2017年05月22日

ミツバ(三つ葉)、ウマノミツバ、カラスビシャク。山菜狩りの前に、知っておいた方が良い葉の形が似た植物です。

山菜としても野菜としても良く知られている植物にミツバ(三つ葉)があります。山地や低地の林縁、林床、草原に自生しています。春の味覚として山菜狩りの獲物として採取する方もいると思います。ミツバ(三つ葉)にはよく似た植物もあるので、これから山菜狩りをしようと思っている方には、注意が必要になります。ウマノミツバは毒性はない様なのですが、食用に適さない不味い植物のようなので、知っていれば無駄な労力を使わなくて済みます。当方の観察エリアでは混在して生えている場所もあります。最も当方観察エリアは公園で、しかも生えている場所は道の脇なので、犬の〇〇を気にしたら見向きもされないと思います。カラスビシャクの葉も3葉であることから、間違われてしまう可能性もあると思います。カラスビシャクは毒成分を含んでいて、葉や花など食べると中毒してしまいます。カラスビシャクに似た植物にはオオハンゲというサトイモ科の植物もあります。スーパー等で売っているミツバをじっくり観察したら間違うことはないと思うのですが、これら似た植物の違いは知っていても損はないと思います。ミツバは日陰のやや湿り気のある場所を好みます。日の当たる場所に生えているミツバは背が低く、色が濃く、苦みや香りなどの成分が強くなります。ミツバ(三つ葉)とミツバに似ているウマノミツバ、カラスビシャクを調べてみました。
★ミツバ(三つ葉) セリ科ミツバ属の多年草。日本原産。名前の由来は、単純に葉が3つに分かれているからのようです。やや湿った半日陰を好み、山野にも普通に見ることができます。野菜としてスーパーでもおなじみです。広く食べられているので、知らない人は少ないと思います。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。花期は6〜7月で、5弁花の白い小さな目立たない花を咲かせます。ミツバは茎が長く直立します。草丈は30〜80センチにもなります。日向に生えるミツバは茎が短く、苦みや香りが強くなります。葉の形は卵形〜楕円に見える卵形で先が尖っています。葉は3葉。小葉は重鋸歯になっています。ミツバには小葉の切れ込みが深いウマノミツバがあります。ウマノミツバは食用にしません。ウマノミツバには毒性はないようですが、食べるとかなり不味いそうです。若いうちは特に葉の切れ込みの弱い葉などがあるので、ミツバとの誤食はかなりあると思います。中毒の記事は新聞等で見かけないので、毒に関してはあるのかないのか分かりません。ウマノミツバの葉は3〜5枚に見え、混在して生えていることもあります。流通しているミツバより、野生のミツバの方が葉の幅が広く大きくなります。
ミツバ野生種1.JPGミツバ野生種2.JPGミツバ庭.JPG
上2枚は野生のミツバです。1番上は草原に生えたいたミツバです。2枚目は竹林の脇に生えていたミツバで、茎が立ち上がる前の状態です。1番下は民家の塀沿いにびっしりと生えていたものです。栄養状態が良いのか、すでに草丈も高く葉も大きく立派でした。
★ウマノミツバ セリ科ウマノミツバ属の多年草。花期は7〜9月。直立して草丈は3〜80センチ程になります。分布は北海道、本州。山菜のミツバに似ていて、山地の林縁や林床に普通に生えています。時に混成して生えています。小葉は5枚が普通ですが、春先の新葉や茎の上部の葉は3枚に見えるものもあるので、山菜狩りをしていた場合、慣れないとミツバとの誤食に注意が必要だと思います。間違って食べても毒性はないようですが、ミツバと違いとても不味い植物のようなので、知っておいた方が良いと思います。葉は脈の部分が凹んでいるので、ミツバより葉の表面が凸凹して見えます。葉の切れ込みが深いことも特徴です。若いツヤのある新葉は美味しそうに見えました。騙されて食べたことのある方もいるのではないのかと思います。
ウマノミツバ1.JPGウマノミツバ2.JPG
ウマノミツバです。上は葉が5枚に見える葉です。これは基本の葉の形になります。注意してミツバと比べると葉の形が違うことが分かりますが、下の若い葉などは3枚の小葉のミツバに似て見えるものもあります。この場合(3枚に見える葉)だと良く似て見えるので、慣れていないと間違ってしまいそうですね。ミツバと比べると葉の切れ込みが深く、葉脈が深いことが分かります。
★カラスビシャク サトイモ科ハンゲ属。別名ハンゲ。有毒植物。単子葉植物の多年草。草丈20〜40センチ。葉は先のとがった長楕円形。葉は形の整った3小葉。葉の付け根にムカゴを付けます。花期は5〜7月。花に見えるのは苞で仏炎苞と呼ばれるものです。仏炎苞は小さなヒシャクに似ている形をしていることから、カラスが使うに丁度よい大きさとして、カラスビシャクの名がついたようです。花茎は直立し、葉より高く、上の方に咲きます。地下に1センチほどの球茎があり、ここから長い茎のある葉を出します。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。畑や林縁、道端に自生しています。細長くこじんまりとした仏炎苞は可愛く見えます。仏炎苞が見えないとカラスビシャクが生えていることに気が付かないことが多いです。苞を付けていないカラスビシャクの葉はミツバに似て見えますので、誤食しないように注意が必要です。観察していると、葉は長細く見える形や丸みのある葉などが混ざっています。ほとんどが長細く見える葉を持った1群もあります。葉の形には変異が出やすいように思いました。
カラスビシャク葉.JPGカラスビシャク苞.JPG
上、カラスビシャクの葉です。写真からも、よく見ると葉の形には違いが見えると思います。下、花(仏炎苞と呼ばれています)です。仏炎苞は上に伸びているのですが、写真では横向きにして写してあります。個性的なカラスビシャクの花は、見慣れてくると可愛く思えてきます。
よく似たオオハンゲも調べてみました。当方はまだ見たことが無い植物になります。オオハンゲはサトイモ科の単子葉植物の多年草で日本固有種のようです。山地の日陰に自生していて、葉柄は長く葉は3深裂で側裂片は非対称になっているようです。花軸は基部も緑色で葉の深裂基部はつながっているようです。草丈40〜60センチ。3深裂の単葉はカラスビシャクよりも大きいようです。カラスビシャクとの違いは、葉の付け根にムカゴができないことになるようです。花期は6〜8月でカラスビシャクに似た仏炎苞を付けるそうです。分布は本州(福井県、岐阜県以西)、四国、九州、沖縄。山地の常緑樹林の林床に生えているようです。
林縁や草原を探してみるとミツバの野生種は意外と普通に見つけることができました。ウマノミツバに至っては、かなりの広範囲に自生していることが分かりました。
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2017年05月21日

エゴノキとエゴノキにできる虫こぶ(ゴール)エゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシ。

エゴノキは5〜6月に枝いっぱいに鈴なりに小さな香りのよい花をぶら下げて咲きます。エゴノキは山野に普通に自生している樹木です。花数が多く香りも良いうえに、園芸品種も多くあることから、庭木や公園でも普通に見ることができます。エゴノキの花にはかすかに匂う良い香りがあって、昆虫が沢山集まってきます。花に集まってくる昆虫を探すのも面白いです。エゴノキは少し変わっていて、同じ木でも花の花弁の枚数が4〜7枚あるものが有ったりします。花の咲くころの緑色の葉も綺麗で、さわやかな5月に似合う樹木になっていると思います。花が咲いているエゴノキは簡単に見つけることができるので、可愛い花と香りを楽しむことをお勧めします。花が終わってしまうと葉の緑が自然に溶け込んで、周りの樹木と見分けがつかなくなってしまう地味な1面もあります。花が終わった後のエゴノキでは、虫こぶ(ゴール)を探すと面白いです。虫こぶ(ゴール)を観察できるかもしれないので、花の咲いている時期に樹のある場所を覚えておくと良いかも知れません。エゴノキを観察していたら、虫こぶ(ゴール)を見つけました。エゴノキにできるゴール、 エゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシの2種類です。エゴノキは虫こぶ(ゴール)のできやすい樹としても知られています。ピンク色の花を咲かせるベニガクエゴノキとエゴノキとエゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシの種類の虫こぶ(ゴール)を調べてみました。
★エゴノキ エゴノキ科。別名チシャノキ、ロクロギ。日本原産の落葉高木。高さは7〜8メートル。幹の色は暗褐色。変種にはホソバエゴノキ、テリハエゴノキ、ベニガクエゴノキなどがあります。ベニガクエゴノキは紅色が強く蕚の部分が濃いピンク色をしています。エゴノキの名前の由来は実がエゴいことからきているそうです。実は有毒で食べてはいけません。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。日当たりの良いやや湿気のある場所を好みます。林内、林縁、雑木林に普通に自生しています。園芸品種も多く出ていて庭木、、公園樹としても良く使われています。花期5〜6月。花数が多く華やかで、小枝の先に下向きに付いた釣鐘状の白い花を咲かせます。花弁は普通5弁が多いのですが、4〜6枚のものもあります。木の個性や同じ木でも花弁の枚数の違う花が出ていることもあります。花には10本の黄色い雄しべがあります。花は香りが良くハチ類やヒラタハナムグリなどが集まります。葉は互生で長さは4〜8センチの卵形をしていて、先が尖っています。葉の縁には鋸歯があります。秋にできる実は卵形で可愛い形でつり下がって実ります。果実の皮には有毒成分のエゴサポニンという成分を含むそうです。昔はこの毒性を利用して魚を取っていた時期がありましたが、現在ではエゴノキの毒を使った漁法は使用禁止になっています。エゴノキは挿し木、接ぎ木で増やすことができます。エゴノキにはよく似たハクウンボクガあります。花柄が長く、花が釣り下がって見えるエゴノキに対して、ハクウンボクのン花の花柄はとても短いことで区別することができます。
園芸品種には色々あります。品種の特徴を調べてみました。ピンクチャイムはピンク色の花が咲きます。シダレエゴノキは枝が枝垂れているエゴノキです。エメラルドパゴダはオオバエゴノキの直立性の品種です。他にも多くの種類があります。探せば気に入った種類のエゴノキを見つけることができると思います。
エゴノキ花.JPG
同じ樹に花弁の数が4枚と5枚の花が咲いていました。もっと探せば6枚の花弁の花も見つかるかも知れません。遠くからでも目立つ白い清楚な可愛い花を咲かせています。花が開く前の蕾は卵型で色も形も可愛いです。花にはヒラタハナムグリや花に集まるハチが飛来していました。
★ベニガクエゴノキ エゴノキ科の落葉高木。高さは2〜7メートル。自生種とも園芸品種ともいわれていますが園芸品種として通っています。もともと自生していたものと、品種として作ったものの両方が有るのかも知れません。花は濃いピンク色で、甘い香りがします。花弁は4〜6枚。花には10本の黄色い雄しべがあります。蕚と花柄が紅色(赤い)エゴノキ。葉は互生。長さは4〜8センチの卵形で先が尖っています。縁には鋸歯があります。果実は10月。灰白色の卵形の実を付けます。
ベニガクエゴノキ1.JPGベニガクエゴノキ2.JPG
遠くからでは、真っ白い花のエゴノキ程は目立ちませんが、近くで見るとベニガクエゴノキの花もピンク色が綺麗に見えます。名前の由来の花の蕚と柄は紅色に見えます。下は花を下から覗き込んだものです。雄しべの数は10本あります。
エゴノキで見つけた、エゴノキの虫こぶ(ゴール)エゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシ。
★エゴノネコアシ 作成者エゴノネコアシアブラムシ。エゴノネコアシは4〜5月に初期の形成が始まります。枝先に花の蕾に似た形の初期の虫こぶ(ゴール)が形成されます。花が咲いているのに遅れて後から咲きだす花の蕾か何かにも見えてしまいますが、やがてネコアシ(猫脚)と名前がついているように、猫の脚にも似て見えるような形になります。さらに成長すると果実やバナナの房のように見える形になります。7月頃、薄い黄色になると先端の脱出孔からエゴノネコアシアブラムシが脱出して(有翅アブラムシ)イネ科のアシボソに移動します。
エゴノネコアシ1.JPGエゴノネコアシ2.JPG
エゴノネコアシです。上はエゴノキで見つけたもので横から見た所です。下はベニガクエゴノキで見つけたもので、前から見た所です。まだ初期の段階のエゴノネコアシになります。どちらの種類のエゴノキにもエゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシはできていました。
★エゴノキハヒラタマルフシ 作成者エゴタマバエ タマバエ科。4〜5月に初期の形成が始まります。扁平で薄い緑色をしています。葉の表と裏の両面が盛り上がります。初期では中央が窪んで見えます。
エゴノキハヒラタマルフシ.JPGエゴノキハヒラタマルフシ葉裏.JPG
エゴノキハヒラタマルフシです。上はエゴノキの葉に沢山出来ていたものを選びました。葉の表側の写真になります。下は葉の裏側のエゴノキハヒラタマルフシです。中央が凹んで見えます。この写真のエゴノキハヒラタマルフシはまだ初期の段階のものになります。
成長の進んだ エゴノネコアシとエゴノキハヒラタマルフシの写真は追加して載せる予定でいます。また、他の種類のエゴノキにできる虫こぶも見つけることができましたら、合わせて追加したいと思っています。
posted by クラマ at 13:37| Comment(0) | 虫こぶ(ゴール) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

タマムシ(ヤマトタマムシ)、ヒシモンナガタマムシ、クロナガタマムシ、ムネアカナガタマムシ、シャシャンボナガタマムシ。タマムシ科の昆虫5種類です。

タマムシ(ヤマトタマムシ)は有名で美しい色彩から迷うことが無いのですが、他のタマムシ科の昆虫はどれもよく似たものがいて、種類を特定することが難解です。タマムシ類は飼育が難しい種類です。食べる餌(種によって食べる葉が違います)が分かっていても、餌となる葉を食べてくれないことが多く、餌を食べないで死んでしまいます。神経質で極力、自然に近い状態にしないと餌となる葉を食べてくれないようです。死なせてしまうよりも、美しいタマムシ(ヤマトタマムシ)は自然の中で見ることにする方が良いと思います。小型種が多いナガタマムシ類は似たものが多くいるうえ、色彩に個体変異がある種もいるので、種類を特定することが難しいです。タマムシ類は綺麗な種類も多いので、色々な種類も見て見たいのですが、個人的にはなかなか見つけることができない昆虫になっています。見つけてもすぐに逃げられることが多く撮影にはてこずります。タマムシ(ヤマトタマムシ)、ヒシモンナガタマムシ、クロナガタマムシ、ムネアカナガタマムシ、シャシャンボナガタマムシの5種類を紹介します。(ムネアカナガタマムシの写真を追加しました)
★ヒシモンナガタマムシ タマムシ科ナガタマムシ亜科。体長5〜10ミリと小型です。普通種のタマムシで探せば見つかる種類です。。雌の方が大型になります。特徴は上翅に菱形の紋が見えることです。地色は赤胴色で白い微毛が生えています。菱形に見える部分には白い毛が生えていません。分布は北海道、本州、四国、九州、伊豆諸島島、対馬。出現は越冬成虫は4〜7月。新成虫は9〜10月。成虫はケヤキ、ムクノキ、エノキの葉。幼虫はケヤキ、ムクノキ、エノキの枯れ木を食べます。多くのナガタマムシは越冬しませんが、ヒシモンナガタマムシは成虫で越冬します。秋に羽化した個体が樹皮下などで越冬に入ります。
ヒシモンナガタマムシ.JPG
上、ヒシモンナガタマムシ。小型のナガタマムシの仲間は同じように見えますが、ヒシモンナガタマムシの菱形に見える斑紋は特徴的で判別が容易です。接写して見るとそれなりに綺麗な体をしていることが分かります。
★クロナガタマムシ タマムシ科ナガタマムシ亜科。成虫はナラ類(クヌギ、コナラ、ミズナラ、カシ)の葉を食べます。幼虫はそれら枯れ木を食べます。体長10〜15ミリとナガタマムシ科最大の大型種で、大きさが判別の決め手にもなっています。出現は5〜7月。分布は北海道、本州、四国、九州。色彩に個体変異が多く、胸部の色は青紫色、赤銅色、銅色、黒色などがあり、赤銅色の個体はケヤキナガタマムシに似て見えます。上翅後端は丸みがあります。色彩に個体変異、地域変異があるのでムネアカナガタマムシと似た個体もいて紛らわしいです。大きさの比較も重要になってきます。
クロナガタマムシ(赤系)2.JPGクロナガタマムシ(赤系)1.JPG
上、クロナガタマムシの胸部が赤紫色に見えるタイプ。大型で15ミリに近かったので、大きさからクロナガタマムシと判断しました。胸の部分が赤紫で綺麗な色をしていたので、 ムネアカナガタマムシだと思っていましたが、15ミリ程の大型です。個体変異がおおいしゅるいなので、ムネアカナガタマムシに似た クロナガタマムシで良いようです。近くにはコナラが数本とカシ類が数本ありました。樹種からもクロナガタマムシに当てはまります。他のナガタマムシが飛翔性が強く、すぐに逃げ出すのに対して、クロナガタマムシはじっくりと撮影させてくれる種類になります。
★ムネアカナガタマムシ タマムシ科ナガタマムシ亜科。体長7〜11ミリ。出現は5〜7月。分布は北海道、本州、四国、九州の低地から低山地。西日本に多い種類です。頭部と上翅は黒い地色をしていて、胸部は赤紫色で金属光沢が強いです。胸部の赤紫色の金属光沢の色彩には若干の個体差があります。幼虫はエノキ、エゾエノキ、ケヤキ、ハルニレなどの枯れ木、倒木を餌にします。成虫はそれらの葉を食べます。集まる樹はエノキが主になります。林縁、都市部の公園でも見ることができます。越冬は幼虫または蛹で越冬するようです。大変良く似た種類にケヤキナガタマムシがいます。ムネアカナガタマムシは神奈川県では少ない種類になりますが、近年では数が増えてきて見つけることができる様になりました。ストックから写真が出てきましたので写真を追加しました。ムネアカナガタマムシにも似ている種類が多くいて、食樹が確認できないと種類が分からなくなってしまいます。
よく似ているムネアカナガタマムシとケヤキナガタマムシの判別方法。
ケヤキナガタマムシと非常によく似ていますが、ムネアカナガタマムシの上翅後端は丸みがあり尖った部分(刺のように見えます)はありません。ケヤキナガタマムシの上翅後端には尖った部分があることで判別します。ケヤキナガタマムシは東日本に多い種類になるようです。体長は8〜11ミリ。体色はムネアカナガタマムシと同じですが、胸部と頭部に赤紫色や赤銅色の金属光沢が見え、上翅には不明瞭な白い微毛が生えている特長があるそうです。大きさもほとんど同じなので、生体のこの両種をじっくりと比較して見たいものです。
ムネアカナガタマムシ1.JPGムネアカナガタマムシ2.JPG
ムネアカナガタマムシです。小さなエノキが生えていて、エノキの葉の上にいたものです。すぐそばにはケヤキも生えています。食性と大きさからムネアカナガタマムシで良いと思います(ストックしてあった写真を探すと見つかりました。撮影場所といた状況が分かりました)胸背の赤紫色が綺麗な色をしています。草の葉の上に飛んで逃げたところを撮影したものです。上、親指の先とムネアカナガタマムシです。下、写真だと大きく見えますが、小さな体をしています。
★シャシャンボナガタマムシ タマムシ科ナガタマムシ亜科。小型のナガタマムシです。分布は本州、四国、九州。幼虫はシャシャンボ、シャリンバイの枯れ木(朽ち木部分)を食べると思います。詳しくは分かりません。体長はヒシモンナガタマムシと同じ位だったので、体長5〜10ミリ程と予想します。
シャシャンボナガタマムシ1.JPGシャシャンボナガタマムシ2.JPG
上、シャシャンボナガタマムシ。シャリンバイに数匹いたのでシャシャンボナガタマムシで良いと思います。初めてみる種類で上翅後端よりに小さくV字の白い微毛の塊が見ています。これはシャシャンボナガタマムシの特徴なのでしょうか?小さいことと、今まで探したことが無かった種類なので、初見になる種類です。同じシャリンバイにいたのですが、この2枚の写真でも分かるように雰囲気が違って見えてしまっています。多少の個体差もあると思うのですが、角度により色が変わって見えることが大きいです。このようなことはタマムシの仲間にはよくあることです。このこともこの種類の特定を難しくしてしまいます。
★タマムシ(別名ヤマトタマムシ) タマムシ科タマミウシ亜科。体長30〜40ミリ。タマムシ科の中で日本最大の大きさになります。雌の方が大型になります。タマムシというとすぐに思い浮かべることができる有名な昆虫です。単にタマムシというと総称的にタマムシ科の昆虫の呼び名にもなっています。体形は細長く金属光沢の強い昆虫で、金緑色の光沢のある地に、銅紫色の縦筋が2条あります。タマムシというと法隆寺にある「玉虫厨子」が有名ですね。昆虫類はタマムシのように綺麗な色をしていても、死後に色を失う種類が多くいます。タマムシの色彩は色素などによるものではない構造色になるため、死んでも美しい色が残ります。出現は6〜9月。産卵は8月なので、8月に飛び回っている所を多く見ることができます。分布は本州、四国、九州、対馬、屋久島、種子島。森林、雑木林、里山、自然公園などに生息しています。成虫はエノキの葉を主に食べます。幼虫はエノキ、ケヤキ、サクラ、カシなど広葉樹の枯れた部分(朽ち木)を餌にします。幼虫は2年以上かかって成虫になります。昼行性で飛翔性が強く、高い所を飛んでいる所は見かけることができるのですが、撮影するには見つけることが難しい昆虫です。タマムシは晴天時に良く飛翔しています。大変美しい昆虫ですが、残念なことに開発により個体数を減らしています。写真だと上手く見た目の色が写せないので手を焼いてしまいます。飼育の難しい種類で、成虫の餌が分かっていてもほとんど餌を食べないので、すぐに死んでしまいます。飼育には向いていない昆虫です。タマムシは警戒心が強い性格をしていて、捕まえようとすると脚を引っ込めて落下します。擬死なのでしょうが、すぐに飛び立って逃げ出します。タマムシの派手な金属光沢のある目立った色は、鳥などの格好の的になりそうなのですが、鳥に襲われている所は見たことがありません。昆虫離れしたあの金属光沢が身を守っているようです。日本レッドデーターで調べてみると、
絶滅危惧T類には群馬県。絶滅危惧U類は山形県。準絶滅危惧類には宮城県、茨木県、千葉県、東京都、長野県、高知県、宮崎県、熊本県、長崎県となっています。
タマムシ.JPG
タマムシです。このタマムシは弱ってほとんど死んだ状態でした。タマムシは見た目の色が出ないので撮影が苦手です。しかもたいてい飛んでいて撮影できないことが多いです。大変美しい色彩をしているタマムシですが、最近めったに見ることが無くなってしまったことが残念です。昔はタマムシや地味な色のウバタマムシをよく見たことが懐かしくなります。
posted by クラマ at 16:01| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする