2018年05月17日

スミレ。スミレ科のタチツボスミレ、ツボスミレ、マルバスミレ、スミレ、ヒゲコスミレ、アメリカスミレサイシンを調べてみました。身近で見ることができるスミレの仲間です。

スミレは種類が多く似たものが多いことと、変異があることで知られる種類であることから、名前を調べるとなると難しい植物になります。スミレの花は5弁花で可憐な花を春先から開花させます。春を感じることができる花になっています。スミレと言うと在来種や外来種、花壇に植えられているパンジー(3色スミレ)の仲間も含めてスミレ科スミレ属の総称として呼ばれることが多いようです。スミレは温帯の植物で日本には50種類以上があります。似ているものが多く詳しい分類は難しいです。スミレの仲間は個体変異がある植物なので、種名の特定はなおさらに難しくなります。スミレの種類を観察する前は、スミレとヒメスミレの葉の違いなど知らなかったので、今まで同じスミレだと思っていました。その他、細かく分類すると他の種類の判別も難しいことが分かりました。春先に可憐に咲くスミレの花は、日本人には小さくても好まれる花になっていると思います。人家付近や里山などでも普通に見ることができるので、春に咲く花として馴染みのある植物にもなっていると思います。身近なところで見つけることができる、タチツボスミレ、ツボスミレ、マルバスミレ、スミレ、ヒゲコスミレ、アメリカスミレサイシンの6種類を調べてみました。このうちアメリカスミレサイシンは外来種の帰化植物になります。アメリカスミレサイシンの品種等、数種類が野生化しているようです。林縁などに野生化している所を見ることが多いです。種で増えるスミレの仲間の面白い特徴に、花を開かないで種を作る閉鎖花をつけることでも知られています。花を開かないで種を作る仕組みです。閉鎖花の場合、100%に近い確率で種を作ることができます。昆虫の媒介を必要としない方法なので、効率的と言うことができます。スミレはこの2つの方法で種を作ることで、繁殖率を高めているのです。スミレは交雑し易い種類で、変種や地域による個体差などが多い種類になっています。今後、園芸品種が逃げだして、さらに野生のスミレと交雑していくことも考えられます。
★タチツボスミレ 別名ヤブスミレ。スミレ科の多年草。草丈は5〜30センチ程。タチツボスミレは名前のように花の咲いた後は、茎を立ち上がらせていきます。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。日当たりの良い低地から山地に生育しています。タチツボスミレは大変丈夫で適応力も強く、林縁、道端、草原、畑地、公園、人家付近などどこでも最も普通に見られる普通種のスミレになります。分布も個体数も多い日本を代表するスミレになっています。タチツボスミレの仲間は非常に多く、似た種類の分類は難しいです。花期は3〜5月。花の色は薄紫色ですが、花色には濃淡の変異が多いことが知られています。色自体にも変異があるようです。花の側弁には突起毛(白い毛のように見えるもの)がありません。花の距は紫色をしています。花の直径は2センチ前後。花は薄紫色で唇弁には紫色の筋が見えます。葉の形は丸味のある心形(ハート形)をしています。春先の花は根元から出ているように見えますが、この後に茎が伸びあがっていきます。非常に良く似ている種類にナガバタチツボスミレと言うのがあって、こちらは葉の葉脈が紫色をしています。
タチツボスミレ.JPGタチツボスミレ花.JPG
上、タチツボスミレです。花が咲いている頃は立ち上がらない姿をしています。下、花の拡大です。タチツボスミレはどこにでも見られる普通種で、最も馴染みのあるスミレになると思います。
★ツボスミレ 別名ニョイスミレ。スミレ科の多年草。草丈は5〜25センチ程で多くは群生しています。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地の湿地の脇や湿り気のある草原や林縁、林内などに生育している普通種です。花は白くて直径1センチ前後と小型で、草原ではあまり目立ちません。花弁の中心部には紫色の筋が見えます。紫色の筋の濃さには個体差があります。ツボスミレは個体差の多い種類になります。花の側弁には白い毛(突起毛)があります。葉の形は丸みのある心形(ハート形)。花期は4〜5月で開花は他のスミレよりも遅くなります。春先の葉は根生ですが茎が伸びてくると茎からも葉が付きます。茎は弱く、垂れ下がっていることが多いです。当方の観察エリアではタチツボスミレの次によく見る種類になります。
ツボスミレ1.JPGツボスミレ葉.JPG
上2枚ツボスミレです。ツボスミレは湿り気を好むスミレで、日当たりの良い草原よりも林縁や湿地の周りを探すと見つかると思います。他のスミレよりも花は小さいので見栄えは劣ってしまいます。ツボスミレの花はは群生して咲いていないとあまり目立ちません。
ツボスミレ花1.JPGツボスミレ花2.JPG
上がツボスミレの花です。下は拡大したものです。
★マルバスミレ スミレ科の多年草。分布は本州、四国、九州。太平洋側の内陸部に多い種類で、西日本には少ない種類になるようです。水はけの良い環境を好むようです。マルバスミレは、日の当たる場所から半日陰の林縁や斜面に多く生えています。マルバスミレは名前にあるように葉の形は丸みが強い特徴があります。花の形も丸みのある輪郭をした花を咲かせます。花期は3月下旬〜5月。花の色は白ですが、稀に個体差で淡い紫や紅色を帯びたものもあるようです。唇弁には薄い紫色の筋が入っています。花が咲いていると、花の直径が2センチ前後と大きいので良く目立ちます。丸く厚みを感じる葉には、表面、裏面ともに微毛が生えています。葉柄は長めでしっかりとしています。花の咲く時期は草丈が2〜4センチほどで低いのですが、花が終わると草丈は8センチ前後程になります。マルバスミレは群生しています。マルバスミレは日本のレッドデータによると山形県、京都府、長崎県で絶滅危惧T類。富山県、福井県で絶滅危惧U類。鹿児島県で準絶滅危惧種になっています。
マルバスミレ.JPGマルバスミレ花.JPG
マルバスミレです。花も植物体もしっかりとして見えます。神奈川県の観察エリアでは桜の花の開花がマルバスミレの花の時期を教えてくれます。林縁に多い種類なので今後数を減らしていくと思われます。観察エリアにしている自然の残ってい2か所の公園で観察ができました。そのうちの1ヵ所、こども自然公園内では2か所で見つけていましたが、沢山群生していた場所では絶滅してしまいました。スミレは単なる雑草の1種の存在のようです。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。ひっそりと生き残っているので、気が付く人は少ないと思います。下、マルバスミレの花は花弁に厚みを感じます。丸味のある白い花は綺麗です。
★スミレ 別名ホンスミレ。総称ではなくスミレ科の1種としての名前です。スミレ科の多年草で草丈は10センチ前後程。無茎種で葉柄に翼があります。よく似たヒメスミレには翼がありません。側弁には毛が見えます。このスミレは総称ではなくこの種類の名前になりますが、スミレの呼び名は総称としても使われています。。1般的にはまとめてスミレと呼ばれていることが多いです。葉柄が長めで葉の形は矢じりを思わせる先の丸い長い披針形をしています。山間部から都市部の道路脇にも生育しています。時にアスファルトの隙間から可憐な鮮やかな紫色の花を咲かせていて、驚かされることがあります。花期は3〜5月。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地に生育していますが、道路脇や庭の隅などで見ることができます。アスファルトの隙間から花を咲かせているものもあります。花の色は濃い紫色で側弁には白い毛(突起毛)が生えています。距も濃い紫色をしています。葉はヘラ型をしていて、葉柄に翼があることで、似ているヒメスミレと見分けることができます。葉柄の違いが分からないとスミレもヒメスミレも同じに見えてしまいます。ヒメスミレの距は白っぽく見えます。個人的には探すのが困難になってきている種類です。以前はアスファルトの隙間などから濃紫色の花を咲かせているものを見ることもありましたが、探すことが難しい種類になってきています。数が減ってきている種類になると思います。
スミレ花と葉.JPGスミレ花1.JPGスミレ花2.JPG
スミレの花です。菫色と呼ばれる花の色には環境によっても濃淡が出るようです。上の花の写真(横向きの花)では蕚の基部が褐色に見えています。葉柄には翼があり、葉の裏は緑色です。通例、蕚は緑色が強く見えるものが多いようです。正確には分からないのですが、蕚の基部の色には若干の個体差があると思います。下、花弁の色の薄い花です。環境等で色の濃淡があるようです。スミレと言っても細かい分類でいうと、写真のスミレは厳密には亜種や変種になるかも知れないです。正直な所、代表的な種類と思われるものでも、正確な判別は難しいです。
ついでによく似ているヒメスミレも調べてみました。
★ヒメスミレ スミレ科の多年草。草丈は4〜8センチ程。無茎種で葉柄に翼が無いことで似た種類と判別することができます。良く似たスミレには翼があることで区別します。分布は本州、四国、九州。人家付近や道端などでも見かけることができるスミレです。花期は3〜4月。濃青紫色の花の直径は10〜15ミリ前後で花弁は細くなりまります。側弁には毛が生えています。葉は3角状披針形をしています。春先の葉には鋸歯が目立ちます。花の後は葉の長さが8センチ程になり、基部には丸みがでます。葉の裏は紫色を帯びます。蕚片は紫色を帯び、距は白っぽく見えます。大きさはスミレよりも小型になります。
写真が取れたら追加する予定です。
★ヒゲコスミレ スミレ科の多年草。草丈は6〜12センチ程。分布は本州、四国、九州。人家付近や低山地に生育していますが変異が多い種類で特定は難しいようです。東日本には少ない種類のスミレになるようです。花期は3〜4月。花の側弁にある突起毛(白い毛)が無いものが多いようですが、突起毛(白い毛)があったり、花の色や葉の形にも変異があるなど、個体差がある難しい種類になります。タチツボスミレの花に似ているものの、花の色は白っぽい花や淡い紅色のものまであるそうです。ヒゲコスミレの下唇弁には紫色のはっきりした筋が見えます。葉には微毛が生えていることが特徴になります。葉裏は紫色を帯びます。ヒゲコスミレとコスミレは非常に良く似ています。花の側弁に白いヒゲ(突起毛)が無い種類がコスミレで側弁に毛が生えていたらヒゲコスミレになるようです。
ヒゲコスミレ.JPGヒゲコスミレ2.JPG
上2枚、ヒゲコスミレです。花の特徴と、葉には微毛が生えていることなどからヒゲコスミレで良いと思います。この個体の花の側弁には白い毛がありました。
★アメリカスミレサイシン 園芸植物として渡来した北アメリカ原産の外来種の多年草で、種類が多いので総称的にアメリカスミレサイシンと呼ばれています。和名の由来はスミレサイシンのようなワサビに似た太い茎をしていることから付いた名前のようです。紹介するのはパピリオナケアと言う種類のようです。無茎種で葉は先のとがった部分のある丸みの強い心形をしていて、葉の表面にはツヤがあります。他にプリケアナと言う種類などがあります。花の色には白や鮮やかな濃青色などがあります。花期は3〜5月。側弁には目立つ毛が生えています。花の直径は2〜3センチ程で花は大きくて綺麗です。花が終わると葉が大きくなり多数つきます。分布は北海道、本州、四国。丈夫な種類で雑草として分布を広げています。観察エリアでは、スミレを餌とするタテハチョウ科のツマグロヒョウモンの幼虫が餌にしている所を見かけます。葉の大きなアメリカスミレサイシンは餌として最適なのでしょう。雑草化して増えているものの、アスファルトや道路脇よりも林縁や明るい草原で見ることが多いです。
アメリカスミレサイシン花1.JPGアメリカスミレサイシン花2.JPGアメリカスミレサイシン葉.JPG
上はアメリカスミレサイシンのパピリオナケアと呼ばれる種類のようです。花は大きくて鮮やかな濃紫色をしています。外国的に言うとバイオレット色と言うことになるのでしょう。日本的にはスミレ色と言う表現になります。花は鮮やかで綺麗です。アメリカスミレサイシンと呼ばれる種類では、種により花の色に違いがあるのですが、当方観察エリアでは、野生化していたこの種類のみ見つけることができました。花壇に植える園芸種として有名なスミレ、パンジーの仲間も逃げ出して道路脇で見ることが多いです。殺風景な道路脇に咲いているスミレの仲間の花は、それなりに華やかさがあって心が和みます。下はアメリカスミレサイシンの葉です。
スミレとヒメスミレは比較する写真があると良いと思いました。スミレは次回の機会に良い写真が取れたら差し替え、もしくは追加したいと思います。

posted by クラマ at 12:21| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月08日

カタバミ、アカカタバミ、タチカタバミ(在来種のカタバミ)と外来種のオキザリスの仲間(オッタチカタバミ、イモカタバミ、ムラサキカタバミ、ハナカタバミ、ベニカタバミ等)を調べてみました。

カタバミの仲間は雑草として有名です。しかし在来種のカタバミも外来種のカタバミ(オキザリス)もよく見るとそれなりに可憐で可愛い花を咲かせています。カタバミ科の植物は在来種だけでなく外来種も雑草として繁殖している繁殖力が強い丈夫な植物です。在来種のカタバミは菜園や庭の手入れが無いいつの間にか姿を現してきます。面白いことに外来種のカタバミの仲間は冬場でも花を咲かせます。多くの草花が休眠している花の少ない時期の冬場に花を咲かせる変わった植物になります。カタバミの仲間として1年を通じて花を見る機会のある植物になるのです。カタバミ科カタバミ属はオキザリスと呼ばれていて、通例、日本でオキザリスと呼ぶ場合は特に園芸品種を指して呼ばれるようです。オキザリスとは属称でカタバミ科の植物の呼び名になります。オキザリスは世界に850種類以上あって形態も特性も様々な植物です。オキザリスと言うと種類の多さから総称的に呼ばれていることになります。オキザリスには夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあることから、花の咲く時期はまちまちで花を見る機会は多いです。花の色も実に様々で綺麗なものもあります。1般的にはオキザリスと呼ぶ場合、地下に球根がある園芸品種を指す様です。園芸品種なので、花が大きい種類が多いです。カタバミはハート形の葉が特徴になっています。カタバミと言うと繁殖力が強く、雑草としても有名な植物になっています。日本原産のカタバミの他、イモカタバミ(南米原産、ブラジル、パラグアイ等)、ムラサキカタバミ(ブラジル原産)は外来種になり、野生化して立派な雑草になっています。特にイモカタバミは簡単に見ることができる雑草となっていて、繁殖力がとても強い植物です。どちらもよく似ていますが、花に違いが出ます。雄しべ(約)が黄色い方がイモカタバミでムラサキカタバミの雄しべは白い色をしています。イモカタバミに似ているものに花の色が濃いベニカタバミもあります。外来種のオキザリスの仲間は観賞用として渡来しただけに、在来種のカタバミよりも花が大きく見事です。耐寒性や繁殖力の強さから雑草化が進んでいます。特にイモカタバミやムラサキカタバミはよく目にする雑草になってきました。両種は非常に良く似ているのですが花の特徴を覚えると見分けることができるようになります。
日本に自生している在来種のカタバミ属はクローバーの葉に似た3出複葉で、この3枚の葉は大きさも形もほぼ同じです。日本産のカタバミは伸びあがったバナナやオクラの様な果実を付けます。カタバミの実は面白いことに、熟して来ると指で触れただけで簡単に破裂して、中の種を勢いよく飛ばします。この植物の特徴を利用して、子供の頃に遊んだ記憶のある方も多いと思います。草地、空き地や駐車場、道端など、どこにでも生えているような繁殖力の強い種類です。カタバミの名前の由来は、カタバミの葉は昼間開いていますが、夜になると閉じる特徴があることから、閉じたときの形が葉が半分(片喰)に見えることから来たようです。カタバミの花は昼間は開いていますが、曇った日や雨の日、夕方には花を閉じてしまいます。
日本原産のカタバミは食べられる山野草としても知られています。ただし、蓚酸を多く含んでいるので味は酸っぱくなります。蓚酸を含んだ植物は取りすぎると体に良くないので、食べる際の注意として多食してはいけません。外国では食べる国もあるようですが、日本では食べられる山野草としては好んで食されないようです。当方は試したことが無いので、食べ方や味等は分かりません。姿の似た植物にクローバーの葉があります。形がカタバミに似ています。カタバミと間違ってクローバーの葉を食べても害はないのですが、園芸品種のオキザリスについては毒性などの安全面については全く分かりません。間違って食べて大変なことにならないとも限りません。知らないものは口に入れないことが無難です。むやみに食べることは考えない方が良いと思います。日本在来のカタバミ(カタバミ、アカカタバミ、タチカタバミ)と外来のオキザリスの仲間(オッタチカタバミ、イモカタバミ、ムラサキカタバミ、ベニカタバミ、ハナカタバミ、オキザリス・プルプレア、オキザリス・トライアングラリス)を調べてみました。
・在来種のカタバミの仲間の紹介です。
★カタバミ(別名スイモノグサ、モンカタバミ等) 草丈は4〜10センチ程。茎は地面を這うように成長します。カタバミは地方により別名が沢山ある植物です。日本原産の多年草で、カタバミは駆除が厄介な雑草として繁殖しています。畑地、荒地、草地、空き地や駐車場、道端、アスファルトの隙間など、どこにでも生えている繁殖力の強い種類で、日当たりの良い乾燥した場所を好みます。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。花期は4〜10月。5弁花の小さな黄色い花を咲かせます。花は低い位置に咲きます。葉は小型で淡い緑色が綺麗です。葉は昼間開いて、夜には閉じる特徴があります。よく似た種類に、株が立ち上がって見えるタチカタバミがあります。カタバミの果実は2センチほどで、オクラやバナナを思わせる形をしています。面白いことに熟して来ると指で触れただけで、簡単に破裂して中に沢山詰まっている種を勢いよく散布します。種を散弾銃のように発射するのです。実に不思議な繁殖方法です。カタバミは小型の蝶、ヤマトシジミ(シジミチョウ科)の幼虫の食草としても知られていて、カタバミの生えている所にはヤマトシジミが飛んでいます。よく似た植物に葉の色が違うアカカタバミがあります。在来種のタチカタバミや外来種のオッタチカタバミは葉や花の色も同じですが、花径が立ち上がります。オッタチカタバミは原産地が北アメリカの外来種になります。
カタバミ.JPGカタバミ実と花.JPG
上、カタバミの花。良く知られた有名な雑草の1種で、黄色い花は小さいものの可憐で可愛く見えます。下、葉と花です。果実も見えています。
★アカカタバミ カタバミに良く似ている日本原産の在来種の多年草で、全体的に赤紫色をしたカタバミです。葉の色の違いから形のよく似たカタバミと区別は簡単です。大きさはカタバミよりも全体的に小型になります。以前はウスアカカタバミと言って葉の色にうっすらと赤紫が入っているカタバミを別種としていたらしいのですが、現在はアカカタバミの個体変異として見るようです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。草地、畑地、空き地など。大変丈夫で道端のアスファルトの隙間に生えていることもあります。花期は4〜10月。5弁花の小さな黄色い花を咲かせます。アカカタバミの花には、花の中心部に近い所に赤い環状に見える部分があります。この赤い色の部分は個体差により、濃い色の個体とあまり目立たない薄い色の個体があります。アカカタバミは繁殖力も強く、雑草としてカタバミと同じような所に生えています。カタバミと同じような果実をつけ、種を飛ばして増えます。背の低い開けた草地や荒地の日当たりの良い乾燥した場所を好みます。
アカカタバミ.JPG
アカカタバミです。春先は特に地面に張り付いて生えているように見えます。アカカタバミの黄色い花の中心部付近には、赤い環状の輪が見えます。写真のアカカタバミの花は、花の中心部に見える赤い色の環状が分かりにくいタイプです。カタバミと似ていますが、アカカタバミは葉の色が赤紫色をしているので分かりやすい種類になります。
★タチカタバミ 日本在来種。草丈は10〜30センチ。茎が立ち上がる特徴があることからついた名前になるようです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。花期は4〜10月。林縁や草地、畑地、空き地などに生えている花径が立ち上がったカタバミで丈夫な雑草です。5弁花の小さな黄色い花を咲かせます。茎が立ち上がっていないとカタバミと非常に良く似ています。立ち上がっているカタバミには他に、外来種のオッタチカタバミがあります。タチカタバミとオッタチカタバミの両種の大きな違いは種の表面に現れます。タチカタバミの種の表面は茶色く見えますが、オッタチカタバミの種には白い縞状に見える模様が10本ほど見えます。種は小さいのですが、確認すると種の表面にある皺になっている部分が白く見えます。ヤマトシジミ(シジミチョウ科)の幼虫の食草になっていて、タチカタバミ、カタバミの生えている所にはヤマトシジミが飛んでいます。黄色いカタバミの花にとまるシジミチョウも可愛いです。
写真は後日追加する予定です。カタバミに似ていますが、花径が立ち上がっています。
・外来種のカタバミの仲間の紹介です。
★オッタチカタバミ オッタチカタバミは原産地が北アメリカの外来種の多年草です。オッタチカタバミの特徴は草丈が20〜35センチ程もあります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。畑地、道端、空き地、草原、土手などに生えている雑草です。花期は4〜10月。黄色い花を咲かせます。オッタチカタバミは、茎が太くて立ち上がり葉が固まって生えているように見えます。これは茎から出る葉(茎葉)が対(2本ずつ)で出ることが多い事から、カタバミやタチカタバミよりも、姿がこんもりとしていて、大きく見えます。果実をつけることと花の色が黄色いので、間違いやすいのですが、在来種の似たカタバミよりも大きな株になることが特徴です。他種との違いとして、オッタチカタバミの種には特徴があります。種子の表面にある皺に白い部分があって、10本ほどの縞状の模様が見えます。種子を確認できる時期には種を調べてみると判別が容易になります。植物体には白い微毛が多く密生して生えています。果実は角ばっていて形が野菜のオクラに似て見えます。姿からの印象とは違い、根は細く他種のような立派な太い根はありません。
オッタチカタバミ果実.JPGオッタチカタバミ1.JPGオッタチカタバミ2.JPG
オッタチカタバミです。上、果実です。中、姿は葉が多く立ち上がっていて、こんもりとして見えます。下、茎から出ている葉は2本ずつ出ています。葉が多く出ていて草丈もあることから、姿はこんもりとして見えます。淡い緑色の葉が綺麗です。花の色は黄色い色をしています。
★イモカタバミ(別名フシネハナカタバミ) イモカタバミはブラジル、パラグアイ等の南米原産の多年草で、草丈は30センチ程にもなる大型のカタバミです。イモカタバミの名前の由来は地下にイモ状の塊茎(かいけい)があることによります。花を見ただけでは、なぜに「イモ+カタバミ」なのか分からないネーミングになっています。花が綺麗なので日本には観賞用として渡来しましたが、現在では雑草化していて簡単に探すことができます。目にする機会が多いカタバミになりました。道端、植え込み、草地、畑地、庭などに繁殖しています。葉は淡い緑色で、見た目も質感が柔らかく見えます。葉の表面には光沢がありません。イモカタバミは繁殖力が強く、1株あるとどんどん増えていき大きな株を作ります。普通に引っこ抜いた草むしりだと、地下に球根が残っていて、駆除が難しいぐらいに繁殖力が強くて丈夫です。置いてあった植木鉢に発生していたイモカタバミを引き抜くと小さなイモ状の塊茎が沢山出てきました。最初は(1年目)小さな塊茎から葉が1枚伸びあがっています。増え方は大きな塊茎の上(根元)に小さな塊茎が沢山出来て増殖していきます。草むしりや土を掘り返した時に、この塊茎が1つでも残ると繁殖して翌年又花を咲かせます。分布は北海道、本州、四国、九州。花期は4〜9月。花茎を直立させて花を付けます。花径は2センチ程で、綺麗なピンク色の花を咲かせます。よく似た種類にムラサキカタバミがあります。ムラサキカタバミの花と良く似ていますが、イモカタバミの花は花の色が濃く、イモカタバミの雄しべの葯(ヤク)は黄色をしていて、花は中心部の色も濃いので、花の中心部が淡黄緑色をしたムラサキカタバミの花と区別することができます。またムラサキカタバミの雄しべの葯(ヤク)は白い色をしているので、花をよく見ると区別することができます。園芸品種にシロバナイモカタバミと言う白花種もあります。
イモカタバミ花2.JPGイモカタバミ花.JPGイモカタバミ葉.JPG
上は2枚はイモカタバミの花です。集まって咲いていると濃いピンク色の花は見事でとても綺麗です。下の花は花弁に見える赤い筋が薄く見える花です。花には個体差が出るようです。下は葉と花の様子です。
イモカタバミ.JPGイモカタバミ塊茎.JPG
上は小さな株のイモカタバミの全体の姿です。下はイモカタバミの塊茎です。土中から掘りだして撮影しました。写真は同1個体です。
★ムラサキカタバミ(別名キキョウカタバミ) ムラサキカタバミは南米原産で北米から観賞用として日本に渡来しました。草丈は30センチ程にもなる多年草の大型のカタバミで、要注意外来生物に指定されています。繁殖力が強く、現在は雑草として畑地、道端、空き地等に繁殖しています。生育環境は日当たりの良い肥沃地を好みます。分布は本州(関東地方以西)、四国、九州。花期は5〜7月。群生していることが多く、花茎を直立させて花を付けます。花径は1・5〜2センチ程で、花はイモカタバミに似ていますが、ムラサキカタバミの花の中心部は淡黄緑色をしていて、雄しべの葯(ヤク)は白い色をしています。よく似たイモカタバミの葯は黄色をしています。葉は柔らかい緑色をしています。繁殖は鱗茎で増えていきます。ダイコンのような形をした根の上部に小さな鱗茎を沢山つけます。この小さな鱗茎から増えていきます。排除が難しく草取りで根から引っこ抜いても、この小さな鱗茎が土中に残れば、また新しく芽を出してしまいます。神奈川県では最近良く見かけるようになりました。
ムラサキカタバミ花.JPGムラサキカタバミ葯.JPG 
ムラサキカタバミの花です。群生して花を咲かせていると綺麗です。ムラサキカタバミの花はイモカタバミの花よりも、花の色が薄く雄しべの葯が白い特徴があります。土に鱗茎が混ざっていたのでしょう。植えていないのにベランダにあった植木鉢に生えています。引き抜くだけでは苦にもしないで毎年発生してしまいます。いつの間にか鉢はムラサキカタバミを栽培しているかのようになっています。
★オキザリス・プルプレア(別名オキザリス・バリアビリス、フヨウカタバミ) 南アフリカ原産。耐寒性が強く、塊茎を持つ多年草です。花が冬に咲くオキザリスです。花は直径4〜5センチ程もある大輪で、白い花に花弁の付け根が黄色い可愛い見事な花を咲かせます。葉の形は丸みがあります。花期は10〜12月、2〜4月。オキザリス・プルプレアは他の花が咲かなくなった冬の日中に元気に咲きます。雑草化して道路のアスファルトの隙間から咲いているものもありました。とても丈夫な種類のようです。 オキザリス・プルプレアは人家の周りに逃げ出したものを見ることがあります。日本で帰化が進んでいる植物になるようです。品種が多い種類になるようです。オキザリス・プルプレアは夏に休眠して冬は常緑で過ごします。
オキザリス・プルプレア.JPG
オキザリス・プルプレアは白い花を咲かせます。この白い花も綺麗です。
★オキザリス・トライアングラリス(別名ムラサキノマイ、インカノカタバミ、カラスバオキザリス、サンカクバオキザリス) 原産地ブラジル。花期は4〜10月。花の色は白、淡いピンク。花弁の細い5弁花です。花径は2〜4センチ程ありますが、どちらかと言うと花はあまり目立ちません。花よりも葉の色と形を味わいたいオキザリスです。葉は大きくて、葉の色が紫色〜紫褐色をしていて良く目立ちます。オキザリス・トライアングラリスは名前にあるように葉の形が3角に見える特徴があります。オキザリス・トライアングラリスは耐寒性はあるのですが、冬は葉が枯れてきます。
オキザリス・トライアングラリス1.JPGオキザリス・トライアングラリス2.JPG
オキザリス・トライアングラリスは花よりも葉の形と色に個性があるオキザリスで、葉の形と色を楽しむ種類になります。個体差があるのでしょう。花の花弁が丸みのあるものとやや細長く見えるものがあります。上の花の花弁は丸みを帯びていますが、花弁の細いタイプもあります。下、トライアングラリスの葉です。紫色〜紫褐色をした葉は綺麗です。
★ベニカタバミ(別名オキザリス・ブラジリエンシス) ブラジル原産の多年草。観賞用として大正時代末期に日本に渡来したようです。耐寒性、耐暑性があり丈夫なことから、現在は雑草化しています。分布は本州(関東以西)、四国、九州。ベニカタバミは人家の脇や道端などで見かけることができるようです。開花時期はは4〜9月。ベニカタバミは鮮やかな花の色が特徴的です。イモカタバミに似ていますが、花の色が濃く、花弁もイモカタバミよりも丸みがあります。花径は1・5〜2センチ程。葉はベニカタバミには光沢があり、硬い質感に見え葉にはやや厚みがあります。結実はほとんどしないようで、主に鱗茎で増えるようです。
ベニカタバミ.JPG
ベニカタバミです。イモカタバミに似ていますが花の色が濃いです。葉も緑色が強くしっかりとして見えます。人家の脇の歩道に生えていました。この家の庭から逃げ出したものかも知れません。
★ハナカタバミ(別名オキザリス・ボーウィー) 原産地は南アフリカ。江戸時代に観賞用として渡来したそうです。多年草で草丈は30センチ程。分布は本州(関東以西)、四国、九州。暖地で野生化しています。花期は8〜11月頃。名前に「ハナ」と付いているように、ピンク色の花弁の丸い大型の花を咲かせます。花径は3センチ程もあり、花が大きく美しいカタバミです。逃げ出して野生化しています。塊茎で増える種類なのですが、日当たりの良い道路の脇や道端で見かけることがあります。繁殖力の強さには驚かされます。ハナカタバミの葉柄や花径には微毛が密生しています。葉は緑色で厚みがあります。
オキザリス・ハナカタバミ.JPG
ハナカタバミは暖地では普通に野生化しているようです。花は大きいことが特徴になっています。観賞用として植えられていただけに花は可憐で見ごたえがあります。神奈川県でも道端で見かけることがあります。元は道路に面した庭の花壇等から逃げ出したものだと思います。今後は神奈川県でも温暖化に伴って、綺麗な花を咲かせる雑草として、普通に野生化して広がっていくのでしょう。
カタバミの仲間は綺麗な花を咲かせてくれるので、雑草として道端等で咲いている花を見ると、たかがカタバミと思えなくなってくると思います。種類によって花の時期も違うので、それなりに目を楽しませてくれる植物になると思います。
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2018年04月02日

コガタルリハムシ。タデ科のギシギシやスイバを食べるハムシ科の昆虫です。

コガタルリハムシはタデ科のギシギシやスイバに発生するハムシです。黒く見えますが光が当たると光沢のある青藍色をしていて、地味な色に見えるもなかなか綺麗です。コガタルリハムシは普通種ですが、ギシギシやスイバがあれば見つけられるという程、多くはない種類になるようです。幼虫が発生すると、成虫も幼虫も葉を食べて育ちます。食欲が旺盛で葉がスカスカになって枯れたようになります。コガタルリハムシは、まだ昆虫類が少ない3月に入ると活動を開始して、春先のギシギシに多くついています。食草のギシギシに多くの個体が集まっていて卵も葉の裏で容易に見つけることができます。観察エリアではギシギシに圧倒的に多く集まっていて、葉の裏に産み付けられる卵も、スイバでは見つけることができませんでした。外来種のエゾノギシギシ(別名ヒロバギシギシ)やアレチギシギシよりも、在来種のギシギシに好んで産卵するようです。この仲間は交雑しやすいようで、ギシギシとナガバギシギシ、エゾノギシギシとアレチギシギシの交雑種も多くなっているようです。エゾノギシギシ(ヒロバギシギシ)は要注意外来生物として繁殖を広げている植物です。在来種のギシギシの方が葉が柔らかいので、食べやすいのでしょうか。暫くするとエゾノギシギシでも簡単に見つけることができます。エゾノギシギシは南下して生息範囲を広げて来た繁殖力の強い植物なので、コガタルリハムシにとっては餌の心配が減って、都合が良い結果となっているようです。餌としての優先順位(好み)はギシギシ。次にナガバギシギシ、エゾノギシギシ、アレチギシギシあたりで、最後はスイバになるようです。コガタルリハムシの活動する期間は短く、夏には夏眠する習性があるので、観察するのは6月頃までになります。3月に現れてすぐに産卵行動に入ります。あちらこちらでペアになったコガタルリハムシを見つけることができます。神奈川県の観察エリアでは3月の下旬には葉の裏に産み付けられた卵を簡単に見つけることができるようになります。卵からかえった新成虫は6月頃に発生して、土中に潜ってしまいます。交尾は冬眠から覚めた3月に行われます。肉眼で雄と雌を見分けるのは難しいので、ザックリと、春先だと黄橙色に見える腹部の大きい方が雌、もしくは体格の大型の方が雌と言う判断もできます。卵がたっぷりとお腹に入っていたら間違うことはありません。ペアでいると体格の大きい雌が下にいて、上にいる小ぶりのコガタルリハムシを雄と見ることもできます。幼虫は特に食欲が旺盛なようで、植物の原型をとどめない位に食べ尽くされたギシギシ類を見ることもできます。
スイバやギシギシは食べられる山野草として、山菜としても利用されますが、蓚酸を多く含んでいる事から、茹でてから水にさらすなどして、食用とすることが多いようです。当方の持っている食べられる山野草の本によると、独特の酸っぱさを好んで、塩に付けた1夜漬けも美味しいと記されています。食用には本来は在来種のギシギシ、スイバが利用されます。スイバはヨーロッパではソレルと呼ばれて栽培種(フレンチソレルと言うらしい)が葉菜として食用に利用にされている植物です。スイバには食べると酸っぱく感じる酸味の強い特徴があります。スイバ(酸葉)とは酸っぱい葉から来た名前のようです。スイバとギシギシの見分け方として、スイバとギシギシは似ているのですが、花茎が立つ前のスイバの葉の基部は矢じり型をしていることで、スイバとギシギシを見分けることができます。またスイバでは、花茎が伸びてくると上部の葉には茎(葉柄)が無いので、葉の基部が茎を抱いています。春先のスイバの容姿はホウレンソウにも似ています。ヨーロッパ原産の外来種のナガバギシギシはギシギシとよく似ていますが、葉の縁が著しく波打つ特徴があります。ギシギシと交雑していて両種の雑種が非常に多いようです。在来種のギシギシはほとんど見かけなくなっているようです。ナガバギシギシを食用とするのかは不明です。また、エゾノギシギシも食用にするとは聞いたことがありません。毒は無いようなのですが(蓚酸は含んでいる)通例不食になっているようです。そのうちに食べられる山野草のプロの方が、安全性を確認して食べ方等の本を出すかもしれませんが、良く分からないうちは食すのはやめておいた方が無難だと思います。
コガタルリハムシは、人間には生で食べすぎると害が出る蓚酸を多く含んでいるギシギシやスイバを食べる昆虫で、変わり者の部類に入る昆虫のようです。それゆえ雑草としても知られるスイバやギシギシ類を餌にすることで、他の昆虫との餌の取り合いになるというデメリットは少なくなるようです。他にギシギシやスイバを餌にする昆虫には、シジミチョウ科のベニシジミがいます。コガタルリハムシはギシギシやスイバを食べつくすほどの食欲により、農薬を使わないで雑草としてのギシギシ類やスイバを防除してくれる昆虫としても注目されているようです。
コガタルリハムシとエゾノギシギシを調べてみました。
★コガタルリハムシ 別名ギシギシハムシ。ハムシ科。体長は5〜6ミリ程。出現は3〜11月の年1化。分布は本州、四国、九州。平地から山地のタデ科の植物がある林縁、草原、牧地、荒れ地などにいます。普通種ですが生息は局地的になると思われています。ギシギシ類、タデ類に発生するハムシです。成虫、幼虫共にギシギシなどタデ類の葉を餌にします。スイバにも発生していますが、名前についているように、主にギシギシを好んで発生するハムシです。タデ科のダイオウにも発生してダイオウの害虫にもなっています。成虫は光沢のある濃い青藍色をしています。前胸背部や上翅(鞘翅)には小さい点刻が沢山(密になっている)あります。この上翅の点刻が特長になっています。体色は光の関係もあるのですが、黒っぽく見える色の濃い個体から瑠璃色に見える個体がいます。神奈川県では3月初めには腹部の大きい雌と雄のペアをギシギシの葉の上で見つけることができます。コガタルリハムシは越冬後、すぐに繁殖行動に移ることができるようです。コガタルリハムシの生息地は局地的と言われています。卵は葉の裏に産卵します。コガタルリハムシは、大きな体で黄褐色に見えるパンパンに膨れ上がった腹部をしている雌と、上に乗っている雄のペアを見つけることができます。上にいる雄の方が体が小さいです。1匹の雌に2匹の雄が乗っかているものも見ることがあります。餌になる植物が限定されてくるので、タデ科のギシギシを探すと見つけることができますが、必ず見つかるという昆虫ではないようです。いないところではギシギシを見つけても見つけることができませんでした。越冬は成虫で土中で越冬します。コガタルリハムシは暑さが苦手で夏眠しますが、成虫はそのまま土中で冬眠にはいり翌春を迎えます。潜り込む深さは思ったよりも深く、3〜10センチ程潜り込むようです。コガタルリハムシは眼覚めが早く、3月初め頃からいち早く活動を始めるハムシです。コガタルリハムシの幼虫は黒い体色をしています。姿はテントウムシの幼虫と似ています。食草が限定されてくるので、名前が分かりやすい種類になります。
コガタルリハムシを見つけた場所には食草であるエゾノギシギシ(ヒロバギシギシ)、アレチギシギシ、ギシギシ、スイバの4種類がありました。エゾノギシギシは在来種のギシギシと交雑も可能で、交配雑種も多いようです。エゾノギシギシ(ヒロバギシギシ)は丸味のある葉で、葉の長さが40センチ、葉脈に赤い色が目立ちます。葉の主脈が赤くなる種類にはエゾノギシギシとアレチギシギシがあります。葉の幅が狭く長細く見えるアレチギシギシにいました。春先には在来種のギシギシで多く見ることができますが、観察地に多いエゾノギシギシに群がっていきます。スイバは株数も少なかったのですが、コガタルリハムシは付いていませんでした。やはりギシギシの仲間が大好物のようです。少し離れた場所(100m程)のエゾノギシギシ、アレチギシギシ、スイバの生えている場所では見つけることが難しいくらい少なかったです。他の観察エリアにしている近くの公園2か所のギシギシ、スイバでは見つけることができませんでした。コガタルリハムシが局地的な発生になると思われている事は、個人的にこのことからも察することができました。生息地は広げていくのでしょうが、爆発的に増えて食草があれば生息数を広げていくという感じでは無い様に思えます。ギシギシを食べるハムシには他にイタドリハムシがいますが、名前についているように、ギシギシよりもイタドリを好んで餌にします。タデ科の植物は、タデ食う虫も好き好きと言いますが、スイバ、ギシギシなどは、蓚酸を含んでいて酸っぱい植物です。食べられる野草として食すこともあるのですが、スイバ、ギシギシ等に含まれている蓚酸は取りすぎると体に良くないので注意して食べる山野草になっています。特にスイバは味が酸っぱいことから、他の動物、昆虫も好んで食べない植物になっています。とても良く似た種類にヨモギハムシ、ハンノキハムシがいますが、食草が違うので判別は簡単です。
コガタルリハムシ雌1.JPGコガタルリハムシ雌2.JPGコガタルリハムシ.JPGコガタルリハムシ雌雄1.JPGコガタルリハムシ雌雄2.JPGコガタルリハムシ卵.JPG
コガタルリハムシです。刺激しないように撮影しました。静かに撮影していれば飛んで逃げ出すことはないのですが、葉の裏に隠れようとします。臆病な性格をしているハムシです。春先から5月までが数が多く見つけやすいです。昼行性で動きは緩慢なのですが、じっとしていないとピントを合わせにくくて苦労します。上2枚は雌です。腹部に卵を持っていて、鞘翅から黄褐色から橙褐色に見える腹部がはみ出ています。3枚目、雄のコガタルリハムシです。ややサイズが小さく見えます。4、5枚目、雄と雌です。雌の腹部が大きいため、雄は真上に乗るよりも落ちそうな格好で雌にしがみついています。5枚目は横から見た所です。2匹の雄が乗っかっています。卵が沢山入っていて、雌の腹部の大きさが良く分かります。下(6枚目)葉の裏に産み付けられたコガタルリハムシの卵です。産み付けられていたのはエゾノギシギシの葉です。卵は黄色くて長細い形をしていて、まとめて産み付けられています。手に触れると手にくっついて取れてしまいます。
コガタルリハムシ幼虫.JPG
コガタルリハムシの幼虫です。真っ黒い色をしたテントウムシの幼虫に似た体をしています。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
最近、特に見かけるようになってきた要注意外来生物にもなっているエゾノギシギシ(ヒロバギシギシ)も調べてみました。
★エゾノギシギシ 別名ヒロバギシギシ。タデ科のヨーロッパ原産の多年草。要注意外来生物に指定されているだけあって、雑草として最強ランクに挙げられています。1909年に北海道で確認された外来植物。他種との交配も多く、繁殖力が強いです。茎は紅紫色で葉の中央脈は赤色や赤色を帯びていることが多く、下部の葉は大きく幅もあり、長さは15〜30センチ程にもなります。葉の基部は浅い心形で丸みがあります。耐寒性が強く、土質もあまり選びません分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。北海道、本州北部から南下して分布を広げてきました。北方系で沖縄には少ない種類になります。根生葉で越冬します。同じタデ科のギシギシやスイバは食べられる山野草として知られていますが、エゾノギシギシがどのような扱いになっているんか分かりません。当方の持っている食べられる山野草に関する本には、エゾノギシギシは名前が載っていないです。草丈は50〜130センチ程。株も成長して行くと、がっしりとしていて大きく見えます。花期は6〜9月。似た仲間と確実に区別する場合は種子を調べる必要が出てきます。
エゾノギシギシとナガバギシギシ.JPG
エゾノギシギシとナガバギシギシの春の姿。左側がエゾノギシギシ。1見して葉の幅が広くて大きいです。まだ立ち上がらない株でも大きく見えます。右側がナガバギシギシ。葉が長く葉の縁が波打っています。ナガバギシギシはヨーロッパ原産の外来種です。
エゾノギシギシはギシギシよりも普通に生えています。毒成分は含んでいないようですが、蓚酸やタンニンの含有量は多いようです。蓚酸を水でさらせば食可能と言うことでしょうか?しかし、ここでは野草を食べるために調べているのではないので、食べることはお勧めしません。間違って他の植物を食べたり、食べすぎたりして体調を壊しても当方は1切の責任は負いません。交配雑種も多く存在するので、不確かなものは食べない方が良いと思います。
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