2018年06月19日

テントウムシ12種類(キイロテントウ、シロジュウシホシテントウ、ナミテントウ、ナナホシテントウ、ダンダラテントウ、ヒメアカホシテントウ、ヒメカメノコテントウ、ヤマトアザミテントウ、ルイヨウマダラテントウ、ニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウ、トホシテントウ)。どれも良く似たテントウムシ科の昆虫です。

テントウムシは似た種類が多い個性豊かな愛嬌のある昆虫です。テントウムシはテントウムシ科の昆虫の総称で、まとめてテントウムシと呼ばれています。小さくて丸くて模様の可愛い昆虫と言うイメージを持つ人が多いと思います。半球形をした面白い形から、昆虫が苦手な人でもひどく嫌われることが少ない昆虫になると思います。1般的に見て可愛いイメージがある好感の持てる昆虫で、昆虫の中の人気度ランキングを作ったら、上位に位置するのではないかと思います。テントウムシは、いざ探してみると種類が多いことに気が付きます。色々な種類のテントウムシを探すのも面白いです。テントウムシはアブラムシ類、キジラミ類、カイガラムシ類を食べる肉食性と、植物の葉を食べる草食性がいます。キイロテントウはウドンコ病の菌類を食べます。肉食性のテントウムシは害虫を食べる益虫として喜ばれます。ウドンコ病菌類を食べるキイロテントウも益虫として役に立っています。畑や菜園の野菜類の葉を食べる種類のテントウムシは、厄介な害虫として嫌われています。テントウムシの特徴として、身を守るために臭い体液を出すことも知られているので、臭い虫として嫌われることもあります。この臭い匂いのする黄色い液体は、とても苦い味をしていて、アルカロイドを成分としています。これは鳥に食べられない様にしているテントウムシの防御方法になります。1度不味いテントウムシを食べた鳥は学習して、2度と不味いテントウムシを食べようとしなくなるということです。鳥がまずいと感じるとは驚きですね。赤や黄色のテントウムシの持つ警戒色もここで最大限に発揮されてくることになるのです。鳥に対して視覚的にも忘れないような効果が生かされるという訳です。このことから、テントウムシの仲間は鳥などの動物、他の昆虫に捕捉されない外敵の少ない昆虫になっています。テントウムシは昼行性で成虫で越冬する昆虫になります。ナミテントウは集団で建物の壁などに集まることがあります。子供の頃は数百匹と言う集団も見たことがありますが、現在では大きな集団は見ることが無くなってきました。集団で越冬する種類で建物に侵入する種類のテントウムシは、不快害虫として嫌われてしまいます。成虫は丸味のある愛嬌を感じる体付きをしていますが、この半球形をした成虫に対して、幼虫は長細く体に棘を生やしたものなどがいて、この幼虫からテントウムシの成虫になると思うと、何とも不思議な感じを受けると思います。
食性としてテントウムシの仲間にはアブラムシやキジラミを食べる種類、ウドンコ病菌を食べる種類などが益虫として役に立っていることから、今後、テントウムシを使って、薬品を使わない防虫防カビをしてくれる環境にやさしいメリットが生かされていくと思います。実際に千葉大学でテントウムシの上翅(鞘翅)の会合部にテントウムシに害を与えない樹脂で接着して、飛んで逃げないようにして肉食性のテントウムシに餌として発生したアブラムシを食べさせてイチゴの苗等を守る研究をしているとテレビのニュースで放映していました。テントウムシに配慮して、接着に使う樹脂もある1定の期間で剥がれるようになっていると説明がされていました。逃げ出したところで害のない、大食漢の肉食性のテントウムシを使った害虫退治、駆除には、自然環境にも優しいとても良い方法だと思います。
似たいる種類の多いテントウムシの中でも特に難解なのは、植物を餌にするニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウ、ヤマトアザミテントウ、ルイヨウマダラテントウ、トホシテントウです。どれもよく似ていて間違い探しを探すように違いを見つけて判断しなくてはいけなくなります。個体変異で28個以下の星の数(斑紋)になるものもいるそうです。よく目にする種類としては畑や家庭菜園にいるニジュウヤホシテンやオオニジュウヤホシテントウになると思います。幼虫も似ていてどちらの幼虫も鋭そうな1見危険に見える刺(刺毛)を体に密生しています。このテントウムシの幼虫の棘には毒は無く、かぶれたり、刺さることはありません。見た目から感じるような危険性の無い幼虫になります。ナミテントウにも星(斑紋)の数が多い個体がいますが、星(斑紋)の数が多く植物の葉を食べる害虫テントウムシを別名テントウムシダマシと呼ぶことがあります。主にニジュウヤホシテン、オオニジュウヤホシテントウがテントウムシダマシと呼ばれています。詳しく種類を調べようと思ったら訳が分からなくなりそうです。種類を判別したかったら、たかがテントウムシとあなどらないで、色々な角度から写真を撮っておくと良いと思います。
・ナミテントウ、ナナホシテントウは当ブログ「ナミテントウ、ナナホシテントウ。最も知られているテントウムシです。」でも紹介していて、2度目の登場になります。ナミテントウの斑紋の違うタイプも数種類、新たに追加したので、こちらも参考にしてみてください。
テントウムシの中でも良く知られているナナホシテントウは個体数の多い普通種で、ナミテントウと共に良く目にする種類になります。
植物を食べるテントウムシ。5種類(ヤマトアザミテントウ、ルイヨウマダラテントウ、ニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウ、トホシテントウ)。草食性のテントウムシは似たものが多く、星(斑紋)の数も同じ種類などがいて見分けることが難しくなります。体には微毛があり、体色はくすんで見えます。ナナホシテントウなどの肉食性のテントウムシのような光沢はありません。
肉食性のテントウムシ。7種類(キイロテントウ、シロジュウシホシテントウ、ナミテントウ、ナナホシテントウ、ダンダラテントウ、ヒメアカホシテントウ、ヒメカメノコテントウ)を調べてみました。
・植物を食べるテントウムシの種類。
★ヤマトアザミテントウ 名前にあるようにアザミ類を餌にするテントウムシです。背中に見える斑紋(星)の数は多く28個あります。食べる食草がはっきりしている場合、良く似た種類との判別が簡単に分かります。体長は6〜9ミリ。出現は4〜10月。年1化。越冬は成虫で越冬。分布は北海道、本州(本州中部)。山地に多く生息しています。ヤマトアザミテントウは長野県では準絶滅危惧種になっています。 ルイヨウマダラテントウ、オオニジュウヤホシテントウとよく似ています。特にルイヨウマダラテントウとは酷似しています。ヤマトアザミテントウの特徴は、オオニジュウヤホシテントウよりも斑紋は大きく、上翅前縁側の斑紋は会合部で繋がり、大きな斑紋になっています。腿節は両端が飴色で広い部分が黒色をしています。腹部(腹面)は黒い部分が多く、ほぼ黒く見えるそうです。北海道にはエゾアザミテントウと言う種類もいて、当方には詳しい違いは分かりません。ヤマトアザミテントウとルイヨウマダラテントウは食草の違いから生活圏を分けているようで、両種の雑種を避ける知恵にもなっているようです。似た種類では斑紋の数まで同じになるものもいて、斑紋の数での見分けはできません。
ヤマトアザミテントウ1.JPGヤマトアザミテントウ顔2.JPG
上はヤマトアザミテントウです(写真は同1個体)。アザミが近くにある草原にいました。下で紹介するルイヨウマダラテントウとそっくりで、識別が大変困難な種類です。下のルイヨウマダラテントウと写真を見比べると若干の差があるように見えますが、外見での正確な識別は困難の様です。撮影地。神奈川県横浜市旭区。
★ルイヨウマダラテントウ 体長は6・5〜7・5ミリ程。ルイヨウマダラテントウの体にはツヤがあり地色が濃く、餌とする作物は成虫、幼虫共にナスやジャガイモ、トマトの葉などをを食害するので、畑の害虫として嫌われています。背中に見える斑紋(星)の数が多く28個あります。出現は4〜10月。分布は北海道、本州(東京から関東地方北部に多い)。神奈川県では普通種です。ルイヨウマダラテントウにも細かい分類があって大変難しいようです。神奈川県にはルイヨウマダラテントウ東京西郊型エピラクナと言うのがいます。この種は食性を変えて害虫化したようです。分布は関東地方南部から東海地方になるようです。ルイヨウマダラテントウの脚の腿節は黒い色をしています。紛らわしいことに、特徴もよく似た種類にヤマトアザミテントウがいます。外見では判別できないほど良く似ています。ヤマトアザミテントウの分布は北海道、本州で、ヤマトアザミテントウの特徴は脚の腿節が両端を除き黒い色をしていることですが、ルイヨウマダラテントウとヤマトアザミテントウの体の特徴は非常によく似ていて、外見的な判別は不可能に近いのではないのかと思います。食性に違いがあるので、餌とする植物の違い(食性)で判断することが簡単な方法の1つになります。ルイヨウマダラテントウの地色は濃く光沢があります。オオニジュウヤホシテントウモよく似ていますが、短毛が多いのでルイヨウマダラテントウの様に光沢はありません。間違いやすい種類が多いので、じっくりと観察しないといけない種類になってしまいます。越冬は成虫で越冬。
ルイヨウマダラテントウは地域個体群により食べる植物が違うなど、詳しい分類は分かりません。難解なテントウムシです。食べる植物が違うなどから細かい分類がされるかと思います。
ルイヨウマダラテントウ1。ジャガイモの葉.JPGルイヨウマダラテントウ2大腿.JPGルイヨウマダラテントウ3.JPGルイヨウマダラテントウ4裏.JPGルイヨウマダラテントウ東京西郊型エピラクナ1.JPGルイヨウマダラテントウ東京西郊型エピラクナ2.JPG
上、ルイヨウマダラテントウ東京西郊型エピラクナと思われる個体です。近くの菜園では普通に見られる種類です。上2枚(1枚目、2枚目)は同じ個体です。ジャガイモの葉を食べていました。2枚目は脚の色を見やすくしたものです。3、4枚目は別個体の2枚です。裏側(腹面)は黒く見えます。下2枚(別個体)最初の2枚とは若干、地色の色が違って見えます。地色の濃淡は普通にあるようです。撮影地。神奈川県横浜市南本宿第三公園。
★ニジュウヤホシテントウ 体長は6〜7ミリ程。出現は4〜10月。発生は年2~3回のようです。分布は本州(関東以南)、四国、九州、沖縄。ニジュウヤホシテントウの特徴は背中に見える斑紋(星)の数が多く28個あります。名前の由来にもなっている特徴ですが、個体変異により斑紋(星)の数が少ないこともあります。腿節には黒い紋が無く、体色は黄褐色〜赤褐色をしています。上翅の斑紋は小さく、灰色〜灰黄色の短毛が密生しています。前胸に見える黒い斑紋は横長に見えます。オオニジュウヤホシテントウによく似ていますがやや小さい体をしています。斑紋の大きさはオオニジュウヤホシテントウよりもニジュウヤホシテントウの方が小さくなります。神奈川県では良く見る普通種です。ニジュウヤホシテントウは成虫、幼虫共にナスやジャガイモの葉を食べる害虫として有名で、畑の嫌われ者のテントウムシです。ナス科の植物に大被害を与える昆虫として有名な害虫です。ニジュウヤホシテントウは年平均気温14度を境目にしてオオニジュウヤホシテントウとすみ分けているそうです。個体数は関東南部より南に多い種類になります。生態や色や形もオオニジュウヤホシテントウとよく似ています。成長が早く、卵(産卵)から35〜40日程で成虫になります。幼虫は白い体で基部が白く先端部は黒い色をした刺(刺毛)が生えています。この枝分かれした鋭そうに見える棘は柔らかく、毒はないので痛みを感じたり、かぶれることはありません。越冬は成虫で越冬します。
・同じ28個の星(斑紋)のあるニジュウヤホシテントウと オオニジュウヤホシテントウの見分け方。
ニジュウヤホシテントウの前胸に見える黒斑が横長に見えるのに対して、オオニジュウヤホシテントウの前胸の黒斑は縦長で目立ちます。ニジュウヤホシテントウの脚の腿節には黒い紋がありません。大きさはオオニジュウヤホシテントウの方がやや大きくなります。住み分けではオオニジュウヤホシテントウは関東地方以南では高地に、ニジュウヤホシテントウは平地に生息しています。斑紋の大きさはニジュウヤホシテントウの方が小さくなります。
ニジュウヤホシテントウ1.JPGニジュウヤホシテントウ2.JPGニジュウヤホシテントウ3.JPG
ニジュウヤホシテントウです。上2枚を比べると、やはり若干の地色の濃淡があります。斑紋の並び方に特徴が出ます。下は腹面です。脚が黄色く見える特徴があります。菜園のジャガイモの葉を食べていました。
★オオニジュウヤホシテントウ 体長は6・5〜8ミリ程で体色は黄褐色〜赤褐色。特徴は背中に見える星(斑紋)の数が多く28個。斑紋の大きさはニジュウヤホシテントウよりも大きくなっています。この特徴と斑紋の数が名前の由来にもなっています。灰黄色の短毛で覆われていて、斑紋が大きいのでニジュウヤホシテントウよりも黒っぽく見え、地色の赤味は強いです。前胸に見える黒い斑紋は縦長になっています。出現は4〜9月。発生は年1〜2回のようです。分布は北海道、本州、四国、九州。ニジュウヤホシテントウとの違いは脚と斑紋の大きさに違いが出ます。オオニジュウヤホシテントウの場合、腿節に黒い紋が見えます。斑紋の大きさはニジュウヤホシテントウよりも大きくなります。オオニジュウヤホシテントウはナス、ジャガイモ、トマト、ピーマンなどナス科の葉を食べる害虫テントウムシです。ウリ科にも発生しますが、特にナスやジャガイモに大被害を与えることで有名な害虫になっています。オオニジュウヤホシテントウは年平均気温14度を境目にしてニジュウヤホシテントウとすみ分けをしています。南方に住むオオニジュウヤホシテントウは標高の高い所に生息しています。個体数は北方に多い種類になります。成長が早く、卵から35〜40日程で成虫になります。幼虫は黄色い体で黒い棘(刺毛)が生えています。越冬は成虫で越冬しますが、幼虫でも越冬するようです。 
★トホシテントウ 体長は6〜9ミリ。トホシテントウの特徴は名前にあるように斑紋(星)の数は10個で、体表面には細かい微毛が生えています。そのことから体色にはツヤがありません。トホシテントウの斑紋は大きいです。出現は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。林縁や林に生息しています。トホシテントウは草食性のテントウムシです。餌はウリ科のカラスウリ類(カラスウリ、スズメウリ、アマチャズル等)の葉を食べます。特にカラスウリでの発生が多いようです。稀に畑のウリ科植物に付くようですが、畑の害虫として知られていないので発生は少ないようです。幼虫は橙色の体に黒い棘が生えています。越冬幼虫は5月頃に蛹にな羽化は6月。年2回の発生をします。越冬は主に幼虫で越冬しますが、少ないながらも成虫でも越冬する個体もいるようです。
・肉食性のテントウムシの種類。
★キイロテントウ 体長は3.5〜5ミリ程の小型ですがツヤのある黄色い体が綺麗なテントウムシです。キイロテントウの特徴は名前のように、上翅には斑紋が無くツヤのある鮮やかな黄色1色のテントウムシで分かりやすい種類になります。胸部(前胸部)と顔は白い色をしていて上翅(鞘翅)には黒い斑紋が1対ありますが、目の色も黒いので頭部も見えると4個の斑紋がある様に見えます。脚の色も薄い黄色をしています。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。樹木の葉にいる所を良く見かけます。餌としてキイロテントウは成虫、幼虫共に葉に発生したウドンコ病菌(ウドンコカビ科)を食べるテントウムシで、植物の病原菌を食べる益虫として貴重です。普通種で低地から山地、市街地にも生息しています。幼虫も黄色い体をしていて、マダラに黒い斑紋が並んで見えます。ナミテントウやナナホシテントウなどはキイロテントウよりも大きいので分かりやすいのですが、単に黄色い色をしたテントウムシと覚えてしまうと蛹から成虫になったばかりのテントウムシは黄色い色をしているので間違ってしまいそうです。キイロテントウは小さくても鮮やかな黄色をしていて、とても綺麗です。もっと大型のテントウムシだったら人気が出たと思います。
ウドンコ病は ウドンコカビ科の菌類が原因で発生します。キュウリ、トマト、ナスなどの野菜やクワ、ブドウ、バラなどの樹木など植物に広く発生します。キイロテントウの餌としては豊富なのですが、
殺虫剤等、農薬に弱いので、菜園などでは見つけにくい種類になっています。
キイロテントウ.JPGキイロテントウ2.JPG
キイロテントウは黄色くて可愛いテントウムシです。名前にあるように鮮やかな光沢のある黄色い色をしたテントウムシです。キイロテントウは普通種で割と見つけることができる種類ですが、群生するなど大量にいる所は見たことがありません。餌が豊富な場合、餌となるウドンコ病が発生中の樹に、沢山いるのかどうか観察してみたいところです。写真は別個体。撮影地。神奈川県横浜市南本宿第三公園。
★シロジュウシホシテントウ   光沢があって綺麗なテントウムシです。上翅(鞘翅)に14個の白い斑紋があるテントウムシです。個体変異のある種類で、基本種では紋の数は14個になります。この特徴がシロジュウシホシテントウの名前の由来にもなっています。この斑紋は綺麗な形の紋ではなく、紋の外縁はぼやけています。体長4.5〜6ミリ程。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。林縁や自然公園の背の低い樹で見かけます。肉食性でキジラミ類を食べるそうです。背の低い樹木で見かけることが多いです。基本種(普通型)のオレンジ色(黄褐色)の地色にも濃淡があるなど、個体変異があり、黒い体色に白い白斑の個体(暗色型)や、黒い12個の斑紋のある地色が淡紅色の個体(紅型)も出るようです。シロジュウシホシテントウの型は3型あることになります。基本種ではないと斑紋(星)の数も違っているので、実際に変異種を見つけると、これは何の種類だろうと迷ってしまいそうです。成虫で越冬します。
よく似たシロホシテントウの斑紋は12個。ムーアシロホシテントウの場合は前胸背板の斑紋の数がシロジュウシホシテントウと違い4個の白い小さな斑紋が並んでいます。
シロジュウシホシテントウ.JPG
上、シロジュウシホシテントウです。なかなか見つけられないでいます。個体数は少ない方かも知れません。白い斑紋が可愛いテントウムシです。
★ナミテントウ 体長4.7〜8.2ミリ。ナミテントウは体色や斑紋に個体差が多い種類です。出現は3〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。成虫、幼虫共にキジラミ、アブラムシ、カイガラムシを食べます。木に沢山発生したアブラムシも食べつくしてしまうほど食欲が旺盛です。草の葉や花よりもアブラムシ等が発生している樹木で多く見かけます。数の多い普通種で高い樹を好むテントウムシになるようです。ナミテントウは体色と斑紋に実に多くのバリエーションがあることでも知られています。そのことから似た種類がいて、ナミテントウとダンダラテントウにはよく似た模様をしたものがいます。両種は共に個体差があって斑紋の数や形に多くのバリエーションがある面白いテントウムシです。色や斑紋の形、数などが違う個体が集まっていると同じ種類とは思えない位です。ナミテントウとダンダラテントウを区別する大きな違いは触角の先端に現れます。触角の形状の違いを覚えておくと似た斑紋の個体がいても判別することができます。特にナミテントウは普通種で数も多く、地色の違いと個性豊かな斑紋の形や数の違う個体がいる事から、探すことが面白くなってくるテントウムシです。ごく普通に見られる種類なので、斑紋(模様)の違うペアのテントウムシがいたらナミテントウの可能性が強いです。
・ナミテントウとダンダラテントウの見分け方。
ナミテントウの触角の特徴は先端部が太くなっていて丸味を帯びています。ナミテントウの触角は長めで、よく似たダンダラテントウの触角の先端は尖っていて、ナミテントウの触角よりも細長く見えます。触角の長さもナミテントウの方が長く、ダンダラテントウの触角の方が短くなっています。色や斑紋が似ていてどちらか分からなくなった場合、触角の先端部をデジカメ等で撮影するなどして確認すると良いでしょう。
ナミテントウ12種用2.JPGナミテントウ12種用3.JPGナミテントウ変形6星1.JPGナミテントウ幼虫.JPG
ナミテントウは実に色々な斑紋があるお洒落なテントウムシです。雄と雌がペアになっていても同じ種類とは思えないペアもいて、見つけることが大変面白くなるテントウムシです。1番下はナミテントウの幼虫です。
★ナナホシテントウ 体長は7〜9ミリ。出現は3〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。草花の上で良く見かける種類になります。ナナホシテントウの特徴は、ツヤのある体に名前の通りに7個の斑紋(星)があることです。翅の基部(頭部に近い部分)の翅の会合部上にある黒斑は左右が合わさって1つの斑紋になっています。またこの斑紋の頭部側にはわずかに黄白色の斑紋があります。この黄白色の部分の形や大きさには僅かに変異があります。地色は赤色〜橙色で黒い斑紋の形にも変異があります。最も良く見かける個体は赤い地色をしたナナホシテントウになります。ナナホシテントウはナミテントウと共に良く知られた代表的なテントウムシになります。個人的にはナナホシテントウの星の数(斑紋)が7個だとバランスよく見えると思っています。草の根元などに潜って成虫で越冬します。暖かい日には動くことがあり、まだ寒い時期でも見ることがあります。
ナナホシテントウ食事中B12種用2.JPGナナホシテントウ頭部12種用1.JPG
ナナホシテントウです。皆様ご存知の有名なテントウムシです。上はアブラムシを食べている所です。下は頭胸部を拡大したところです。鞘翅の上部に見える白い色の部分は、個体差によりあまり目立たないものと良く目立つものがいます。地色にも個体差がでます。
★ダンダラテントウ 体長は4〜7ミリ。出現は3〜11月。普通種で良く見かけることができます。神奈川県で見かけるダンダラテントウは黒い部分が多い個体も多くいて、小さくて地味なテントウムシと言うイメージが個人的には強いです。分布は本州、四国、九州、沖縄。餌は成虫、幼虫共にアブラムシを食べる肉食性のテントウムシです。よく似たナミテントウと比べると、ダンダラテントウの触角は先端が細くみえ、先端部の膨らみは弱い特徴があります。触角は赤褐色でナミテントウよりも短いです。また上翅の外縁は反り返っています。斑紋の形や数には個体差が多くあります。体色は北に行くほど地色の黒い部分が多くなり、黒いテントウムシに見え、南に行くほど斑紋の部分の赤い部分が広くなって、赤色が目立つという変わった特徴があります。観察エリアが神奈川県なので、見つけるものの体色はほぼ黒く、赤い部分(斑紋)がとても少ない個体も多いです。黒く見える個体でも、頭部側には赤い部分がわずかに見えていることが多いです。このように地色は真っ黒くなることは珍しいのですが、極、稀に黒い個体(黒型)のダンダラテントウもいるそうです。ダンダラテントウは北に行くほど黒い個体、南に行くほど赤い部分が多い個体になる特徴があるので、両極の地域の個体を観察できたら面白いと思います。斑紋には個体差が多いので、肉眼では確認しにくいのですが、ダンダラテントウの特徴にある反り返っている上翅の外縁部を確認すると他種との比較ができます。
ダンダラテントウ1.JPGダンダラテントウ2.JPGダンダラテントウ3赤が少ない個体.JPG
ダンダラテントウです。上の個体では斑紋の赤色が見えます。中、この個体は斑紋の色は黄色味がかかっています。この斑紋の色には個体差が出ます。下は赤い色の部分が少なく黒く見える個体です。
★ヒメアカホシテントウ(別名ヒメアカボシテントウ) 体長3.5〜5ミリ程。小型で頭部は似た他種よりも盛り上がりがなく胴に潜って見えます。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州。低地から山地、都市部でも見られる普通種になるのですが、小さくて見つけにくいためなのか思ったよりも見かけません。どうやら数は多くないようです。特徴は黒いツヤのある体に1対の赤色や黄褐色の斑紋がある小型のテントウムシです。斑紋は小さくて体の中央に位置して見えます。越冬は単独で樹皮の裏などで越冬します。ヒメアカホシテントウは小さくても肉食性で、成虫、幼虫共にクワカイガラムシなどのカイガラムシ類を餌にします。クワ、モモ、アンズ、ウメ、マサキなどに付くカイガラムシ類を好むようです。餌が確保できると移動しないようです。
似たテントウムシとの比較。
ナミテントウの2紋型に似ていますが、ヒメアカホシテントウの2個の斑紋は小さく、中央に位置して見えることに対して、よく似たナミテントウの2紋型を比べると、ナミテントウの斑紋は大きく、斑紋の位置も前より(頭側側)になります。大きさもナミテントウの方がはるかに大きいことと、頭部には丸みがあってナミテントウのように頭が突き出て見えません。この特徴を比較すると簡単に判別することができます。ヒメアカホシテントウの大きさと体つきからはフタホシテントウ(体長は2・5〜3ミリ程。体格は上から見ると楕円形に見えます。1対の斑紋は中央より尾部側にあります)、アカホシテントウ(体長は6ミリで頭部は盛り上がって突出して見えます)が良く似ています。
ヒメアカホシテントウ.JPG
上、ヒメアカホシテントウは小さなテントウムシです。ヒメアカホシテントウの斑紋は小さく、上から見ると頭部は隆起して見えません。小さくて分かりずらいのですが平らに見えます。
★ヒメカメノコテントウ  体長は3・5〜5ミリ程の小型のテントウムシ。ヒメカメノコテントウは斑紋や地色に変異が多い種類になります。基本型(亀甲紋があるタイプ)、セスジ型(翅の会合部に黒い縦筋が見える個体)、全体が黒い黒化型などのヒメカメノコテントウモいます。色彩等に個体差がある小型のテントウムシです。成虫、幼虫共にアブラムシ類、キジラミ類を食べる肉食性のテントウムシです出現は3〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。普通種で草地、畑、庭、花壇などで見かけます。成虫で越冬します。ヒメカメノコテントウの鞘翅(上翅)の色や斑紋には変異が多いものの、頭部(触角の付け根)は黒く、白く見える3角形紋が対に見えます。この紋はつながっている個体もいます。胸部外縁も白く縁どられています。カメノコテントウ(体長は11〜13ミリと大型)に似た模様のものがいますが、体の大きさと頭部、胸部の斑紋の違いで見分けることができます。よく似た柄でも大きさだけ見てもカメノコテントウの半分ほどですので、大きさを覚えておくと間違えることはないと思います。変異の多い種類なので、ヒメカメノコテントウも探すと面白いと思います。カメノコテントウはオニグルミの葉につくクルミハムシを餌にすることから、当方はまだ見たことがありません。近くにオニグルミの樹もないので、機会があったら見て見たい種類になっています。
ヒメカメノコテントウ1.JPGヒメカメノコテントウ白黒の個体2.JPGヒメカメノコテントウ黒化型雌3.JPG
ヒメカメノコテントウです。ヒメカメノコテントウは基本型と呼ばれる亀甲紋が可愛いテントウムシです。このテントウムシも色の違いが面白いです。下の写真は黒化型と基本型(白と黒)のペアです。下にいる黒化型が雌です。黒化型は上2枚と同じ種類に思えない黒い色をしています。ヒメカメノコテントウの黒化型になると、単独でいると特徴になっている亀甲紋が見えないので、種類の判別は難しくなってしまいます。雌雄の判別も、テントウムシはペアになっていると雌雄が分かりますが、単独でいると外見では判別ができません。大きさの違いにも個体差が出るので難しいです。
今回写真を紹介できなかった種類は、同じように見えてしまうかも知れませんが、撮影できたら追加したいと思っています。
posted by クラマ at 17:09| Comment(0) | 昆虫・コクワガタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月11日

クロメンガタスズメ。ドクロガの別名を持つドクロに見える模様のあるガです。

クロメンガタスズメを初めて見つけました。名前の由来は胸背に見えるドクロや人面に見える斑紋を「面型」となぞらえてついた名前になるようです。このドクロや人面にも見える斑紋があることから、髑髏蛾の別名も持っています。このドクロのように見えるスズメガ科のメンガタスズメ属は3種類いて、うち2種類は日本に生息しています。見つけたのは灯火に飛来したもので、日付は6月6日。発見したのはクロメンガタスズメの方です。このガの容姿はアブラゼミに似て見えるので、いくら何でもアブラゼミの発生には早すぎると思い近づいてみると、胸背部分にドクロに似た斑紋が見えました。大きいうえにドクロや人面に見える斑紋があるガは、日本にはメンガタスズメとクロメンガタスズメの2種類がいます。ヨーロッパにはヨーロッパメンガタスズメと言うのがいます。この3種はどれも良く似ています。1度も見たことが無かったガなので見たかった種類になります。日本にいるメンガタスズメとクロメンガタスズメは非常に良く似た種類なので、ちょっと見ただけでは分かりません。しかしすごい迫力です。大きさとドクロや人面のように見える斑紋のインパクトは強いです。映画「羊たちの沈黙」を見てから、見て見たいなと思っていたガです。もちろん、映画に出ていたガは日本産ではなく、ヨーロッパ産のヨーロッパメンガタスズメになります。映画のポスターのガの背面に見えるドクロに見える白い斑紋の部分は、映画用に加工してあって不気味さを増しています。実際に見て見ると、日本産もなかなかのものです。黒く見える体色にドクロ模様、大きさも迫力のあるスズメガ科の大型のガです。クロメンガタスズメはもとは南方系のガで、本来九州以南に生息していた種類なのですが、温暖化に伴い北上してきた種類です。千葉県や神奈川県での発見例があり、やっと見ることができたガになります。個体数は少なく、大発生の事例は無いようです。ただし、幼虫は120ミリに達する大型になることから、1匹でも餌として食べる量が多い大食漢なので、野菜などに発生すると被害がでるようです。このクロメンガタスズメの幼虫は食性が広く、かなりの種類の植物を餌として繁殖することができます。さらに飛翔力もスズメガ科のガなので、その飛翔能力も高いようです。それゆえ繁殖した地域からさらに移動して行くことが考えられます。数は少ない種類なのですが、現在では福島県や新潟県でも確認されています。この確認された個体が本州北部にも達しようとしていることは、食性(餌とする植物)の広さと飛翔性の高さ(移動距離)、温暖化に伴う繁殖可能な地域が広がっていると言う事からなのでしょう。個体数が少ない種類ながら、今後は目にすることが多くなる種類になっていきそうです。クロメンガタスズメの幼虫が餌とする種類は、ナス科、マメ科、ゴマ科、アサ科、キク科、モクセイ科など幅広く食べるようです。ナス、ピーマン、トマト、ジャガイモ、ゴマ、タバコなど農業に被害を与える害虫としても知られてきています。ノウゼンカツラ、ヒマワリ、キダチチョウセンアサガオ(エンゼル・トランペット)、チョウセンアサガオ(ダチュラ)など花壇等の園芸植物も被害にあいます。チョウセンアサガオだけではなく、キダチチョウセンアサガオも「エンゼル・トランペット」と呼ばれるナス科の強毒を持つ毒草としても有名ですが、クロメンガタスズメの幼虫には毒が効かないようです。害虫としては幼虫だけでなく成虫は餌として、養蜂場のミツバチの蜂蜜を盗むことも知られています。クロメンガタスズメは神奈川県にも生息している種類なのですが、こちらは見たことがありません。比較して見て見たい種類です。両種の違いは分かりにくく調べてみたら、ドクロに見える斑紋の部分と後翅の斑紋、腹部背面に出るようです。後翅の斑紋と腹部背面を調べるには捕獲して見ないと難しいです。胸部背面の模様では個体差が出ることから不確実になるので、見慣れている方は別としても正確な判別は難しいです。ヨーロッパメンガタスズメは不幸を呼ぶガとして、不吉なガとして嫌われているようですが、日本では話題になっていませんでした。これからは成虫の容姿よりも、幼虫の太くて巨大なイモムシを見る機会が増えることで、有名になるかも知れません。映画を見た人も、映画「羊たちの沈黙」の中で、口の中に突っ込んであった奴と言うと、トラウマになっていて見たくないという人もいるかもしれません。成虫、幼虫共にインパクトの強い昆虫です。
ドクロガの別名を持つ、ドクロやお化けのような顔に見える不気味な斑紋が特徴的なガ、クロメンガタスズメを調べてみました。
判別方として良く似たクロメンガタスズメとメンガタスズメの外見上の違いを比較してみました。
・クロメンガタスズメ ドクロに見える斑紋の下方に赤くW字に見える斑紋があり、この赤い斑紋(細い筋状になっています)の下には青白い筋状の紋があります。腹部背面の縦長の青く見る部分(藍色)が広くなっています。黒い帯はメンガタスズメよりも太くなっています。前翅の先端部は明るい色をしています。クロメンガタスズメでは後翅の2本の黒条が発達しています。後翅後面は橙黄色の地色をしています。ドクロに見える斑紋は灰色を帯びていることが多いようです。
・メンガタスズメ ドクロに見える斑紋の下方に赤くW字に見える斑紋がありません。薄い黄色に見える部分の下に青白い筋状の紋があります。腹部背面の縦長の青く見る部分(藍色)が狭く(細く)なっています。後翅の2本の黒条の幅は狭くなっています。
幼虫はどちらの種類も色に個体差があり、緑色型、褐色型、黄色型の色彩の変異があります。色での判別はできません。幼虫の違いはお尻の先にある突起(尻角)を見比べます。
・クロメンガタスズメの幼虫の尾部のある突起(尻角)の先端は強く丸まっています。 尻角全体に棘状突起が生えているそうです。
・メンガタスズメの幼虫の尾部のある突起(尻角)の先端は緩やかに曲がっているそうです。
★クロメンガタスズメ スズメガ科。開帳100〜125ミリ。大きくてがっしりとしています。翅をたたんでとまっていると色からしてもアブラゼミに似て見える容姿をしています。翅の面積があるので、大きさはアブラゼミよりもはるかに大きいです。複眼が大きなガです。出現は6〜11月。年1化と思われます。幼虫は8月まで被害を与える害虫になります。特徴的なドクロや人面に見える部分には個体差が現れるようです。分布は本州(関東地方では繁殖しています)、四国、九州、沖縄。元は九州以南にいた種類ですが、飛翔性の高さと温暖化に伴い、現在北上している種類になります。北方での確認は遠い距離を飛翔した個体もいることが考えられます。幼虫はナス科の植物を好む様ですが、食性は広食性でノウゼンカツラ(ノウゼンカツラ科)、ヒマワリ(キク科)、チョウセンアサガオ(ナス科)などの花を楽しむ植物の他、ナス科のナス、ピーマン、トマト、ミニトマト、ジャガイモ、タバコ等やゴマ科のゴマなどの農作物やクコ(ナス科)、クワ(クワ科)、キリ(キリ科)等の樹の葉も餌にするようです。毒性の強い植物も餌にするほど丈夫なようです。幼虫は同じスズメガ科の幼虫と非常に良く似ていますが、尻尾に見える突起(尾角)の先端は丸まっています。体の色には 緑色型、褐色型、黄色型の色彩の変異があることから、 尾角を確認しないと間違ってしまいます。幼虫は単独で行動しています。成虫は樹液、ミツバチの蜂蜜(盗蜜します)を食べます。成虫は「チイ、チイ・・・」と言うクリック音を発します。幼虫も危険を感じると音を出すようです。クロメンガタスズメは土に潜って蛹になります。越冬は蛹で越冬します。ただし飼育下では休眠性はないので、温度が適正だと冬場でも羽化するようです。
クロメンガタスズメ1.JPGクロメンガタスズメ2.JPGクロメンガタスズメ3.JPGクロメンガタスズメ4裏面.JPGクロメンガタスズメ5.JPGクロメンガタスズメ6腹部.JPG
クロメンガタスズメです。3種類の中では、このクロメンガタスズメが1番好きです。胸背部に見えるドクロ顔、ガなのに声(音)を出して鳴くこと、腹部背面の青(藍色)く見える部分、不気味さがあってなかなかのものです。日本産の2種は日本では嫌われていませんが、ヨーロッパでは不幸が訪れると言われていて、嫌われているガです。上から見ると黒っぽくて地味な色をしています。
2枚目、クロメンガタスズメの腹背のドクロに見える部分の写真です。クロメンガタスズメの特徴として、赤褐色の毛が多いことがあげられます。またメンガタスズメよりもドクロに見える部分が灰色をしていることも特徴になります。この部分に見える赤色のW字に見える斑紋や眼に見える部分に個体差が現れるようです。
3枚目、前翅の先端部分は明るい色彩をしています。4枚目、裏側から見ると翅の模様と色の違いが全く違っています。腹部も翅も黄褐色の地色に黒く見える斑紋がはっきりとしています。かなり弱っていたので手の上にのせて撮影できました。5枚目、腹部の横側から見たところです。黄褐色と黒い斑紋が目立ちます。この個体は雌なのでしょうか?腹部には太さがあります。とても厚みのある体をしていることが分かると思います。脚には鋭い棘が生えています。6枚目、翅を広げて撮影しました。クロメンガタスズメの鱗粉はしっかりと翅に付いています。柔らかく手で翅を広げても鱗粉は手につきませんでした。他のガの多くは鱗粉が取れて、模様が良く分からなくなるものが多いのですが、クロメンガタスズメの場合、とても剥がれにくいことに驚きました。力強く翅をバタつかせても鱗粉が飛び散ることが無いです。発見場所は神奈川県横浜市旭区。照明に飛来したものです。飛翔性の強いスズメガの仲間なので明かりを目指して飛んできたようです。
ガは嫌われてしまう昆虫になるのですが、斑紋には個体差があるので探してみると面白そうです。個性があるので、違った顔に見える模様のクロメンガタスズメも見つけてみたくなります。現在、北上して生息域を広げているので、今までは九州以北では珍しい種類とされていましたが、今後は見つける機会が増えてくる種類になるようです。できれば良く似たメンガタスズメと比較して見たいです。当方はまだメンガタスズメも実物は見たことがありません。こちらの種類も興味の湧いてくるガです。ぜひ見つけて撮影したいです。

posted by クラマ at 17:24| Comment(0) | 昆虫・コクワガタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月17日

スミレ。スミレ科のタチツボスミレ、ツボスミレ、マルバスミレ、スミレ、ヒゲコスミレ、アメリカスミレサイシンを調べてみました。身近で見ることができるスミレの仲間です。

スミレは種類が多く似たものが多いことと、変異があることで知られる種類であることから、名前を調べるとなると難しい植物になります。スミレの花は5弁花で可憐な花を春先から開花させます。春を感じることができる花になっています。スミレと言うと在来種や外来種、花壇に植えられているパンジー(3色スミレ)の仲間も含めてスミレ科スミレ属の総称として呼ばれることが多いようです。スミレは温帯の植物で日本には50種類以上があります。似ているものが多く詳しい分類は難しいです。スミレの仲間は個体変異がある植物なので、種名の特定はなおさらに難しくなります。スミレの種類を観察する前は、スミレとヒメスミレの葉の違いなど知らなかったので、今まで同じスミレだと思っていました。その他、細かく分類すると他の種類の判別も難しいことが分かりました。春先に可憐に咲くスミレの花は、日本人には小さくても好まれる花になっていると思います。人家付近や里山などでも普通に見ることができるので、春に咲く花として馴染みのある植物にもなっていると思います。身近なところで見つけることができる、タチツボスミレ、ツボスミレ、マルバスミレ、スミレ、ヒゲコスミレ、アメリカスミレサイシンの6種類を調べてみました。このうちアメリカスミレサイシンは外来種の帰化植物になります。アメリカスミレサイシンの品種等、数種類が野生化しているようです。林縁などに野生化している所を見ることが多いです。種で増えるスミレの仲間の面白い特徴に、花を開かないで種を作る閉鎖花をつけることでも知られています。花を開かないで種を作る仕組みです。閉鎖花の場合、100%に近い確率で種を作ることができます。昆虫の媒介を必要としない方法なので、効率的と言うことができます。スミレはこの2つの方法で種を作ることで、繁殖率を高めているのです。スミレは交雑し易い種類で、変種や地域による個体差などが多い種類になっています。今後、園芸品種が逃げだして、さらに野生のスミレと交雑していくことも考えられます。
★タチツボスミレ 別名ヤブスミレ。スミレ科の多年草。草丈は5〜30センチ程。タチツボスミレは名前のように花の咲いた後は、茎を立ち上がらせていきます。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。日当たりの良い低地から山地に生育しています。タチツボスミレは大変丈夫で適応力も強く、林縁、道端、草原、畑地、公園、人家付近などどこでも最も普通に見られる普通種のスミレになります。分布も個体数も多い日本を代表するスミレになっています。タチツボスミレの仲間は非常に多く、似た種類の分類は難しいです。花期は3〜5月。花の色は薄紫色ですが、花色には濃淡の変異が多いことが知られています。色自体にも変異があるようです。花の側弁には突起毛(白い毛のように見えるもの)がありません。花の距は紫色をしています。花の直径は2センチ前後。花は薄紫色で唇弁には紫色の筋が見えます。葉の形は丸味のある心形(ハート形)をしています。春先の花は根元から出ているように見えますが、この後に茎が伸びあがっていきます。非常に良く似ている種類にナガバタチツボスミレと言うのがあって、こちらは葉の葉脈が紫色をしています。
タチツボスミレ.JPGタチツボスミレ花.JPG
上、タチツボスミレです。花が咲いている頃は立ち上がらない姿をしています。下、花の拡大です。タチツボスミレはどこにでも見られる普通種で、最も馴染みのあるスミレになると思います。
★ツボスミレ 別名ニョイスミレ。スミレ科の多年草。草丈は5〜25センチ程で多くは群生しています。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地の湿地の脇や湿り気のある草原や林縁、林内などに生育している普通種です。花は白くて直径1センチ前後と小型で、草原ではあまり目立ちません。花弁の中心部には紫色の筋が見えます。紫色の筋の濃さには個体差があります。ツボスミレは個体差の多い種類になります。花の側弁には白い毛(突起毛)があります。葉の形は丸みのある心形(ハート形)。花期は4〜5月で開花は他のスミレよりも遅くなります。春先の葉は根生ですが茎が伸びてくると茎からも葉が付きます。茎は弱く、垂れ下がっていることが多いです。当方の観察エリアではタチツボスミレの次によく見る種類になります。
ツボスミレ1.JPGツボスミレ葉.JPG
上2枚ツボスミレです。ツボスミレは湿り気を好むスミレで、日当たりの良い草原よりも林縁や湿地の周りを探すと見つかると思います。他のスミレよりも花は小さいので見栄えは劣ってしまいます。ツボスミレの花はは群生して咲いていないとあまり目立ちません。
ツボスミレ花1.JPGツボスミレ花2.JPG
上がツボスミレの花です。下は拡大したものです。
★マルバスミレ スミレ科の多年草。分布は本州、四国、九州。太平洋側の内陸部に多い種類で、西日本には少ない種類になるようです。水はけの良い環境を好むようです。マルバスミレは、日の当たる場所から半日陰の林縁や斜面に多く生えています。マルバスミレは名前にあるように葉の形は丸みが強い特徴があります。花の形も丸みのある輪郭をした花を咲かせます。花期は3月下旬〜5月。花の色は白ですが、稀に個体差で淡い紫や紅色を帯びたものもあるようです。唇弁には薄い紫色の筋が入っています。花が咲いていると、花の直径が2センチ前後と大きいので良く目立ちます。丸く厚みを感じる葉には、表面、裏面ともに微毛が生えています。葉柄は長めでしっかりとしています。花の咲く時期は草丈が2〜4センチほどで低いのですが、花が終わると草丈は8センチ前後程になります。マルバスミレは群生しています。マルバスミレは日本のレッドデータによると山形県、京都府、長崎県で絶滅危惧T類。富山県、福井県で絶滅危惧U類。鹿児島県で準絶滅危惧種になっています。
マルバスミレ.JPGマルバスミレ花.JPG
マルバスミレです。花も植物体もしっかりとして見えます。神奈川県の観察エリアでは桜の花の開花がマルバスミレの花の時期を教えてくれます。林縁に多い種類なので今後数を減らしていくと思われます。観察エリアにしている自然の残ってい2か所の公園で観察ができました。そのうちの1ヵ所、こども自然公園内では2か所で見つけていましたが、沢山群生していた場所では絶滅してしまいました。スミレは単なる雑草の1種の存在のようです。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。ひっそりと生き残っているので、気が付く人は少ないと思います。下、マルバスミレの花は花弁に厚みを感じます。丸味のある白い花は綺麗です。
★スミレ 別名ホンスミレ。総称ではなくスミレ科の1種としての名前です。スミレ科の多年草で草丈は10センチ前後程。無茎種で葉柄に翼があります。よく似たヒメスミレには翼がありません。側弁には毛が見えます。このスミレは総称ではなくこの種類の名前になりますが、スミレの呼び名は総称としても使われています。。1般的にはまとめてスミレと呼ばれていることが多いです。葉柄が長めで葉の形は矢じりを思わせる先の丸い長い披針形をしています。山間部から都市部の道路脇にも生育しています。時にアスファルトの隙間から可憐な鮮やかな紫色の花を咲かせていて、驚かされることがあります。花期は3〜5月。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地に生育していますが、道路脇や庭の隅などで見ることができます。アスファルトの隙間から花を咲かせているものもあります。花の色は濃い紫色で側弁には白い毛(突起毛)が生えています。距も濃い紫色をしています。葉はヘラ型をしていて、葉柄に翼があることで、似ているヒメスミレと見分けることができます。葉柄の違いが分からないとスミレもヒメスミレも同じに見えてしまいます。ヒメスミレの距は白っぽく見えます。個人的には探すのが困難になってきている種類です。以前はアスファルトの隙間などから濃紫色の花を咲かせているものを見ることもありましたが、探すことが難しい種類になってきています。数が減ってきている種類になると思います。
スミレ花と葉.JPGスミレ花1.JPGスミレ花2.JPG
スミレの花です。菫色と呼ばれる花の色には環境によっても濃淡が出るようです。上の花の写真(横向きの花)では蕚の基部が褐色に見えています。葉柄には翼があり、葉の裏は緑色です。通例、蕚は緑色が強く見えるものが多いようです。正確には分からないのですが、蕚の基部の色には若干の個体差があると思います。下、花弁の色の薄い花です。環境等で色の濃淡があるようです。スミレと言っても細かい分類でいうと、写真のスミレは厳密には亜種や変種になるかも知れないです。正直な所、代表的な種類と思われるものでも、正確な判別は難しいです。
ついでによく似ているヒメスミレも調べてみました。
★ヒメスミレ スミレ科の多年草。草丈は4〜8センチ程。無茎種で葉柄に翼が無いことで似た種類と判別することができます。良く似たスミレには翼があることで区別します。分布は本州、四国、九州。人家付近や道端などでも見かけることができるスミレです。花期は3〜4月。濃青紫色の花の直径は10〜15ミリ前後で花弁は細くなりまります。側弁には毛が生えています。葉は3角状披針形をしています。春先の葉には鋸歯が目立ちます。花の後は葉の長さが8センチ程になり、基部には丸みがでます。葉の裏は紫色を帯びます。蕚片は紫色を帯び、距は白っぽく見えます。大きさはスミレよりも小型になります。
写真が取れたら追加する予定です。
★ヒゲコスミレ スミレ科の多年草。草丈は6〜12センチ程。分布は本州、四国、九州。人家付近や低山地に生育していますが変異が多い種類で特定は難しいようです。東日本には少ない種類のスミレになるようです。花期は3〜4月。花の側弁にある突起毛(白い毛)が無いものが多いようですが、突起毛(白い毛)があったり、花の色や葉の形にも変異があるなど、個体差がある難しい種類になります。タチツボスミレの花に似ているものの、花の色は白っぽい花や淡い紅色のものまであるそうです。ヒゲコスミレの下唇弁には紫色のはっきりした筋が見えます。葉には微毛が生えていることが特徴になります。葉裏は紫色を帯びます。ヒゲコスミレとコスミレは非常に良く似ています。花の側弁に白いヒゲ(突起毛)が無い種類がコスミレで側弁に毛が生えていたらヒゲコスミレになるようです。
ヒゲコスミレ.JPGヒゲコスミレ2.JPG
上2枚、ヒゲコスミレです。花の特徴と、葉には微毛が生えていることなどからヒゲコスミレで良いと思います。この個体の花の側弁には白い毛がありました。
★アメリカスミレサイシン 園芸植物として渡来した北アメリカ原産の外来種の多年草で、種類が多いので総称的にアメリカスミレサイシンと呼ばれています。和名の由来はスミレサイシンのようなワサビに似た太い茎をしていることから付いた名前のようです。紹介するのはパピリオナケアと言う種類のようです。無茎種で葉は先のとがった部分のある丸みの強い心形をしていて、葉の表面にはツヤがあります。他にプリケアナと言う種類などがあります。花の色には白や鮮やかな濃青色などがあります。花期は3〜5月。側弁には目立つ毛が生えています。花の直径は2〜3センチ程で花は大きくて綺麗です。花が終わると葉が大きくなり多数つきます。分布は北海道、本州、四国。丈夫な種類で雑草として分布を広げています。観察エリアでは、スミレを餌とするタテハチョウ科のツマグロヒョウモンの幼虫が餌にしている所を見かけます。葉の大きなアメリカスミレサイシンは餌として最適なのでしょう。雑草化して増えているものの、アスファルトや道路脇よりも林縁や明るい草原で見ることが多いです。
アメリカスミレサイシン花1.JPGアメリカスミレサイシン花2.JPGアメリカスミレサイシン葉.JPG
上はアメリカスミレサイシンのパピリオナケアと呼ばれる種類のようです。花は大きくて鮮やかな濃紫色をしています。外国的に言うとバイオレット色と言うことになるのでしょう。日本的にはスミレ色と言う表現になります。花は鮮やかで綺麗です。アメリカスミレサイシンと呼ばれる種類では、種により花の色に違いがあるのですが、当方観察エリアでは、野生化していたこの種類のみ見つけることができました。花壇に植える園芸種として有名なスミレ、パンジーの仲間も逃げ出して道路脇で見ることが多いです。殺風景な道路脇に咲いているスミレの仲間の花は、それなりに華やかさがあって心が和みます。下はアメリカスミレサイシンの葉です。
スミレとヒメスミレは比較する写真があると良いと思いました。スミレは次回の機会に良い写真が取れたら差し替え、もしくは追加したいと思います。

posted by クラマ at 12:21| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする