2本の白い線が見えていて、外見的には基本の体色と斑紋をしている個体になります。雄の場合は雄の触肢の先端部に突起があるものがヤミイロカニグモで、ないものがアズマカニグモになるようです。交接器の違いは楕円形っぽく見える方がヤミイロカニグモで凸に似た形をして見える方がアズマカニグモになるようです。正確な判別は微細な違いを確認する必要が有りますね。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。


posted by クラマ at 19:37| Comment(0) | 蜘蛛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月26日

ササキリ、ホシササキリ。キリギリス科のよく似たバッタです。

ササキリもホシササキリもキリギリス科の小型のバッタで、体つきのシッカリとしたバッタです。体の色は緑色と黒っぽい色の配色をしています。共に草原に住んでいます。ササキリはいかにもキリギリス科と分る体型をしていますが、ササキリと比べるとホシササキリの方は大人しく見えます。ササキリの仲間にも似た物が多くいます。ササキリにも似た物が多くササキリ、ホシササキリ、ウスイロササキリ、オナガササキリはよく似ています。ホシササキリにある、ホシササキリとウスイロササキリの違いとなる脚の脛節に見える黒点の写真を追加しました。小型のキリギリス科のササキリ、ホシササキリを調べてみました。
★ササキリ キリギリス科。大きさは翅端まで雄が21〜24ミリ。雌が20〜28ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。成虫の出現期は8〜10月で普通種になります。年1回の発生をしますが沖縄では年2回の発生(2化性)になります。小さくてガッシリとした太い体形をしています。ササキリの仲間では太さが目立つ種類になります。色が濃く黒褐色の体に鮮やかな緑色をしています。ササキリの特徴は顎と体の側面が黒い色をしていて、後ろ脚の膝が黒いことです。竹林、草むら、林床の下草に生息していて、餌はササ等のイネ科の植物を食べます。ススキ原にも多く生息しています。葉や草の裏に潜んでいます。ササキリは暗い場所も好みます。草食性で餌は植物も食べますが、他の昆虫も食べる肉食性の面も持っています。幼虫は頭がオレンジ色で黒い体をしています。昼行性になりますが、夜間の灯火にもやってくることがあります。昼も夜も鳴いているので昼夜関係なく活動できる時間が長いのでしょう。越冬は卵で行われます。よく似た仲間にウスイロササキリがいますが、ウスイロササキリの膝は黒くありません。体色もササキリよりも色が薄くなります。黒い体色が特徴となるため判別は色を目安にすることも有効な手段になります。ササキリは見つけてもすぐに逃げられてしまい、なかなかうまく写真を撮ることができません。大変臆病な種類になります。
★ホシササキリ キリギリス科。体長20〜25ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄、小笠原諸島。成虫の出現は8〜10月。イネ科植物に多く、開けた明るい草原を住みかにしていて、草丈の低い草原を好みます。ホシササキリの特徴は、触角が非常に長く、翅の外側(腹部の脇がわ部分)に黒い斑のような模様が現れています。この模様がホシササキリの名前の由来になったようです。前肢(前脚)と中肢の脛節の基部付近には黒い黒点が見えます。ホシササキリには緑色型と褐色型が出ます。緑色の体(緑色型)に頭頂部から前胸背面に黒い線が走って見えます。雌の産卵管は短刀型でやや上を向いていて、産卵管の色は赤褐色をしています。発生は東北地方以南では年1回、関東以南は年2回、九州、沖縄では年3回の発生になります。寿命も長く3か月生きるものもいるようです。ホシササキリは都市部にも見られます。よく似たウスイロササキリには翅の部分に見られる黒い斑のような模様がありません。越冬は卵で行われます。ホシササキリはイネ科植物に卵を産み付けます。普通種で数が多い種類になります。植物もよく食べますが他の小型の昆虫の死骸も食べる肉食性の面もあります。昼間にも見ることができますが、夜行性のようです。似た種類にウスイロササキリ、オナガササキリがいます。背部と翅の色の薄いホシササキリもいますが、よく似たウスイロササキリとは脚にある黒点で見分けることができます。ウスイロササキリの前肢(前脚)と中肢の脛節の基部付近には黒い黒点はありません。ホシササキリは乾燥と高温に強いので、ウスイロササキリが生息できない場所でも生息が可能なため、都市部でも見ることができます。普通種で数も多いのですが、神奈川県でのホシササキリは局地的な分布になっているようです。
ササキリ雌.jpgササキリ雄.jpg
ササキリです。上が雌のササキリになります。赤褐色の産卵管が見えています。下が雄のササキリです。小型でもキリギリス科であることがうなずけます。ガッシリとした安定感のある体形をしていて魅力的なバッタです。撮影地、神奈川県横浜市。
ホシササキリ.jpgホシササキリ脚の黒点.JPG
ホシササキリの雌になります。見た目がササキリよりも優しい感じがする体型をしています。下、ホシササキリの脚の脛節に見られる黒点です。中肢を拡大したものです(写真を追加しました)撮影地、神奈川県横浜市。
ホシササキリの褐色型も見つけたいのですが、私の観察エリアでは数が少なく、ホシササキリを見つけることがやっとです。褐色型の個体の写真が撮れましたら追加したいと思っています。
posted by クラマ at 19:56| Comment(0) | バッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ツユムシ。草原に住む緑色の普通種のバッタです。

ツユムシは草なら外来種、在来種を問わず何でも餌にしている緑色(濃緑色)の細長く見えるバッタです。その食性の広さがあるために生息範囲が広く、自然の少なくなった都市近郊でも草が生えていたら生息可能な、最も身近にいる種類のバッタになります。生息数も多く近縁のよく似たセスジツユムシと共に普通に見られる種類になっています。ツユムシは緑色の細長い体に、折れそうに見える細くて長い後ろ脚をしています。見た目の通り強度は弱いらしく、飛び跳ねて逃げることはほとんどなく、危険を感じるとじっと身をひそめます。葉の上にいることが多いので、緑色の体を保護色に使って身を隠す戦法のようです。鳴き声は小さく、ツユムシも種類によって鳴き方は違うようですが、鳴き方の違いは私には良く分りません。昼間も鳴いているのですが、鳴く時間(頻度)は夕方から夜間の方が多いようです。日中に活発に動くようですが、夜も盛んに鳴いていたり、灯火に来ることもあるので、見つけることができる確率は高くなります。ツユムシの仲間はどれもよく似ていて、ツユムシ、セスジツユムシ、アシグロツユムシは特に似ています。葉の上にいるものを1見しただけでは区別は難しいです。近づいてそれぞれの特徴を確かめる必要が出てきます。幼虫にはまだはっきりとした特徴が表れにくいので、幼虫での区別は難しいと思います。ツユムシは慌てて逃げることが少ないので、静かに近づけば特徴を確認しやすくなります。緑色で柔らかそうな体つきをしていて細長く見えます。足も長かったらツユムシの仲間の確立が高くなります。幼虫も幼虫期から脚が細長いなど、脚の長さが特徴になっています。体が細長く見える特徴には翅の長さもあります。後翅は体長の2倍ほどあるからです。ツユムシは弱々しく見えますが、何とキリギリス科のバッタになります。ツユムシの体つきの弱々しさからすると、少し意外な感じがしてしまいます。キリギリス科のバッタには肉食性の種類も多いのですが、ツユムシは完全な草食性で性格も大人しいです。他の昆虫などの獲物を捕らえる必要がないので、脚もトゲの生えていない細い脚で十分なのでしょう。ツユムシを調べてみました。
★ツユムシ キリギリス科。体長(翅端まで入れて)33〜37ミリ。体色は緑色(濃緑色)をしています。緑色型が圧倒的に多いのですが、稀に褐色型が出るようです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。肉食性の種類がいるキリギリス科の中で、完全な草食性になります。草上性で明るい低地、山地の草原、開けた河原や林縁の明るく開けた草の上に住んでいます。草なら何でも食べるので都市部でも見られる種類になります。ツユムシは普通種で数も多く緑色のスリムな感じのバッタで、翅も足も触覚も長いという特徴があります。雄には背面に薄く不鮮明な褐色の線があります。雌の産卵管は鎌状をしています。翅にも特徴があり、翅には幅がなく細長いうえ後翅は前翅より3分の1以上突出します。後翅の長さは体長の2倍あります。触覚は体長の2・5倍と長く、脚もとても細長く弱々しく見えます。脚には肉食性のキリギリスの仲間のような鋭いトゲはありません。ツユムシは昼も夜も活動をします。昼間にも見かけますが、鳴く頻度は夜の方が多く、灯火にもくることから夜行性の性質が強いのかと思います。発生は関東以北で年1回、関東以南で年2回の発生になります。この年2回の成虫の発生を2化性と呼んでいます。この2化性の範囲は温暖化により北上すると思われています。越冬は卵で越冬します。卵は4月に孵化して6月に成虫になります(1回目)そしてこの6月に孵化したものが7月に産卵して9月に2度目の成虫が発生します。9月に成虫になった個体が生んだ卵で越冬することになります。よって2化性の個体の出現する地域のツユムシの出現期は6〜11月になります。温度さえ条件に合えば2度出現できる成長の早い種類になります。卵は植物の葉茎などに産卵されます。餌は在来種、外来種の植物を問わず何でも食べますが、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、ハギ、アカツメクサに多いようです。似た種類にアシグロツユムシ、セスジツユムシがいます。ツユムシは弱々しく見える所が可愛いく思えるバッタになります。
ツユムシ雌.jpgツユムシ顔.jpg
雌のツユムシです。1枚目、ご覧の通り細長い体の緑色のバッタです。脚を伸ばして葉にとまっている所です。脚の長さと細さが半端ないです。食べている草はジャガイモの葉です。2枚目、上から見るとエビの頭部に似て見えます。ツユムシの目は上半分が赤いことも特徴になります。上から見たエビ顔のツユムシは可愛いです。写真で分かるように体には細かい茶褐色の粒点が見えます。ツユムシはキリギリス科のバッタとは思えない華奢な体つきをしています。触覚がとても長いのですが触覚まで入れると体が細くて分かりにくくなってしまうので、画面構成上カットさせてもらいました。
アシグロツユムシとセスジツユムシの写真が撮れましたら追加したいと思います(来年になってしまいますけど)幼虫の姿も紹介したいと思っています。
posted by クラマ at 16:10| Comment(0) | バッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする