2020年06月06日

ユキノシタ。食べることができる山野草です。

ユキノシタには似た種類が多くあります。葉の色や形等の変異も多い植物です。ユキノシタの仲間にはハルユキノシタ、ジンジソウ、ダイモンジソウなどがあります。どの種も花は良く似ていて、花や葉の違いを見ないと判別が難しくなります。ユキノシタは食べられる山野草としても知られていて、若い葉をテンプラやお浸しにして食べることがあります。似た仲間は食べることができるのかどうかは分かりませんが、誤食してひどい目にあったら大変です。病院に行くはめになるかも知れません。知らない植物は食べない方が良いです。食べたいと思った場合は、良く知っている方に聞いた方が良いと思います。それも自己責任で食べることになることは、いうまでもありません。ユキノシタは身近にあり、知られている植物になるのかも知れませんが、口にいれる場合は確かな確証がない限り、止めた方が良いと思います。昔は薬用や食用として使うため庭などに植えられたようですが、今ではそう多くは利用されないようです。ユキノシタの仲間はユキノシタを含め、ジンジソウ、ダイモンジソウ等は花の形が面白く、5弁花の下2枚はとても大きくなっていることから、花の形の面白さがあります。この花の形からジンジソウやダイモンジソウなどの様な「人」、や「大」の字に見立てた名前が付いたようです。ユキノシタは昔は民間薬や食材としても使われたようです。食べるために限らず、ユキノシタは常緑性の多年草で、日陰にも強いことからも庭に植えられることが多かったものと思います。古い民家の庭などに生えていることが多いです。現在、庭に植えようと思った場合は園芸店で園芸品種を買うなどになるようです。園芸品種は食用になるのかなどは分かりませが、自生種の白花に対してカラフルになっています。園芸品種が食べられる野かどうかは分からないのですが、非常時のことも考えて非常食として植えておきたいと思われた場合は、自生種をどなたかお知り合いの方の庭に生えているもの等をいただくと良いかと思います。丈夫で病害虫にも強い植物なので、簡単に増やせると思います。似た種類が多くある中から、特にユキノシタと良く似ている3種類を調べてみました。以下の特徴からユキノシタとの違いを比較して判別することができると思います。
・ダイモンジソウは変異が多い種類で、変種が多くあることが知られています。園芸品種もとても多く出回っていて、花の形や花の色も多くあります。原種の花の色は白で1重咲になります。葉には模様が無く、葉縁は浅く切れ込みます。花の上3弁は小さく斑紋は入りません。ジンジソウよりも下の2弁は太く、大の字に似て見えます。花期は7〜10月。葉の表面にはユキノシタの様な白い筋は見えません。葉の形には変異があります。匍匐茎(ランナー)はできません。
・ジンジソウは日本固有種で別名モミジバダイモンジソウと呼ばれています。小鉢に植えられて、山野草として売られていることもあります。白い小さな人の字に見や大の字に見える花弁は可愛いです。ジンジソウの花の上3弁には黄色い斑(黄斑)があります。また花弁に爪があることで、よく似たダイモンジソウと判別ができるそうです。下の2弁は長く伸びています。この長い2つの花弁を人の字に見立ててジンジソウの名が付いたようです。花期は9〜11月。葉の切れ込みは深く、葉の表には、ユキノシタの様な白い筋は見えません。葉の形には変異があります。絶滅が危惧されている県も多くあり珍しい種類になります。
・ハルユキノシタは緑色の葉をしていて、葉の表面上に赤紫色は見えません。葉裏も白い個体が多いようですが、赤紫を帯びる個体もあるようです。葉の表にはユキノシタにある白い模様が無いことがユキノシタと判別する方法の1つになります。ユキノシタにできるランナーはハルユキノシタにはできません。花の上3弁には黄色い黄斑が入ります。花の咲く時期が早く、花期は4〜5月になります。
ユキノシタは、いざというときの食料にもなるということと、花の可憐さ、丈夫さから雑草を生やしておくよりは有能な植物だと言えると思います。花の名前にユキノシタと付いているヒマラヤユキノシタは名前が似ているものの、属が違いベルゲニア属で別種になります。混同しないようにしてください。ユキノシタを調べてみました。
★ユキノシタ ユキノシタ科ユキノシタ属。常緑多年草。分布は本州、四国、九州。山地の湿地、沢、半日陰の湿った岩場や湿地、石垣、民家の庭等で見ることができます。湿気を好む傾向が強いです。葉に特徴があります。葉は円形で直径3〜8センチ程で肉厚です。柄が長く5〜10センチ程、葉脈上に白い斑(縦縞模様)が入ることが特徴です。葉の両面と花茎には粗毛が生えています。花期は5〜6月。花茎は長く20〜50センチ。花は円錐花序で、伸びあがった先に5弁花の小さな白い花を幾つも咲かせます。花の上3弁は小さく赤い斑紋が入ります。匍匐性でランナー(匍匐茎)を伸ばして増えます。増やす場合、種からも増やせるのですが、ランナーにできた小株を使うと簡単に増やせます。親株の根は浅く、簡単に引き抜けてしまいます。庭などに沢山あるような場合、親株を移植しても簡単に増やせます。葉の模様や色合いには変異が多い種類になります。ユキノシタの葉は肉厚で、山菜として天婦羅、お浸しにして食べることができますが、ただし似た仲間が多いので他の植物と誤食しないようにしないといけません。食べるには自己責任が伴うことをお忘れなく。
ユキノシタ.JPGユキノシタ表.JPGユキノシタ裏.JPG
上ユキノシタの群生。小さな小川の脇の湿地に生えていました。中、葉の表です。葉脈に沿って白い斑があります。この模様が大きな特徴になります。葉の裏側です。このユキノシタの葉の色は緑色をしています。庭などで見る多くのユキノシタの葉は色の強弱はあるものの、赤紫色をしているか、赤紫を帯びている個体が多いです。この色の違いはアントシアニンによるもので、紫外線の強い日当たりの良い所では緑色(アントシアニンを含まない)。赤緑色や赤紫を帯びる(アントシアニンを含む)場合は日当たりの悪い場所の個体が多いようです。詳しいシステムは当方には分かりませんが、実家の日当たりの悪い場所にある固体や民家の裏側の日陰のユキノシタの葉は色が濃いものが多いと思います。山野で見るユキノシタは葉の裏も薄い緑色が多いので、日陰に見えても紫外線は十分に当たっているのかと思います。驚くほど濃い赤紫の葉もあるのですが、知らないうちの庭には入れないので、いずれ写真が撮れましたら比較のため追加する予定です。あまりに葉の色の違うものがあるので、違う種類に見えるかもしれませんが、個体差になるようです。野山の湿地や沢沿いに生えているようなユキノシタは葉の色が緑色のものが多く、庭などに生えているものは日照が悪いためなのか、赤紫や赤色を帯びているものが多異様に思えます。実際、林縁や沢沿いに自生しているものは緑色の葉をしているものを見ています。他の植物とのすみ分けで緑の葉になる結果になっているのかもしれません。
ユキノシタ花.JPG
ユキノシタの花です。少し古いものなので上3枚の花弁は写っていません。ご存知の方も多いと思う植物です。花の特徴として下2弁が大きいです。葉にも花にも独特な特徴があるので、比較的に覚えやすい植物になります。
花は小さいので見栄えはありませんが、園芸品種では多くの花の色があるので、公園などの花壇等で、花の時期に探してみると面白いかも知れません。


posted by クラマ at 10:52| Comment(1) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月03日

コバンソウ。小さな小判に似た穂が付くイネ科植物です。

コバンソウにはコバンソウとヒメコバンソウがあります。どちらもイネ科のコバンソウ属になります。コバンソウは観賞用に日本に渡来した外来種です。小判型や楕円型に見える花穂が可愛い、特徴的な覚えやすい植物です。今では雑草化していて、比較的にどこにでもあるようなありふれた雑草になっています。コバンソウは別名タワラムギとも呼ばれています。楕円形をした小判型の穂が付くことが特徴で、1度見たらすぐに覚えてしまうと思います。細い花茎にぶら下がった小判型の花穂は、ドライフラワーにして1輪挿しに刺すと、独特な形がとても可愛いです。同じ仲間のヒメコバンソウは別名スズガヤと呼ばれ、コバンソウよりもずっと小型の穂をつけます。花穂は沢山付きます。大きさもコバンソウよりも遥かに小さく貧弱に見えるので、区別は容易です。コバンソウは切り花やドライフラワーにも使われているだけあって、野原等で自然に乾燥した麦色の小判型の穂を見つけると、飾ってみたくなるほど可愛く見える面白い雑草です。ご存じない方は探してみるのも面白いと思います。コバンソウを調べて見ました。
★コバンソウ イネ科コバンソウ属。別名タワラムギ。ヨーロッパ原産(地中海沿岸部)の1年草。日本には観賞用として明治時代に渡来しました。花穂が小判型をしていて、実に覚えやすい名前をしている植物です。果実が熟して来ると緑色から黄色、そして淡い茶色に変色していきます。より小判のイメージにあってきます。分布は本州(秋田県、関東以西)、四国、九州。日当たりの良い荒地、道端、草原、砂地、畑などに生育します。草丈は10〜60センチ。茎は直立します。葉は細く線形。花期は5〜6月。この植物の最大の特徴は、楕円形の小判に似た形の穂が付くことです。
コバンソウ1.JPGコバンソウ2.JPGコバンソウ3.JPG
コバンソウの花穂です。花穂ができないうちは他の雑草と判別しにくいのですが、特徴のある形をした穂がぶら下がり始めたら、他の植物と間違うことはありません。名前に付いているように、小判に見える人が多いようですが、当方には原始の生物(三葉虫類)にも見えてしまいます。個性的な面白い形が魅力的な雑草です。元は観賞用として渡来しただけのことはありますね。現在は普通の雑草としてよく見ることができます。上2枚。細い茎に小判型の穂がぶら下がっていて可愛いです。色の変化も楽しめます。下、横から見える穂もあるので、扁平な小判型(楕円型)をしていることが分かります。手の平に何匹も虫が這っているようにも見えてしまいますね。実に面白い形をしています。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。広い範囲で群生していました。
コバンソウは雑草化するほど丈夫な植物なので、育てて見ようと思われた方は鉢植えも良いのかと思います。種まきで増やせますし、土質も選びません。芽が出て少し大きくなったら、水は泥が乾燥してから与えるだけですみます。丈夫なので手間いらず、土が乾きすぎなければ育ちます。個性的な穂がでれば1輪挿しやドライフラワーとして使うことができます。雑草扱いになったものの、使いようで役に立つ草です。コバンソウの種は園芸店にも売っているそうですが、普通に雑草化しているので、種を採ってきて蒔けばよいと思います。ただ庭に蒔きすぎると大変なことになるので、庭や花壇に蒔く時は少なめが良いかもしれません。病害虫にも強い繁殖力の旺盛な植物です。もし増えすぎたら種が広範囲に広がらないうちに、根元から刈ったり抜いたりして、株の数をコントロールすると良いと思います。
posted by クラマ at 00:40| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月26日

ツワブキ。山菜としても食べることもできる植物です。

ツワブキは海岸の近くなど海沿いに多く自生していて、常緑でツヤツヤした葉の美しさや花の美しさから公園、庭園、庭などにも多く植えられています。斑入りの種類など品種の数も多くあります。大変良く知られている植物と言えます。常緑の葉にはツヤがあり、葉の直径は20〜30センチ程もある大きな円形をしています。秋には見ごたえのある黄色いキクに似た綺麗な花を咲かせます。土質を選ばない丈夫な性質で、日向から明るい日陰、半日陰でも生育することができます。日光を好むのであまり暗い所は避けた方が良いです。鉢植えもできますが、日の当たり方で成長の差が出るので、均等に日が当たる様にした方が良いです。水は路地植えの場合、自然に任せておいても枯れることが無いほど丈夫ですが、鉢植えの場合は乾きすぎないように水を与えないといけません。日光に強いとは言え、日に当たりすぎる場合は葉が日焼けすることもあります。病害虫の発生はほとんどありませんが、病気の場合はウドンコ病になることがあります。ウドンコ病になると葉が粉状に白っぽく見えます(原因はカビ)。害虫にはキクスイカミキリがいます。キクスイカミキリの幼虫はキク科の植物の茎の内部を食べてしまいます。ツワブキはフキと似た名前が付いていますが、属が違います。葉の形は良く似ていますが質感が全く違います。フキはフキ科フキ属、ツワブキはフキ科ツワブキ属になります。大きな違いは、ツワブキにはフキの花茎の呼び名で知られるフキノトウはできません。開花時期も異なりフキの花(フキノトウ)は春ですが、ツワブキは花が少なくなった秋から初冬(10〜12月)にキクに似た黄色い花を咲かせます。花も楽しめるので、フキと違い観賞用に植えられることが多く公園や庭で見ることが多い植物になっています。観察地では小川の脇の薄暗い林縁に自生していました。元来は海岸の岩場などに生えていることで知られています。ツワブキもフキも共に山菜として利用されていますが、フキ程好んでは食されていません。ツワブキは家庭では佃煮として、店頭ではキャラブキと言う商品名で売られています。フキの場合は、もはや野菜として知られていて、スーパー等で普通に売られていますが、当方地域ではツワブキは店頭に生で並ぶことはありません。春先のツワブキの新芽はアクが少なく好まれています。九州地方で普通に食べられているようです。大分県、鹿児島県、宮崎県ではツワブキを山菜として出荷しているほどなので、利用しない方がもったいないと思います。ただ、ツワブキは水溶性のアルカロイドを含んでいるので、アク抜きをしないと食べられません。野外のみならず庭などで普通に植えられていることも多いツワブキを調べてみました。
★ツワブキ キク科ツワブキ属。別名ツワ、イソブキ、ツヤブキ、イシブキ等。常緑多年草。原産地は日本、東南アジア。分布は本州、四国、九州、沖縄。岩上や林縁に自生します。自生の北限は日本海側は新潟県佐渡島以南、太平洋側は福島県以南。耐暑性が強く丈夫な植物です。草丈は品種により20〜70センチ。有毒と言っても山菜として食されています。ツワブキは茎を食べることができます。旬は春の新芽です。新芽の葉と葉柄は密に茶色い綿状の繊毛に覆われていることが特徴の1つです。成長した葉柄ではこの繊毛は脱落していきます。ツワブキには毒成分が含まれています。ツワブキの毒成分はピロリジジンアルカロイドになります。ピロリジジンアルカロイドは肝臓に害を与えるので、食べる場合はアク抜きが必要です。アクを抜いたツワブキは煮物、きんぴら、佃煮、炒め物などにすることができます。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を含んでいるので、アクを抜けば優れた食材にもなります。葉は常緑で葉には厚みがあり、丸くてツヤのある大きな葉が付きます。葉柄は10〜38センチ程。葉身は4〜15センチ程。葉の幅は7〜30センチ程。茎は長く、野菜のフキに似ています。品種が多く葉の形には違いがあります。また斑入りの種類もあります。野外に逃げ出した園芸品種も見つかることがあります。花期は10〜12月。花茎は長く30〜50センチ程。その先端に黄色い頭状花を散房状に3〜10個程付けます。花径は4〜6センチ程。ツワブキには園芸品種が多く、葉が斑入りの種類や花の色も黄色、白、オレンジ色、クリーム色などがありキクに似た花が咲きます。花は咲き終わると綿毛を付けます。花の数が多いので、タンポポの綿毛に良く似たものが沢山付きます。増やし方は種まき、株分け、根伏せがあります。種が沢山出来るので種まきが簡単なのですが、種からの場合は親株よりも劣ることが多いようなので、同じような株にならないことがあるそうです。できれば株分けか根伏せの方が良いようです。ツワブキは耐暑性が強く丈夫で病害虫にも強い育てやすい植物です。
ツワブキB1.JPGツワブキ葉.JPG
上、ツワブキです。自然に生えているものです。ツワブキは庭にもよく植えられている植物なので、ご存知の方は多いと思います。葉の形はフキに似ていますが、ツワブキの葉は厚く強い光沢があります。写真の様に湿った環境を好む傾向もあります。下、別の株の葉の写真です。花壇や庭にも植えられる植物なので、知名度は高いかも知れませんね。
葉と花が観賞用になり、さらに新芽の茎や若い茎は食用にもなる優れものです。いざとなったら食用にもなるので、庭にあっても良い植物だと思いました。もし食べる場合は十分なアク抜きが必要になるので注意してください。普通は水にさらしたり、茹でるなどが1般的なようです。食材としても知られているのですが、毒成分を含むため万が1、アクが抜けきれなくて体調を壊す可能性もあります。初めて食べる方は、誤食やアク抜きの不十分等が考えられるので注意してください。あくまでも当方は責任を持てませんので、自己責任で食べる様にしてください。園芸品種も多いことから、花壇や公園で見つける場合は、花の色や葉に斑が入るものなどの種類を楽しむことができる植物なので、観察して見ると面白いと思います。
posted by クラマ at 16:07| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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